いよいよ今週はクライマックス・有馬記念! ということで今回も集まりましたこのふたり。馬場に関する著書が大好評の小島友実と、netkeibaでもお馴染み亀谷敬正。有馬記念の「馬場」にスポットを当て、より週末が楽しみになるトークをお届けします!
※本稿は「馬ラエティBOX」特別版としてお送りしております。
中山の馬場を読み解くポイントは大きくふたつ
小島 ここ数年における中山競馬場の芝コースの大きなポイントというのは2つあります。まあ、亀ちゃんはもう知ってるけど、聞いておいてね。
亀谷 えぇ。お願いします。
小島 JRAはここ数年、よりクッション性の高く、軟らかい馬場作りを目指しています。そこで、競馬開催前にバーチドレンによるエアレーション作業(※)を行って馬場をほぐし、クッション性のある馬場を目指しているんですね。中山競馬場では2013年の秋開催の前から、各開催の前にこの作業を行っています。
※参考記事
亀谷×小島「馬場のしゃべり場」亀谷 この作業は中山では定番になってきた訳ですが、エアレーション作業は競馬開催中にはできない。開催前にやるんですよね?
小島 ええ。競馬開催中にはできません。バーチドレンで馬場に穴を開け軟らかくする行為ですからね。その穴が塞ぐ時間を考えても最低、開催3週間前には行わないといけない。
亀谷 ボクはこの作業をいつやるかも馬場に大きな影響を与えるとは思ってますが……それはまたあとで。
小島 2つ目のポイントが昨年、芝コースで行われた路盤改造工事です。
亀谷 これは、中山の傾向を劇的に変えましたね。
小島 工事によって中山芝は劇的に水はけがよくなりました。工事の主な内容は路盤の下に小石の砕石層を設置した事に加え、特に水はけの悪い場所に暗渠管(あんきょかん)を設置しました。
亀谷 暗渠管は大事ですよね。
小島 大事です。中山競馬場には暗渠管がゴール前200m付近、外回り2コーナーの内側、外回り3コーナーの内側、外回り2コーナーの内側に計18本、馬場を横断する形で、特に水はけが悪かったところに入っているんです。
▼中山競馬場の暗渠管(写真:小島友実)
暗渠管によって、直線で速い上りが出しやすい馬場に
亀谷 これによって、以前よりも直線で速い上がりを