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ディープが温存される影響

  • 2015年12月16日(水) 18時00分


◆2歳重賞戦線の傾向にも強い影響を与えるウインドインハーヘア

 レジェンド・藤沢和雄調教師は、ディープインパクトの姉(レディブロンド)弟(オンファイア)も手がけ、ディープ産駒のスピルバーグでも天皇賞秋を優勝。

 そんなディープの血の特徴も知り尽くす藤沢師は、先日「競馬血統研究所」にご出演いただいた際、

「ディープインパクトは晩成」

 と、実に興味深いコメントを残されました。しかし、よくよくお話を聞くと、ディープは「仕上がりが遅い」から「晩成」と表現されたわけではないようです。「体が出来上がっていなくても走りすぎてしまう」から晩成なんだというニュアンスのようです。

 5歳の1000万条件でデビューして優勝。3ヶ月後にはG1でデュランダルと0.2秒差の競馬をする離れ業を見せたディープの姉レディブロンドも「走らせていい状態まで待つこと」が大変だった。と振り返られました。

 そんなウインドインハーヘア(ディープ達の母)の血の特徴は、2歳重賞戦線の傾向にも強い影響を与えます。

 今年のJRA2歳リーディングはダイワメジャーが勝利数、賞金ともに1位。勝利数2位はディープインパクト。

 ただし、勝率はダイワメジャー13%に対して、ディープの勝率は20%。ディープのほうが倍近く勝率は高いのです。

 つまりダイワメジャーが2歳リーディング首位なのは、ディープ産駒よりも出走数が圧倒的に多いから。ディープがダイワメジャーほど出走できないのは、藤沢調教師の言葉を借りれば「体が出来上がっていないから、温存している」産駒が多いのです。

 ディープが早い時期は積極的に使えない馬が多いとなれば、早い段階から使っていっても大丈夫な馬を出しやすい種牡馬は貴重。そこで脚光を浴びるのが、2歳から使い込め、短距離にも対応する産駒が出やすいダイワメジャーです。

 先週の阪神JFも社台グループはディープ産駒を温存(出走なし)。勝ったのは社台グループのノーザンファーム生産馬ダイワメジャー産駒のメジャーエンブレム。

 今週末の朝日杯FSもディープインパクト産駒の出走はなし。となれば、1位のダイワメジャー、3位のキングカメハメハ産駒の出番となりそうです。

 ダービーまでの重賞は

 社台グループのディープ
  ↓
 キンカメ、ダイワメジャー、非社台のディープ
  ↓
 非社台のキンカメ、ダイワメジャー、マンハッタンカフェ

 この順番に印を打てば、だいたいは間違った方向には行かないでしょう。むしろ難しいのはオッズとの兼ね合いかもしれません。特に今週はキンカメ産駒の2頭は強力。先週に続き、ダイワメジャー産駒が馬券に絡めれば、多少は妙味があるかもしれませんが。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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