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データ的には二強対決!/キーンランドC

  • 2015年08月26日(水) 18時00分

■キーンランドC(G3・札幌芝1200m)フルゲート16頭/登録21頭


【コース総論】札幌芝1200m Cコース使用

・コースの要所!

★1番人気の信頼度は標準程度。おおむね人気に即したレース結果で特徴ナシ。
★枠番値にはまったく差がないが、信頼度から内枠有利。馬番1〜4番はプラス。
★基本的には前有利なコースも、差し脚の有無はかなり重要。最速上がり◎。






 16頭立てに限定しても、単勝平均配当は890円と低め。アタマに関しては、キッチリと人気サイドで決まる傾向が強いコースである。人気別成績を見ても、1〜3番人気が連対率34.6%、複勝率47.5%と人気に応えており、以下も人気と成績が見事なまでに正比例。イメージ以上に、紛れの小さいコースといえそうだ。

 この「紛れの小ささ」は、枠番別成績にも色濃く現れている。枠番値にここまで差が出ないコースはかなり珍しく、平均人気と平均着順の乖離はほぼナシ。外枠だからといって、評価を割り引く必要はない。ただし、信頼度の面から内枠有利であるのは覚えておきたいところ。馬番1〜4番に入った馬は、プラス評価の対象となる。

 そして脚質だが、基本的には前有利。クラスを500万下〜重賞に限定しても、逃げた馬の複勝率は47.1%と、きわめて高い。しかし、注目したいのがスプリント戦らしからぬ、最速上がりを使った馬の高勝率である。[11-2-4-23]と勝ちきっているように、差す脚が意外なほど求められるコース。道中のペースが厳しい重賞では「好位〜中団からの差し」がもっとも有利になる可能性が高い。

【レース総論】キーンランドC(G3) 札幌過去10年

・レースの要所!

★好走例が6番人気以内に集中しており、7番人気以下は[1-1-1-74]と大不振。
★信頼度の高さは外枠も枠番値は内枠のほうが格段に高い。穴を狙うなら内。
★前走で最速上がりをマークしている馬は特注。信頼度抜群で絶対に買い!








 コースデータと比較すると、平均配当が単勝2553円、馬連1万1098円と一気に跳ね上がるキーンランドC。もっとも、これは2008年にタニノマティーニが最低人気で勝った影響が大だ。7番人気以下は[1-1-1-74]と大不振であり、馬券絡みしている馬のほとんどが6番人気以内。実際には、かなり順当決着傾向の強いレースといえる。

 夏の重賞らしく、牝馬が強いのもこのレースの特徴。なかでも素晴らしいのが4番人気以内に推された牝馬で、トータル[5-3-2-1]で連対率72.7%、複勝率90.9%という驚異的な成績を残している。あとは、完全に西高東低であるのも、押さえておきたいポイント。信頼度の面でも回収率の面でも、関西馬を狙ったほうがベターだ。

 続いて枠番だが、単純に信頼度だけでいえば、外枠のほうが優秀。コースデータとは対照的に、馬番1〜4番に入った馬は連対率3.1%と、きわめて不振な結果に終わっている。では内枠がダメかといえばそんなことはなく、馬番5〜8番は枠番値プラス1.0とかなり優秀。とくに人気薄に関しては、内枠から狙ったほうがいいと思われる。

 あとは、ローテもかなり重要なファクターだ。函館スプリントSからのローテが好成績を残しているように、中4週以上のゆったりした間隔で出走してくる馬が、ここは狙い目。連闘〜中3週で出走の馬と比較すると、信頼度の高さは雲泥の差である。また、前走を「最速上がり」で差している馬の強さも目立っているところ。ウキヨノカゼ、ティーハーフ、レッドオーヴァルの3頭は、これだけでも買う価値アリといえる。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 Cコース継続。やや前が有利だが差しも決まる馬場で、結局はペース次第か。

・天候予測
 木曜日に多少の降雨があるも、金曜日以降は晴れ予報。良馬場前提の予想で。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、キングカメハメハ産駒○、ゼンノロブロイ産駒▲

 台風15号と16号の影響も週末までは残らず、今週末はいい天候でレースを迎えることができそう。先週からのCコース替わりでやや前有利の馬場となった印象だが、能力やペース次第では差しもちゃんと決まっている。馬場のバイアスや天候について、それほど気を配る必要はないだろう。

 ちょっと意外だったのが種牡馬別成績だ。勝利数トップこそサクラバクシンオー産駒とスプリント戦らしいが、内容がいいのはディープインパクト産駒やキングカメハメハ産駒など、もっと長い距離に適性を持つ種牡馬の産駒。勝ち負けに差し脚の鋭さが要求される面は、コースデータ&レースデータでも目についたが、血統の面でもそれが裏付けられる結果となった。

★出走登録馬・総論×各論

 まず意識しておきたいのが、キーンランドCが「かなり堅いレース」であることだ。これはもう、6番人気以内[7-7-7-27]に対して7番人気以下[1-1-1-74]という結果がすべて。そろそろ荒れ頃──といった考え方もあるが、ハイリスクな逆張りよりも順張りのほうが、好結果を呼び込める可能性は格段に高い。問題は、人気サイドをいかに取捨選択するかだ。

 トップ評価は、前走で函館スプリントSを快勝したティーハーフ。しかも、最後方からぶっこ抜くという強烈な内容で3連勝と、勢いに乗っている。上位人気に推されるのは間違いなく、「中9週で出走する関西の5歳以下馬&前走で最速上がり」と、強調材料もきわめて豊富。ここも、好走が期待できると判断した。

 僅差の二番手評価に、レッドオーヴァル。牝馬であることやディープインパクト産駒であることを考えると、トップ評価でもいいくらいだ。こちらも「前走最速上がり」だが、中2週での出走という割引材料があり、これが二番手評価となった要因。それでも、ここで勝ち負けできる力や適性の持ち主であるのは間違いない。

 少し開いた三番手評価が、オメガヴェンデッタだ。準オープンを勝っての昇級だが、2走前の京王杯スプリングCで3着に好走しているように、その能力は間違いなく重賞級。スッと前につけられる速力があり、それでいて末もしっかりという、内容の濃いレースを見せ続けている。大きく割り引くファクターも見当たらず、高確率で好走が期待できるとジャッジした。

 あとは、ローブティサージュウキヨノカゼも上位評価組。以下は、タガノアザガル、マジンプロスパーという評価の序列である。逆に、ソコソコ人気になりそうだが評価が伸び悩んだのが、ルチャドルアスール、エポワス、レンイングランドの3頭。いずれもプラス材料よりもマイナス材料が目立つため、ここは「消し」評価で臨みたい。

 現時点では、ティーハーフとレッドオーヴァルの「二強」対決というのが、当データ分析からの結論。人気馬が素直に強いレースなので、馬券をいかに買うかも熟考する必要がある。枠番や当日の人気を加味しつつ、最後の最後までしっかり考えたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧


札幌11レース 札幌記念(G2)
1着 11ディサイファ
2着 05ヒットザターゲット
3着 04ダービーフィズ

じつはかなり自信があった、今年の札幌記念。結果としては大ハズレで、そのショックのあまり……馬券、捨てちゃった☆てへ(陳謝)。勝ったディサイファも2着のヒットザターゲットもヒモでは押さえていたけど、アタマや軸では買いづらかった馬。とはいえ、ちょっと無難な方向に行きすぎたのも事実で、お恥ずかしい限りですよ(´・ω・)

※コース&血統データは2011年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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