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年末年始に大穴連発! 勝負師・武士沢友治

  • 2016年01月19日(火) 18時00分
武士沢友治騎手

武士沢友治騎手



武士沢友治騎手「2〜3回乗って確実に最後の脚を使っていたら狙ってみて下さい」

赤見:サンマルデュークと共に大穴2連勝おめでとうございます。師走Sは15番人気で単勝19,960円。続くポルックスSは12番人気で単勝3,660円。オープンでこの成績はものすごく目立ちますね。

武士沢:ありがとうございます。もともと腰の甘いのがずっと続いていた馬で、そういうことも考えると今7歳ですけどここに来てやっと充実してきたのかなと思います。師走Sは52キロだったので、ハンデが有利に出たって思っている人がけっこういると思うんですけど、僕としては斤量泣きする馬じゃないと思っていましたし、軽斤量だけが好走の原因とは思っていません。結果的に超ハイペースでハマった感はありますけど、久しぶりに乗せてもらって、自分の中であの馬の乗り方のイメージは持っていたから、「上手くいけばハマるかな」という感触は持っていました。

赤見:前にお話を伺った時に、穴馬を持って来る時は返し馬で感触がいいって言ってましたよね?

武士沢:返し馬の感触もあるし、乗る時になんというか、自分の中でのテンションというんですかね、「もしかしていいんじゃないかな」っていう暗示みたいなのもあるんですよ。今回も馬の状態も良くなっていたし、さっきも言ったように自分の中でいいイメージもあって。それが上手く合わさった結果だと思います。

赤見:年末にすごい大穴を開けて、気持ちはいかがでしたか?

武士沢:僕は勝ったり勝たなかったりの差が大きいから(笑)。僕を買ってくれてるファンの方へ早めのお年玉になったのかなって思いました。人気がなければないで、どうにかもってこようという気持ちで乗ってますからね。それで結果を出せたら嬉しいですよ。

赤見:そして、年明けのポルックスSですよ。ここは57キロでしたが再び末脚がさく裂しました。

武士沢:根本的には師走Sと同じ競馬ですよね。57キロはまったく気にしていませんでした。今までの成績を見てもらってもわかると思いますけど、能力はあるのに凡走をすることもあったりして、なかなか気性の難しい馬なんです。馬自身のプライドもあるでしょうし、体が思うようについてこないという部分もあったと思います。流れがハマったというだけではなく、馬がよくなっていることも大きいと思いますよ。

サンマルデューク

ポルックスSでも末脚をさく裂させOP2連勝を挙げたサンマルデューク(撮影:原山 実子)



赤見:年始にいいスタートが切れたと思いますが、今年の抱負をお願いします。

武士沢:まずはどの馬も無事に走って欲しいというのが一番です。僕自身はいつも波瀾万丈ですからね。常に馬には乗せてもらってますけど、クセのある馬とかを頼まれることが多いですから、そういうのを少しずつ直していって、少しずつ上に行って大舞台に行ければっていうのが僕のスタンスです。もちろん走る馬は乗りたいけど、そういう馬は簡単には回って来ないですから。一つずつ課題をクリアして馬と一緒に成長していけたらと思っています。

赤見:クセ馬や難しい馬を頼まれるというのは、関係者に信頼されているってことですよね。

武士沢:そういう風に頼んでもらえるっていうのは騎手冥利に尽きますし、自分の中でも刺激になりますね。やっぱりいい馬ばっかりで勝っちゃってもね。僕の中ではいい仕事をさせてもらってると思ってます。ファンの方にとってはもちろん勝ち負けが何より大切ですし、関係者にとっては掲示板に載るか、8着以内に入るかっていうこともすごく大事になって来ます。勝ちにこだわることも大事だし、その後の成長を考えて無理をさせ過ぎてもいけないし。その辺りが難しいところですけど、僕は一貫してこのままなので、重賞なり、上を目指せる馬と出会えたら一緒に成長していきたいなと思います。

赤見:いろんなクセの中で、得意なクセ馬っていますか? 例えば引っ掛かる系とか、ササる系とか、反抗する系とか。

武士沢:それはないですね。そのクセに人間が合わせていくっていうのが僕の考えなんです。無理やり人間に合わせようとするのは絶対にダメ。クセ馬と上手く呼吸を合わせて、「最後まで頑張れよ」っていうこちらの気持ちをわかってもらうというか。人間が動かすっていう感覚ではないです。

赤見:懐が深いですね。

武士沢:いろいろな馬に乗せてもらったお蔭です。若い頃はそういう馬に乗せてもらった時も、なんとか動かそうとガシガシやってラチに突っ込んだこともあるし(苦笑)。いろいろな経験をさせてもらって、そういうのも考えられるようになりました。

赤見:武士沢騎手の強みはなんでしょうか?

武士沢:強みですか? 我慢! 忍耐ですね!!

赤見:武士沢騎手の穴馬券が獲りたいんですけど。どんな時に買えばいいんでしょうか?

武士沢:ずっと買っておけばいいんですよ。僕の穴馬券は狙って獲れないでしょうから(笑)。まぁテン乗りでいきなり持って来るというのは難しいので、2〜3回乗って確実に最後の脚を使っていたら狙ってみて下さい。今年もよろしくお願いします。

常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

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