セントライト記念に出走した関西馬に注目
目下、関西馬が「13連勝」している三冠目の3000m。単に13連勝を続けているだけでなく、現在、10年連続して「関西=関西」の決着が続いている。また、ローズSと秋華賞の強い結びつき(今年もローズS組の1着,2着)と同様、トライアル=神戸新聞杯との強力な結びつきも知られる。現在の体系になったのは2000年からのこと。この15年間の勝ち馬のうち、8割の12頭が神戸新聞杯組である。連対馬30頭のうち、3分の2の20頭が神戸新聞杯出走グループでもある。関西馬で、神戸新聞杯出走馬が断然の成績を残している。
仮にこのパターンが今年も踏襲されると考えると、メンバーをにらむと、関西馬で、かつ神戸新聞杯出走馬はわずか「5頭」だけ。1-2着の
リアファル、
リアルスティールがだいぶ抜けた形で、続く伏兵は
アルバートドックか。仮に残る
レッドソロモン、
タガノエスプレッソがちょっと苦しいとすると、パターン通りの結果というなら、今年の菊花賞は非常に明解。人気の「リアファル、リアルスティール」が連対する可能性は非常に高い。断然の1番人気、2番人気は、過去の結果パターンにピッタリの候補なのである。
しかし、ほかの注目馬は、ホントに苦しいのだろうか?
セントライト記念組は成績が良くないのは事実だが、近年好走したセントライト記念組は、12年に2着のスカイディグニティも、11年に3着のトーセンラーも、09年に2着したフォゲッタブルも、みんな関西馬ばかりである。菊花賞は関西馬断然というなら、セントライト記念に出走した関西馬に注目しなければならない。
今年、「
キタサンブラック、
サトノラーゼン、
ベルーフ」。獲得賞金額から菊花賞出走はOKなので、神戸新聞杯と思えた3頭の関西馬がわざわざセントライト記念に回って出走した。相手有利なので賞金狙いという一面もあるだろうが、推測されるのは、馬主、生産牧場、厩舎、騎手の乗り馬、距離など、さまざまな理由が関係した、使い分けの要素が大きいセントライト記念への遠征だったか。
キタサンブラックは距離適性の要素が大きく、大正解となった。だが、サトノラーゼン、ベルーフ(ともに池江厩舎)は、あくまで推測だが、使い分けの要素大だった。結果として、本番に向けてひと叩き、折り合い重視のレース運びに専念、いかにもトライアル(試走)の意味合いが強かったように映った。
サトノラーゼンも、ベルーフも、馬群が固まった直線の坂下、あまりムリはしなかった印象を残しながらの、0秒2差、0秒3差である。
今年のセントライト記念に出走した関西馬は、いつもの年以上に慎重に評価しなければいけない。
リアファル、リアルスティールと同格にサトノラーゼン、ベルーフを評価したい。例年、良績のないセントライト記念組ではなく、あえてセントライト記念に回った関西馬だからである。
セントライト記念組が快走しても、菊花賞の「関西=関西」の連続も、関西馬の連勝記録も変わらない。願い通りの内枠を引いたサトノラーゼンを中心にしたい。体型から距離不安は否定できないが、ダービーは2分23秒5。死角はライバルより小さい。穴馬は、栗東滞在で大きく変わった
マッサビエルか。