先週は常識が当てはまらなかった?
9月の中山は(そして阪神も)、黙って逃げ馬を買っておけばいい――競馬歴推定30年以上、50歳半ばを超えた競馬ファンにとっては、それが秋競馬の長年の常識だった。
しかし、本年。先週の中山・土曜メインの紫苑Sは、前半1000mは1分0秒6のミドル。本命を打ったホワイトエレガンスが、おお押し切った――ぱんと手を叩いたところが、クインズミラーグロが外一気だよ。
日曜メインに京成杯AHも、マイル重賞で1000m通過・58秒7とあれば、これはスローに近い。緩ペースのわりにレースっぷりに余裕はなかったとはいえ、二番手追走から後続を振り切るかに見えたアルビアーノが、ゴール前失速。
優勝タイムは1分33秒3。勝者のフラアンジェリコは、中山マイルの優勝時計は1分36秒4。どちらかといえば洋芝志向のネオユニヴァースの仔だった。
ちなみに、昨年の9月は馬場改修のため新潟で開催。秋の中山の記録は一昨年との比較となるが、紫苑Sは1分59秒3で、京成杯AHは1分31秒8。
いっぽうの阪神・セントウルSも、前半3Fの入りは34秒0という、スローに近い平均ペース。後半3Fのほうが33秒8と速く、決着タイムは昨年より0秒4遅い1分7秒8。優勝馬アクティブミノルは、洋芝・函館2歳Sの覇者である。
馬場の造り方の平均化というか。高速馬場とHラップを得意とする種牡馬(血統)の偏りみたいなものも含め、いろんなものがならされてきたんだなぁ。
「とりあえず逃げ馬買ってりゃあいいや」という、大雑把な競馬時代が却って懐かしかったりもするが、単純に逃げ馬だけをピックアップするより、追い込み馬を特定するほうが実は難しい。馬場が平均化されたからといって、競馬や馬券が簡単になったワケではなく、むしろ逆なのかもしれない。
なんて、開幕週のパワー馬場・時計決着をみて、セントライト記念は、ブライトエンブレム陣営がたぶんニンマリ