今年の注目は「3歳馬」
先週の「みやこS」と同様、12月のG1「チャンピオンズC」を展望するグループが中心になる好カード。みやこSは4歳=4歳の決着だった。
ダート界のトップが古豪、ベテランの天下だった時代はすぎ、競走体系の充実とともにトップの層が厚くなった。それで変化したのは、世代交代。現在は、芝のチャンピオンレースと同様に、世代の回転は早くなった。
今年、とくに注目は「3歳馬」である。3歳で武蔵野Sを連対した馬には、のちのG1馬アグネスデジタル、クロフネ、カネヒキリなどが並んでいる。
ただ、別定重量のベースが変わったから、3歳
ノンコノユメはすでにGI「ジャパンダートダービー」を勝ったことにより「58キロ」となる。これはかなり重要で、武蔵野Sが東京1600mダートで行われたこと過去14回、58-59キロで出走した馬は【0-3-1-13】の成績である。2-3着した計4頭はすべて4歳以上のタフなベテラン。かつ、勝ち馬はいない。
3歳で58キロを背負って出走したのは、11年のテスタマッタ(11着)だけ。該当馬が少ないのは事実だが、巨漢のベテランならいざ知らず、鋭い差し脚を武器にする450キロ前後のノンコノユメには負担大の苦戦が考えられる。
58キロで勝つようなら、もう歴史に名を刻むチャンピオンであり、NHKマイルC(G1)を勝ったあと、ここを1分33秒3の大レコードで独走した01年のクロフネは、3歳のベース負坦重量が54キロだった時代なので、57キロ止まりだった。
同じ3歳でも、55キロで挑戦できる
モーニン(父へニーヒューズ)に期待する。まだ本当に強い相手と戦っていない死角はあるが、好位抜け出しで圧勝した5月デビュー戦(京都ダート1400m)は、破格も破格の1分23秒4(上がり35秒7。不良馬場)で5馬身差独走だった。翌日、ヤヤ重の古馬オープンの「栗東S」が、ほとんど馬場差はないと思えるが、1分22秒6の勝ちタイムで、今回対戦する
ニシケンモノノフ(56キロ)が、4着で1分23秒1(上がり35秒7)だった。モーニンはデビュー戦。あの時点で互角だろう。
血統図には、ストームキャット、メドウレイク、フォーティナイナー、ダンチヒ、ファピアノ、ハワイなどが散りばめられたアメリカ血統で、なおかつスピード系が中心である。雨予報の馬場も歓迎だろう。
相手妙味は、高速馬場向きの
タガノトネール。以下、
ゴールデンバローズ、
グレープブランデー、ノンコノユメ。オッズをみて、ニシケンモノノフ、立ち直った
ベルゲンクライを加えたい。