前走の内容から枠順も理想
1997年、グラスワンダーが勝った年まで「京成杯3歳S」で、1998年にウメノファイバー(翌年のオークス馬)が勝った年から「京王杯3歳S」になったという50年もの長い歴史を持つ短距離の「2歳ステークス」。
かつては頭数が揃わなかったが、2歳戦の開始が早まった近年はそんなことはなく、とうとう今年は除外馬まで出現して史上初の「18頭立て」になった。しかし、近年になるほど「スロー」が目立つ1400m。難しい結果が飛び出しそうである。素質に注目、将来性重視というなら、ほかにも選ぶレースがありそうであり、当然参加はするが、あまり振りかぶって買うレースではない18頭立てかもしれない。
キャリア【2-0-1-2】で上回り、前半は好位で我慢して「差す」形を身につけた
ボーダレス(父アドマイヤムーン)から好配当を狙いたい。牝馬だが、早熟系ではないから1戦ごとに身体が成長している。前回(マイナス2キロ)は初の当日輸送を考慮すれば、実際には夏の北海道当時より、馬体重はプラスだろう。
ここまでずっと1200mだが、前回の差し切り勝ちは自身「34秒4-34秒3」=1分08秒7なので、本質スピード系としても1400m不利ではない。前走、インでタメを利かせ、内から割って伸びたレース内容から、この枠順も理想だろう。
父アドマイヤムーン(その父エンドスウィープ)は短距離から出発し、最後はジャパンCを制するまでに成長した、広がるフォーティナイナー系らしいオールマイティーな種牡馬。母方は、母の父カドージェネレーが短距離中心だったが、スプリンターというほど距離にカベのある系統ではない。
母コスモポリタン(英8戦3勝)は輸入牝馬なので、なじみは少ないが、ボーダレスから数えて3代母は輸入された種牡馬ダンシングブレーヴ産駒である。また、9代母は日本に輸入されたローヤルディール(父ヒズハイネス)である。直系の牝祖というだけで結びつきも、特質もおよそ関係ないが、1946年生まれのローヤルディールは、シービークロスの3代母である。シービークロス産駒の牝馬シノクロスは、1987年の京成杯3歳Sを勝っている。
97年のきさらぎ賞を勝った外国産馬ヒコーキグモ(父キーン)は、その6代母がローヤルディールである。また、ローヤルディールのファミリーというと、日本で大成功したサッカーボーイ、ステイゴールド一族の出発点になる輸入馬ロイヤルサッシュは、その5代母がグッドディール。ローヤルディールの祖母になる。