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神戸新聞杯、前走重賞組が「異例の少なさ」でどう狙う?

  • 2015年09月25日(金) 18時01分


◆500万条件組も今年は少しチャンスがありそう

 今年の神戸新聞杯は、前走GI組・重賞組の少なさが特徴だ。GI組がダービーの2頭で、ラジオNIKKEI賞などGII・GIIIがゼロ。オープン特別組が2頭という陣容である。

 菊花賞が10月になった2000年以降だと、前走国内GI組が2頭のみというのは2000年のみ。ただこの年はキングジョージ帰りのエアシャカールがいたので実質3頭。前走全重賞を対象にして2頭というのも、異例の少なさと言える。

 例年の相場だとダービー組やラジオNIKKEI賞組が強くて1000万条件組は3着が精一杯というところなのだが、今年は上が薄いぶんもっと食い込んできてもおかしくない。また、例年は全く馬券に絡まない500万条件組も、今年は少しチャンスがありそうだ。

 いずれにしてもリアルスティールにとっては圧倒的に有利な状況であり、トライアルといっても負けることは許されないほどだ。神戸新聞杯はかなり本命色の強いレースであり、いまのコースになってからその度合いは増している。

 タガノエスプレッソは皐月賞・ダービーの内容がさっぱりだが、ここまで陣容が薄いと「クラシックに出ていただけで偉い」とも言える状況だ。買う意欲が湧くという感じではないが、人気を見ながらシルシを回すことを検討したい。

 ラジオNIKKEI賞組がいないので、オープン特別勝ちのアルバートドックも人気になりそうだ。重賞でも好走していた馬だし、当然評価する必要はある。ただ、このレースにおけるディープインパクト産駒はイメージほどの成績ではない。リアルスティールとのワンツーだといかにも面白みがないので、その2頭になにが割って入るか、という発想も持ちたい。

 そうなるとキロハナの扱いが難しいところ。2戦2勝は魅力だが例年は500万条件組が相当に苦戦しているし、ディープのワンツースリーまで見込むのかどうかという話になる。個人的には京都2戦2勝馬の一気距離延長だし、思い切って軽視してみようかと考えている。

 例年だと3着止まりの1000万条件組も今年はチャンス十分。人気で勝ってきた馬が強いのでやはりまずはマッサビエル。ただ、このコースはかなり内枠有利なので、大外を引いてしまったのは痛い。

 1000万条件勝ちをアリとするなら準オープン勝ちのリアファルもアリとしなければならないところだが、同馬の前走は初芝を超スローで逃げ切るという特殊な競馬。阪神芝2400m外回りは差しが届きやすいし、ちょっと買いづらい馬だ。

 500万条件組はいつもなら無視なのだが、先述したような事情で今年は少しだけ脈がある。なにかプラス要素がある馬を買いたいので、ステイゴールド産駒で内寄りの枠を引いたレッドアルティスタや、ハーツクライ産駒のサラトガスピリットあたりを狙ってみたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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