国内最高齢の誘導馬・マコーリー(セン30)が、10月16日(金)園田競馬場で行われた重賞・姫山菊花賞(20時00分発走)を最後に、誘導業務を引退した。愛くるしいピンクの鼻で人気のおじいちゃん誘導馬の最後の仕事に密着した。(取材・文・写真:大恵陽子)
大食漢、でも引退
京都競馬場から園田・姫路競馬場に移籍して約15年。関係者は夏頃からマコーリーの引退を考えるようになった。
「食べることが大好きで、18歳と22歳の後輩誘導馬よりたくさん食べるのですが、夏場に体重が20kg近く減って筋肉がガタッと落ちました。乗っている感触がロボットみたいでクッションがなく、パドックから本馬場へと誘導するだけで息が上がってしまうような状態でしたので、引退を相談させてもらいました」
と、マコーリー最後の誘導に騎乗した大當(おおとう)紗也華さん(23)。
10月16日(金)ナイター競馬の園田競馬場で誘導馬引退を迎えた。
●14時00分開門と同時に場内にはマコーリー写真展コーナーとグッズショップが臨時オープン。若いカップルからおじいちゃんまで、多くの人で賑わった。
Twitterで集められたマコーリーへのメッセージと写真も1冊のファイルとなって展示された。
中心となってメッセージを取りまとめた同競馬場実況アナウンサーの三宅きみひとさんは言う。「10年ほど前の写真も送られてきて、全部で22ページにもなりました」
●19時00分いつもと変わらず、マコーリーは誘導に出るための準備を始めた。「いつも脚元がちょっと汚れているので綺麗に拭いてあげたり、たてがみを編んだりしました」(大當さん)
▲尻尾も丁寧に編み込まれていた
●19時40分重賞・姫山菊花賞の出走馬がパドックを周回していた。発走の20分ほど前、パドック右手の門がゆっくりと開き、堂々とした足取りでマコーリーが登場した。
スマホ、デジカメ、一眼レフ。あらゆるレンズが一斉に彼に向けられた。
マコーリーが先頭に立ち、いよいよ最後の誘導業務が始まった。