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願い通りの内枠/菊花賞

  • 2015年10月24日(土) 18時00分


セントライト記念に出走した関西馬に注目

 目下、関西馬が「13連勝」している三冠目の3000m。単に13連勝を続けているだけでなく、現在、10年連続して「関西=関西」の決着が続いている。また、ローズSと秋華賞の強い結びつき(今年もローズS組の1着,2着)と同様、トライアル=神戸新聞杯との強力な結びつきも知られる。現在の体系になったのは2000年からのこと。この15年間の勝ち馬のうち、8割の12頭が神戸新聞杯組である。連対馬30頭のうち、3分の2の20頭が神戸新聞杯出走グループでもある。関西馬で、神戸新聞杯出走馬が断然の成績を残している。

 仮にこのパターンが今年も踏襲されると考えると、メンバーをにらむと、関西馬で、かつ神戸新聞杯出走馬はわずか「5頭」だけ。1-2着のリアファルリアルスティールがだいぶ抜けた形で、続く伏兵はアルバートドックか。仮に残るレッドソロモンタガノエスプレッソがちょっと苦しいとすると、パターン通りの結果というなら、今年の菊花賞は非常に明解。人気の「リアファル、リアルスティール」が連対する可能性は非常に高い。断然の1番人気、2番人気は、過去の結果パターンにピッタリの候補なのである。

 しかし、ほかの注目馬は、ホントに苦しいのだろうか?

 セントライト記念組は成績が良くないのは事実だが、近年好走したセントライト記念組は、12年に2着のスカイディグニティも、11年に3着のトーセンラーも、09年に2着したフォゲッタブルも、みんな関西馬ばかりである。菊花賞は関西馬断然というなら、セントライト記念に出走した関西馬に注目しなければならない。

 今年、「キタサンブラックサトノラーゼンベルーフ」。獲得賞金額から菊花賞出走はOKなので、神戸新聞杯と思えた3頭の関西馬がわざわざセントライト記念に回って出走した。相手有利なので賞金狙いという一面もあるだろうが、推測されるのは、馬主、生産牧場、厩舎、騎手の乗り馬、距離など、さまざまな理由が関係した、使い分けの要素が大きいセントライト記念への遠征だったか。

 キタサンブラックは距離適性の要素が大きく、大正解となった。だが、サトノラーゼン、ベルーフ(ともに池江厩舎)は、あくまで推測だが、使い分けの要素大だった。結果として、本番に向けてひと叩き、折り合い重視のレース運びに専念、いかにもトライアル(試走)の意味合いが強かったように映った。

 サトノラーゼンも、ベルーフも、馬群が固まった直線の坂下、あまりムリはしなかった印象を残しながらの、0秒2差、0秒3差である。

 今年のセントライト記念に出走した関西馬は、いつもの年以上に慎重に評価しなければいけない。

 リアファル、リアルスティールと同格にサトノラーゼン、ベルーフを評価したい。例年、良績のないセントライト記念組ではなく、あえてセントライト記念に回った関西馬だからである。

 セントライト記念組が快走しても、菊花賞の「関西=関西」の連続も、関西馬の連勝記録も変わらない。願い通りの内枠を引いたサトノラーゼンを中心にしたい。体型から距離不安は否定できないが、ダービーは2分23秒5。死角はライバルより小さい。穴馬は、栗東滞在で大きく変わったマッサビエルか。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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