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「菊花賞だからこそ買いたい馬」不在で馬券的にはどう攻める?

  • 2015年10月23日(金) 18時00分


◆たまに穴をあけるのは前走1000万条件組

 今年の菊花賞は「菊花賞だからこそ買いたい馬」がおらず、年に一度しかないレースだけに寂しいところ。馬券的にはオーソドックスに入るしかないのかと思う。

 菊花賞でオーソドックスな馬券といえば、神戸新聞杯上位組。リアファルはマレーシアカップの超スローに続いて展開に恵まれたため評価しない人もいるだろうが、今回三度スローということは十分にありうる。スピリッツミノルは初手が遅いし、キタサンブラックミュゼエイリアンは距離を考えると強気には攻めてこれないだろう。

 逆に、わざわざスピリッツミノルを待ってまでハナに行かない競馬をすると、自滅の可能性がある。距離を意識せずにここ2走と同じ競馬をすればよい。

 リアルスティールはある程度の位置を取って折り合いがつけば、楽勝できるはず。ただ、その形に持っていくのが簡単ではない。もともと操縦性の良い馬だと思われてきたが、ダービーでは発馬直後に掛かるそぶりを見せた。慎重にはこびたくなる面もあるだろうし、かといって慎重になりすぎると取りこぼしにつながる。

 神戸新聞杯組では他にレッドソロモンあたりは少し脈がありそうだが、当時の3〜5着馬が抜けているので、今年は別路線組に例年以上のチャンスがある。

 セントライト記念組のキタサンブラック、ミュゼエイリアンは正直距離には不安があるが、だからといって控えていったらなにもはじまらない。取れる位置を取って、あとはスタミナを要求されない流れになることを祈るしかない。今年はごりごりのステイヤーがいないだけに、位置取りだけで好走できる可能性は十分にある。

 ジュンツバサは父ステイゴールドだけに、距離延長に対応できる可能性があるが、それでも複穴候補までか。扱いが難しいのがサトノラーゼンブライトエンブレム。いまの日程になって以降、セントライト記念で掲示板を外した馬が馬券に絡んだ例はない。しかもこの2頭は、菊花賞でプラスとは言えない差しタイプ。どうしても買いたいという人を止めるつもりはないが、個人的にはサトノのほうに△をつけるかどうか悩む程度だ。

 たまに穴をあける前走1000万条件組だが、成功した馬はすべて前走で先行していた馬ばかり。そう考えると前走4角で好位にとりついていたとはいえ本来差しタイプのスティーグリッツより、もともと先行タイプのワンダーアツレッタのほうを推したい。ただ両馬ともステイヤー色が強いとは言えず、張り切って本命にするというほどではない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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