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抜群の動き! 馬券妙味たっぷりの伏兵候補とは!?

  • 2015年12月09日(水) 18時00分


ブランボヌールは前走からの上積み「アリ」と判断

 今年もあと3週。トレセンニュースで「有馬記念2週前」なんてタイトルになると、本当に2015年も終わりなんだって感じてしまいますね。今週は2歳女王を決める阪神JFですが、馬券的に妙味がある馬を見つけることができても、来春のG1を見据えることができるような素材は「?」というのが、正直な印象。

 逆に来週の朝日杯FSは皐月賞、ダービーじゃなくても、NHKマイルCに出走したら、という有力馬がたくさん。有馬記念に出走予定のキタサンブラックも菊花賞から更に上昇してきそうな雰囲気を感じているだけに、すでに2016年の競馬が意識できるような年末になっています。

【阪神JF/デンコウアンジュ】

 デビューからの単勝人気は8、5、12番人気。お世辞にも注目を集める馬ではなかったはずが、前走の派手な勝ちっぷりで一躍脚光を浴びることになりました。この中間も在厩調整ですが、追い切り本数は決して多くありません。前走の馬体が細いとは思いませんが、逆にお釣りがない状態であることも確かでしょう。

 そのあたりは普段の気性を見ていても感じるところ。坂路上での運動でも煩いところを見せているので、一歩間違えればという感じ。ただ最終追い切りはトラック馬場のDPできっちりと併せ馬を行うことができましたし、先着もしました。ラストの伸びは良かったと思います。あとは馬券的妙味を考えて、この人気が買いか否かを判断するだけ。

デンコウアンジュ(12月9日撮影)

ラストの伸びは良かったデンコウアンジュ(12月9日撮影)



【阪神JF/ブランボヌール】

 前走が久しぶりの栗東での調整。坂路追い切りで4本の時計を出していましたが、いずれもラスト1Fが時計を要する動き。決して目立つことはなく、本当に短距離で重賞を勝った馬なのかなと思ってしまうくらい。それがこの中間は岩田康誠騎手が跨ることで、少しずつ動くようになりました。

 1週前追い切りが坂路4F53.3秒、1F13.0秒。以前ならラスト1Fがもっと遅かったと思いますが、このあたりは慣れたことやジョッキーが乗ったことも影響しているのでしょう。そして、坂路での最終追い切り。少し右埒に近い場所だったので、時計が出る状態ではありましたが、4F54.2秒、1F12.3秒はかなり驚きました。しかも動きには余裕があったので、これは前走からの上積みがあると判断したいところ。

ブランボヌール(12月9日撮影)

前走からの上積みがあるブランボヌール(12月9日撮影)



【阪神JF/アドマイヤリード】

 4ヶ月ぶりでキャリア1戦の重賞挑戦。そのファンタジーSでは8着でしたが、ひと叩きした前走はさすがのレースぶり。最終追い切りのCWでは7Fから時計を出して、しっかりと負荷をかけたところも好結果に繋がった要因ではないでしょうか。

 そして今回が中1週。どんな内容になるのだろうと注目していましたが、やっぱり単走でした。極端に遅い時計も想定していましたが、前半からある程度のラップで入って、後半はある程度しっかり。4F54.6秒、1F12.4秒ならローテーションを考えて、決して遅くないと思います。ただ、大きな上積みはないというのも間違いないはず。

アドマイヤリード(12月9日撮影)

4F54.6秒ならローテーションを考えて決して遅くないアドマイヤリード(12月9日撮影)



【阪神JF/クロコスミア】

 デビュー戦を除いて、常にメンバー3位以内の上がり時計をマークしている馬。もちろん着順も安定していますが、人気にならないのが特徴的。確かに馬体重が軽すぎて、信頼できない部分もあるのかも知れません。ただ、数字を見なければ、そんなに小さな馬だとは思えないくらい、躍動感のある走りをするのがこの馬。

 最終追い切りの動きも抜群。併せ馬でしたが、後方から追走して、最後は余裕たっぷりに先着。その時計が4F54.9秒と全体は遅いものの、後半は2F25.5秒、1F12.4秒としっかり。中2週でも追い切り本数を減らしていないあたりも強調できますし、勝ち負けはともかく、馬券的妙味がたっぷりな馬であることは間違いありません。

クロコスミア(12月8日撮影)

追い切り本数を減らしていないあたりも強調できるクロコスミア(12月8日撮影)



【阪神JF/ジェントルハート】

 芝1200mで連勝。もちろん距離短縮が結果に繋がったということもあるでしょうが、入厩当初から、牝馬らしくない落ち着きを見せていた馬なので、デビュー戦だから結果が出なかったという判断もできると思います。前走のレースっぷりを見ても、決してスプリンターではないと思うだけに、この距離をこなすかどうか。

 ただ、続けてスプリント戦を使ったこともあってか、当初よりも飼食いが細くなっているよう。加えて、腹まわりは冬毛が目立ってきたので、見栄えはしません。それでも坂路での追い切りは1週前、最終追い切りともラスト1F重点で上々の動き。好位につけて、スムーズな競馬ができれば、決して適性がない条件とは思えません。

ジェントルハート(12月8日撮影)

1週前、最終追い切りともラスト1F重点で上々の動きだったジェントルハート(12月8日撮影)



◆次走要注意

・12/5 中京 金鯱賞【レーヴミストラル】(2人/8着)

 人気を考えれば、惨敗と判断できる着順。ただ、メンバー最速上がりは使っており、ここ最近は長距離を使われていて、2000mのここでは流れに乗ることができなかったと判断してもよいはず。
 この程度の馬ではないと思いますが、やはり好走するには、青葉賞時のように松田博資厩舎の勝負調教に該当する必要がありそうです。

[メモ登録用コメント] [芝]松田博資厩舎の勝負調教に該当すれば勝ち負け

・12/6 タンザナイトS【セカンドテーブル】(9人/8着)

 これまで逃げて結果を出していた馬が中団に構えての競馬。この時点で惨敗を想像しましたが、思ったより善戦したレース内容。これなら番手からのレースにも対応できると思います。
 少しずつ良化している途上だと思うので、あとは最終追い切りがCWで速い6F時計を馬なりでマークできるようなら。

[メモ登録用コメント] [マイル以下]最終追い切りCWで速い6F時計を馬なりなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・【ゴッドカリビアン】
 阪神JFにも登録がありますが、抽選漏れなら、中京のこうやまき賞。こっちに出走なら、確実に勝てるでしょう。というのも、1週前追い切りがCWで抜群でしたし、最終追い切りは坂路で1F12.1秒。文句ない動きを見せています。
ゴッドカリビアン(12月8日撮影)

最終追い切りは坂路で文句ない動きを見せたゴッドカリビアン(12月8日撮影)

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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