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今年の地方代表は2人! シンデレラボーイ藤田&門別リーディング岩橋

  • 2015年08月18日(火) 18時00分
職人

豪華なメンバーで争ったスーパージョッキーズトライアル



藤田弘治騎手「せっかくチャンスをいただいたので、精いっぱいがんばります!」

 今年はワールドスーパージョッキーズシリーズ(WSJS)が様変わりして、ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)として夏の札幌で開催されることになりました。チーム対抗戦を実施するなどのルール変更がある中で、これまで1枠だった地方代表が2枠に! WASJをより楽しむために、地方代表のお2人についてたっぷりとご紹介します。

 まず1人目は、例年と同じくスーパージョッキーズトライアル(SJT)で優勝した金沢の藤田弘治騎手。

赤見:SJT優勝おめでとうございます! 全国のリーディングジョッキーの中で戦って、見事優勝した気分はいかがですか?

藤田:正直、最初は全然実感がなかったです。嬉しい!という気持ちはもちろんありましたけど、あまりに大きなことなのでよくわからなかったというか(笑)。でもレースを終えて金沢に帰ったら、みんなが「おめでとう」って言ってくれて、それでだんだんと実感してきました。

赤見:それではSJTの戦いを振り返っていただきますけれども、まず第1ステージの大井では13着、9着という成績で11位でした。

藤田:第1ステージでは下位2名が落選して第2ステージに進めないじゃないですか。僕はてっきりその下位2名に入ったものだと思ってました。レース後に鞍掃除をしている時に、マスコミの方からも「藤田騎手があやしいです」って言われましたし(苦笑)。

赤見:言われてましたね(笑)。あの時、ポイント表が検量前に下りて来なかったんですよ。それでジョッキーのみなさんもマスコミも、「落選は誰だ? 誰だ?」ってなって。

藤田:僕はもうあの時落ちたもんだと思ってましたから。「だよねぇ〜…」と思いながら鞍掃除してて、それでも大井で乗れることなんてなかなかないですから、いい経験をさせてもらったなとしみじみしてました。

赤見:結局落選は森泰斗騎手と岡部誠騎手だったということで、見事第2ステージに進出しました!

藤田:園田に行けるのは嬉しかったですけど、4ポイントしか取れなくて11位通過だったので、例え園田で2連勝しても優勝はないなと思っていました。でもまさかというか、本当にいろいろなことが上手くかみ合って、馬たちががんばってくれて2連勝することができました。ポイントも1ポイント差でしたが優勝できたということで、ちょっと信じられないくらいの1日でしたね。

藤田弘治騎手

1ポイント差でSJT優勝を決めた藤田弘治騎手



赤見:優勝を決めた時のお気持ちは?

藤田:この時もポイント表を見ていなかったので、「また嘘なんじゃないか」って思いましたよ。信じて違ったらガッカリするのでしばらくは信じなかったです(笑)。でも実際に表彰台に立って、ずっと応援してくれてたファンの方が泣いてくれてて、「ああ、ホントに優勝したんだな」って思いました。

赤見:いよいよ札幌遠征が近づいていますけれども、中央での騎乗のご経験は?

藤田:1回だけ新潟で騎乗したことがあります(2013年朱鷺ステークス マイネルルビウス)。12着だったけど初めて芝に乗れて、いい経験になりました。あと、金沢のオフシーズンに7年連続で美浦トレセンで修行しています。施設も充実しているし、馬のレベルもすごい。視野や考え方も変わるし、すごく勉強になりますね。

赤見:藤田騎手は、同じ金沢の吉原寛人騎手(2011年にWSJSに参戦して2位)と同期ですけれども、やはり意識しますか?

藤田:吉原はデビュー当時からバンバン活躍していて、僕は最初の2年間ほとんど乗り馬がいなかったんです。あの頃は一番辛かったし、相当大きな差が開いてました。今も差はありますけど、こうやって吉原と同じ大きな舞台に立てるというのは嬉しいですね。吉原は総合第2位だったので、僕は1位を目指します。それから、僕がSJTに参加したのは金沢リーディングの吉田晃浩騎手がケガをして休んでいるからなんです(藤田騎手は第2位)。リーディングじゃないのに本戦から出場させてもらって、こういうチャンスをもらうことができて、ちょっと複雑な気持ちもあるんですけど…。でもせっかくチャンスをいただいたので、精いっぱいがんばります! これをきっかけに、金沢競馬に興味を持っていただけたら嬉しいです。

職人

今回新設された北海道枠で出場する岩橋勇二騎手



岩橋勇二騎手「世界のトップレベルの方々や、JRAの一流の方々と腕比べができるなんて、本当に楽しみですね」

 続いては、今回新設された北海道枠(昨年4月23日から本年7月23日までの門別競馬場における1着回数が最も多かった騎手)で出場を決めた岩橋勇二騎手。

赤見:WASJ出場、おめでとうございます!

岩橋:ありがとうございます。去年はリーディングを獲らせてもらったんですけど、今年は去年ほど勝てていなかったので、最後の最後まで(出場を決められるか)自信がなかったです。「行けなかったら仕方がない」と思って、腹を括ってレースに集中しようと思っていました。

赤見:出場が決まった時のお気持ちは?

岩橋:嬉しいというより、変な感じというか…。もちろん僕も出場したかったですけど、宮崎光行騎手(岩橋騎手と1位を争っていた)は何年も前からWSJSに出たいってずっと言ってて。僕が初めてリーディングを獲った時に、たまたま北海道枠ができて出場できるという形なので、すごく複雑な気持ちです。しかも、今年あまり勝てていないので余計複雑です。

赤見:なるほど。でも、昨年のリーディング獲得というのは相当大きな出来事だったんじゃないですか?

岩橋:大きかったですね。ずっと獲りたかったですし、本当に嬉しかったです。僕はもともと佐賀でデビューしたんですけど、上手く馴染むことができなくて、一度は騎手を辞めようと思いました。佐賀の関係者の紹介で門別に移籍することができたんですけど、その時に門別への道を作ってくれた方もすごく喜んでくれました。あの頃を振り返ると、まさか自分がリーディングを獲る日が来るとは思わなかったけど、諦めずに騎手を続けて来て本当に良かったと思います。

赤見:いよいよ札幌遠征が近づいていますね。

岩橋:せっかく大きなチャンスをいただいたので、しっかりと吸収したいです。世界のトップレベルの方々や、JRAの一流の方々と腕比べができるなんて、本当に楽しみですね。気持ち的にはガツガツ行きたいです!

赤見:では、ファンの方にメッセージをお願いします。

岩橋:僕は門別競馬場に居場所を作ってもらいました。本当にたくさんの方にお世話になって、感謝の気持ちでいっぱいです。今回中央の舞台に立てることになったので、門別競馬をアピールして少しでも恩返しができるようにがんばります!応援よろしくお願いします。

常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

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