◆「あとはルメールさんに任せておけば」
先週のチャンピオンズC。コパノリッキーの村山調教師は同型のコーリンベリーとのハナ争いを制した1角で、外からガンピットとクリノスターオーという予想外の2頭に絡まれたことについて「形ができたと思ったのに、そこからペースが分からない2頭に絡まれてしまった」と苦々しげに語った。ただし最後には「これも競馬です」と。
クリノスターオーはともかく、外国馬のガンピットがあれだけ積極的に突っかかることは想定できなかったようだ。まさにこれこそが競馬の難しさ。先行馬が多くハイペースが予想されるレースに限ってスローで流れたり、逆にゆったりしたペースになりそうなメンバーなのに厳しいラップが刻まれたり…。競馬の展開を読み切るのは簡単ではない。
が、GIIIチャレンジC(12日=阪神芝外1800メートル)はさすがにある程度のペースで流れるはずだ。なにせスピリッツミノルにゼロス、ダンツキャンサー、バッドボーイ、マイネルミラノ…逃げて結果を出している馬がわんさと出てくる。ただでさえ上がりがかかる競馬になりやすい舞台でこのメンバーなら、まず直線だけの瞬発力勝負にはならないだろう。
「先週の金鯱賞も考えたけど、前残りになったら嫌だったので、このチャレンジCへ。思っていた通り金鯱賞は先行馬が残る決着だったし、使わなくてよかった」と話すのはヒストリカルの音無調教師。一番得意とする阪神芝外1800メートル(過去3勝)で、なおかつM〜Hペースが期待できるメンバー構成を考えれば、この采配はズバリ決まったと見てよさそうだ。
「俺は香港に行っているから当日、直接レースを見られないけど、状態もいいし今回は楽しみ。あとはルメールさんに任せておけば大丈夫だろう」
どうやらこのチャレンジCが、香港スプリント=ミッキーアイルの前祝いになりそうだ。
(栗東の坂路野郎・高岡功)