今週の太論は、小牧騎手のぶっちゃけトークが炸裂!
「競馬場までの交通費は、馬主さんが払うと聞いたことがありますが、本当ですか?」「同じレースに複数の騎乗依頼がきたとき、どのように騎乗馬を決めるのですか?」などなど、今回は競馬界の裏側(?)についての質問が。小牧騎手のぶっちゃけトークが炸裂!
(取材・文/不破由妃子)
ルメールはきれいに乗ってくるけど、ミルコは…
──今回もたくさん質問がきていまして、まずはこんな質問から。「競馬場への交通費は馬主さんが払うと聞いたことがありますが、本当ですか?」
小牧 うん。一応、そういう決まりにはなってるんちゃうかな。結局は、僕らが馬主さんに請求すればいいことやからね。この前、ヒットザターゲットで札幌に行ったときは、決められた金額を加藤先生経由で請求したよ。
──普段の京都開催や阪神開催のときはまた別ですよね。
小牧 それはもう、もちろんもらってないです。夏の小倉とかもね。あくまでも、重賞のために遠くに移動するときだけ。1頭の馬のために移動するときの決まりみたいなもんや。
──たとえば、その日に何頭か騎乗馬がいても、重賞で乗る馬の馬主さんに請求するんですか?
小牧 うん、そうです。
──続いては、「同じレースに複数の騎乗依頼がきたとき、どのようにして騎乗馬を決めているのですか? 先に依頼がきた馬に乗ることが多いのでしょうか?」という質問です。
小牧 それはエージェントの仕事の範疇やけど、大抵は先に依頼があったほうを優先する。ダコール(新潟記念)のときも、あとからシュウジ(小倉2歳S)の話があったけど、先約が優先や。
──どうしても、後から依頼がきたほうに乗りたいっていうことはないんですか?
小牧 それはしょっちゅうあるよ。でも、そう思っても断ったらダメ。そんなことをしたら、信頼関係が壊れるやん。目の前のレースだけじゃないからね。ずっと先のことも見据えないと。
──ジョッキーによっては、掟破りをする方も…?
小牧 天秤にかけることはあるやろね。しばらく保留したまま、みたいな。そのあたりはエージェントのサジ加減やけど、僕も保留にしているときがあるみたいだよ。
──続いては、「ルメールとデムーロが順調に勝ち星を伸ばしています。ライバルとして、彼らの騎乗をどう見ていますか?」というリクエストです。
小牧 ミルコは汚いね、乗り方が。
──え〜と、書ける範囲でお願いします(苦笑)。
小牧 書いてもいいでしょ。とにかく勝負に対して厳しいわ。あ、ルメールはそんなことないけどね。ルメールは競馬がマジメ。デムーロはとにかく乗り方が厳しいし、重賞になったら容赦なしや。挟んだりとか、けっこう多いでしょ? ダコールの不利も、発端はミルコやで。でも何も制裁はないけどね。我慢してる若手も多いよ。
──そういった厳しい競馬も、テクニックのひとつ…という見方もできるのですか?
小牧 ん〜、まぁ外国のジョッキーはそういったことに長けてるからね。国が違うからなのか、ルメールはきれいに乗ってくるわ。巧いのは巧いよ、どっちもね。でも、ミルコに関しては、巧さ以上にそういう騎乗が目につくね。
──では、最後の質問です。「調整ルームは謎が多く、とても興味があります。お風呂や部屋など、内部はどうなっているのですか? 部屋は決まっているのですか?」。
小牧 部屋はほとんど決まっていて、すごくキレイやで。6畳くらい…かな。1部屋1部屋にテレビが置いてあって。阪神、京都、中京は、部屋にトイレが付いてるわ。中京はお風呂が付いてる部屋もあるな。
──それぞれ違いがあるんですね。京都とか阪神の部屋には、小牧さんの荷物がずっと置いてあるんですよね?
小牧 うん、置いてある。小倉もずーっと同じ部屋や。中京は古い建物と新しい建物があって、新しい建物のほうに4部屋くらいキレイな部屋があんねん。僕はそこを使わせてもらってる。あ、豊くんも。年寄り優先や(笑)。
──お風呂はその空間全体がスチームサウナ状態になっていると聞いたことがあります。
小牧 そうそう。簀子みたいなのが敷いてあって、その下からブワーッとスチームが出ていて、お風呂場全体がすっごく熱くなってんねん。阪神が一番広くて、京都にはテレビが設置されてる。10人以上が入れる湯船もあって、水風呂もあって、まぁ銭湯みたいなもんやな。
──そこでみんな和気あいあいとお風呂に入ってるんですか?
小牧 ん〜、和気あいあいかというと…(笑)。僕と熊ちゃんは老眼鏡をかけて漫画を読んでるわ。メガネが曇ったら、その都度、メガネをお湯にザブッと(笑)。
僕と熊ちゃんは老眼鏡をかけて漫画を読んでるわ。メガネが曇ったら、その都度、メガネをお湯にザブッと(笑)