GI馬リチャードの宮師が嘆いた馬は/トレセン発秘話
◆宮師は「あの馬は本当に強い。あの馬には勝てる気がしない」
テイエムオペラオーの全盛期。GIで何度一緒に走っても2着ばかりでずっと勝てなかったメイショウドトウの主戦・安田康元騎手が「もうあの馬とは戦いたくない」と弱音を漏らしたことがあった(GI5連敗後の01年宝塚記念でようやく悲願達成)。
接戦までは持ち込めても、どうしても勝てない…そんなライバル関係というのはいつの時代にも存在するものである。最近でいえば、牝馬3冠で全て同じワンツー決着となったジェンティルドンナとヴィルシーナの2頭がそれにあたろうか。
今週のスプリンターズSにコパノリチャードを出走させる宮調教師は、メンバーを見渡した後、強敵として真っ先にミッキーアイルの名前を挙げた。
「あの馬は本当に強い。大体ウチの馬と同じような位置で競馬をしているけど、いつも直線で置いていかれる。あの馬には勝てる気がしない」
実際の対戦成績はミッキーアイルの2勝1敗。そこまで負け続けているわけではないのだが、今年の阪急杯(ミッキーアイル2着、コパノリチャード6着)、高松宮記念(ミッキー3着、コパノ5着)の2走が、対戦成績以上のインパクトをトレーナーに与えたのだろう。
1週前追い切りに騎乗した主戦・浜中の「まだモサモサして、いかにも休み明けという雰囲気」という言葉を聞いて、今回のミッキーアイルは評価を落とそうと思っていたのだが…。宮師の警戒ぶりを知った後は、その気持ちも揺らいでくる。
「阪急杯(不良)にしろ、高松宮記念(稍重)にしろ、パンパンの良馬場で走れなかった。走法からして馬場が悪いのはマイナス。それでも崩れていないんだからな。いい馬場でやれれば、もっとスピードを生かせる」とはミッキーアイルを管理する音無調教師。
宮調教師の警戒はそのあたりも含めてのものなのか? いずれにしても両馬の最終追い切り、週末の(天気)予報は要チェックとなりそうだ。
(栗東の坂路野郎・高岡功)