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相手はひねったほうが面白いはず!/神戸新聞杯

  • 2015年09月24日(木) 12時01分

■神戸新聞杯(G2・阪神芝2400m外)フルゲート18頭/登録16頭


【コース総論】阪神芝2400m外 Bコース使用

・コースの要所!


★1番人気が強く10番人気以下が弱いコース。もっとも妙味があるのは中穴狙い。
★外枠はかなり不利。馬番1〜12番の馬を中心に馬券を組み立てるのがベターだ。
★差し優勢も直線一気は決まらないコース。後方に置かれそうな馬は軽視が基本。



 スタンド前から発走し、外回りコースを1周チョイ回ることになる、芝2400m戦。スタート直後に急坂が設けられてるのもあって、序盤のポジション争いは激化しないコースだ。14〜18頭立てにおける平均配当は、単勝1024円、馬連6690円、3連複3万6684円と、やや高めの数値。ただし、1番人気の信頼度が高く、対照的にふたケタ人気馬の好走率が非常に低いことから、大穴よりも中穴狙いが望ましいといえる。

 データの母数が少ないので過信は禁物も、外枠が不利であるのは確実。内枠〜中枠と比較すると、外枠である馬番13〜18番の信頼度が低いのは、誰の目にも明らかだ。また、回収率や枠番値ベースでの比較でも見劣る内容で、馬番12番より外に入った馬は割引の対象。「内が有利」ではなく「外が不利」という認識が正しい。

 そして脚質だが、道中の流れが緩く直線が長い「瞬発力コース」であるため、先行勢よりも中団待機組のほうが高信頼度。4コーナー通過順位別に見ると、8〜10番手で通過している馬がもっとも高い複勝率と回収率をマークするという、瞬発力コース特有の現象が発生している。ただし、追い込むのは非常にキツく、11番手以下で通過した馬の成績はかなりの悪さ。後方ではなく、中団のポジションを取れる馬を高評価すべきだ。

【レース総論】神戸新聞杯(G2) 過去8年

・レースの要所!

★3番人気以内[7-4-5-8]と、圧倒的に人気馬が強い。ふたケタ人気馬は全滅。
★信頼度が高いのは外枠も枠番値は内枠が図抜けた高さ。内枠重視の姿勢で。
★前走G1組を素直に信頼。中団よりも前につけられる馬を狙うのがベターか。



 それなりに波乱傾向が見られたコースデータとは違って、レースデータは「堅い」のひと言。単勝オッズ6.9倍以下馬が、トータル[7-4-4-4]で複勝率78.9%という驚異的な結果を残しており、対照的にふたケタ人気馬が[0-0-0-47]と1頭も馬券に絡めていないのだから、穴党の出番はない。人気馬を「いかに買って儲けるか」というレースであるのは、間違いない。

 コースデータと大きく食い違ったのが枠番別成績だ。コースデータでは外枠不利と結論づけたが、レースデータでは馬番13〜18番が連対率20.8%と、もっとも信頼度が高くなっている。しかし、ここまで人気馬が素直に強いレースだと、コレを額面通りに信用するのは危険。複勝率には大きな差が見られないことから、枠番値がプラス0.9と図抜けて高い「内枠」を狙ったほうがベターだと思われる。

 次に前走クラス別成績だが、素直に「前走G1組を重視」のスタンスが正解。好走馬のほとんどが前走G1組で、夏に使われてきた組では、ラジオNIKKEI賞組の健闘が目立つ程度だ。連対馬16頭がすべて「中8週よりも長いローテ」で出走していることからも、素直に春の実績馬を狙うべきであるのは間違いなし。人気薄を狙うにしても、前走ダービー組から選んだほうが効率はいい。

 そして最後に脚質面だが、最速上がりの馬が[5-2-2-0]とすべて馬券絡みしていることや、コースデータよりも「少し前」のポジションのほうが好成績であるのを、強く意識したいところ。後方からでは間に合わないのは、コースデータとまったく同じだ。前走での上がり3F順位が「2位以内」の馬が勝ち、2着には「6位以下」だった馬が来る──といったパターンが多いのも、覚えておいて損はない。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 A→Bコース替わり。良好な芝コンディションでやや前有利という印象を受ける。

・天候予測
 週末にかけて降雨が続くも日曜日は晴れそう。稍重あたりになる可能性もアリ。

・注目血統
 ハーツクライ産駒◎、ステイゴールド産駒○、ディープインパクト産駒▲

 意外に先行勢の健闘が目立っていた先週の阪神芝コース。もちろん、ペースや能力次第では差しも届くのだが、今週からBコース替わりであるのを考えると、この傾向は強まることはあっても弱まることはないと考えたほうがいい。また、今年の登録馬に「速力の裏付けがある徹底先行型」が少なく、スローで前が楽な展開になる可能性が高いというのも、意識しておきたいポイントである。

 血統面では、連対率・複勝率がともに高いハーツクライ産駒をトップ評価。複勝回収率も127%と高く、その適性の高さは疑いようもない。また、ステイゴールド産駒も非常に優秀な内容で、こちらも迷わず「買い」といえる内容だ。逆に、複勝率33.9%と数値自体は高いが、期間内3勝という結果がもの足りないのがディープインパクト産駒。一応はプラス評価の対象としたが、コース適性の高さは「ボチボチ」程度か。

★出走登録馬・総論×各論

 春クラシックで主役級の活躍を見せたリアルスティールを筆頭に、キロハナ、アルバートドックなど、上位人気をディープインパクト産駒が独占しそうな今年の神戸新聞杯。レース傾向を考えると手堅い馬券を買いたくなるが、今年に関しては上位人気馬につけいる隙アリというのが、現段階での判断である。

 その大きな理由が「前走ダービー組」の少なさ。リアルスティールとタガノエスプレッソの2頭だけで、上位人気が予想されるアルバートドックは白百合Sからのローテ、キロハナに至っては500万特別だ。同じ人気馬であっても、「前走G1組」とは信頼度が違いすぎて、同列に扱うわけにはいかない。

 というわけで、トップ評価は素直にリアルスティール。皐月賞2着、ダービー4着という実績は、ここに入ると他とは比較にならないほどだ。ちなみに、前走ダービー3番人気以内馬は[5-0-2-2]と信頼度バツグンで、4年連続で勝ち馬が出ているパターン。ただし、リアルスティールの前走上がり順位が「6位以下」であることから、2着〜3着に取りこぼすケースも想定しておきたい。

 二番手評価にマッサビエル。ここまで4戦のうち、3戦で最速上がりをマークしているのは大きな魅力といえる。ゲートに課題アリだが、夏競馬を使わず中13週で出走というのも、このレースについては大きなプラス。スタートを決めて中団のポジションが取れれば、大金星をあげる可能性すらある。

 三番手にティルナノーグ。この夏にようやく3勝目と出世が遅れたが、その前走が逃げて速い上がりを使うという収穫アリの内容だった。鞍上が武豊ジョッキーに戻ってどう乗るかが読みづらいが、素質馬にようやく実が入ってきたという印象もあり、ここなら侮れない存在となりそう。ぜひ、積極的な競馬を期待したい。

 あとは、トーセンバジルとリアファルも上位評価組。以下は、タガノエスプレッソ、レッドアルティスタ、サンライズセンス、ワンダーアツレッタという評価順である。アルバートドックとキロハナは「消し」で勝負。リアルスティール軸で流す馬券が中心も、マッサビエルについては、配当が美味しそうな単勝での勝負も一考したい。


■総論×各論・先週の馬券回顧




中山11レース セントライト記念(G2)
1着 13キタサンブラック
2着 04ミュゼエイリアン
3着 02ジュンツバサ

ええ、大失敗ですとも(涙目)。単勝8倍前後と思っていたキタサンブラックが12.5倍もつけるなら、単勝一本でよかったよなあ……と大後悔時代。2着のミュゼエイリアンと3着のジュンツバサを、まるっきり拾えてないというのも恥ずかしい。う〜む、ガツンと儲ける好機を逸した気がしてなりませぬ。

※コース&血統データは2010年以降、レースデータは2007年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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