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実績馬vs上がり馬の日経新春杯を徹底分析!

  • 2016年01月15日(金) 18時00分


◆上がり馬タイプにとってはやりやすい

 今年の日経新春杯は12頭立てで、うち前走2ケタ着順の馬が5頭。格上タイプの層が厚いとは言えず、上がり馬タイプにとってはやりやすいメンバー構成だろう。

 その上がり馬、シュヴァルグランが1番人気になりそうだ。ここ3走はきっちり着差をつけての3連勝、過去にオープン好走歴が無いのも幸いし、今回のハンデが54キロというのも無難だ。

 ルメール騎手は距離のある芝のほうが良いタイプだし、過去の結果を見ても前走準オープン組はけっこう通用している(穴にはならない)。正直なところ、素直にこの馬から入ってもよいと思う。

 ハーツクライ産駒で京都というのは印象が良くないかもしれないが、2400mなら問題ないし、それよりはハーツ産駒の成長力を買いたい。明け4歳馬がこのレースでやたらと強いのもプラス材料だ。

 明け4歳ということではレーヴミストラルも上位人気の一角を担いそうだ。金鯱賞は8着と大敗したが上がり最速は使っていたし、やや距離不足でもあった。久々の右回りと初手の位置取りが後ろになりすぎることが心配だが、今回のメンバー構成ならば人気になってやむなしというところだろう。

 ベルーフは中山で暴れて除外となり、仕切り直しの一戦。古馬に強い馬が少ないので、4歳というだけでも無視はできない。ただ展開には注文がつく。坂上からのロングスパート合戦になれば良いところがありそうだが、直線平坦で終盤速いラップの部分が短い形になると、キレ負けの可能性がある。

 サトノノブレスは58キロ。ハンデそのものはまだ切り下げてもらえる時期でないのだろうから仕方ない。他馬とのハンデ差というよりは、自身が58キロという絶対値をこなしていないことのほうが問題。ただ今回はオープンでばりばりに走っている馬が少ない構成なので、格だけで上位食い込みも可能だろう。

 プロモントーリオの評価が難しいところだ。GII好走歴がある一方で、京都外回りが初挑戦。ここまで挙げた馬をすべて評価している人はこの馬がギリギリ馬券圏内に入れないものと見積もり、消したい馬がいる場合は代わりにこの馬を入れるくらいでちょうどよいところかと思う。

 アドマイヤフライトはこのレースで2着→3着ときているので今回は4着では……というのは冗談にしても、年齢を重ねたことが引っ掛かる。このレースは若い馬が強いレースでもあり、私個人はぎりぎり消しくらいの評価でいきたいと考えている。

 本来強いはずの前走GI組はダコールダービーフィズだが、成績面から強気になれない。ただあまりに人気が無いようなら、3着候補には検討してもよいと思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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