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サトノラーゼン、初の坂路での最終追い切りは!?

  • 2016年01月20日(水) 18時00分


今週は久々のショウナンマイティもスタンバイ

 1月20日の栗東トレセン。天気予報は雪だったので、5時30分に起きた時には一面が銀世界かと思いきや、さほどでもありませんでした。ところが、調教開始前になって、かなりの降雪になったので、その時点で時計台を撮影しました。

調教開始前の時計台

調教開始前の時計台



 そこからが一瞬。雪山に来たかのような吹雪で視界が狭まり、すぐに雪が積もってしまいました。天候の悪化に伴い、CWやDPで追い切る馬も少なくなり、1時間経たないうちに馬場に出ている頭数も一気に減りました。その頃の時計台がこの写真。どれだけの雪が降ったかということがお分かりいただけると思います。

調教開始して1時間経たないほどでの時計台

調教開始して1時間経たないほどでの時計台



 AJCCに2頭出しを予定している松永幹夫調教師は、その最終追い切りを21日に延期しましたが「これだけ降ってしまうと、馬場の状態が不安」と20日だけではなさそうな雪の影響を懸念されていました。他厩舎でも20日の追い切りを21日にスライドしたケースは少なくなく、とにもかくにも、これ以上の積雪はなく、21日の調教を迎えてほしいものです。

【AJCC/サトノラーゼン】

 菊花賞の後はノーザンファームしがらきに放牧へ出されており、リフレッシュした状態でここへ向けての調整を進めてきました。これまで挙げた3勝はすべて中4週以内のレース間隔なので、休み明けが得意なタイプでないことは確か。そのあたりは陣営のコメントを見ても、すぐに判断していただけると思います。

 だからというわけではないのですが「思ったより仕上がってませんか?」というのが、個人的な調教を見ての印象。特に20日の坂路での最終追い切りは先行していたタイキプレミアムが楽に走っているところを、後ろからプレッシャーをかけて、最後は相手を怯ませる先着。4F53.9〜3F40.1〜2F25.2〜1F12.1秒はいくら時計の出やすい時間帯だったとはいえ、なかなか優秀な数字。

 最終追い切り場所が坂路というのは、今回が初めてのケースだけに、これで結果を出せるかどうかは分かりません。しかし、単純な仕上がりという意味では、非常にいい雰囲気で2016年の初戦を迎えることができそうです。

サトノラーゼン(1月19日撮影)

非常にいい雰囲気で2016年の初戦を迎えることができそうなサトノラーゼン(1月19日撮影)



【AJCC/ショウナンマイティ】

 2014年安田記念3着以来のレース。超がつく長期休養明けになりますが、10月に帰厩して、とにかくじっくりと追い切り本数を積み重ねてきた、そんな印象を受ける調教内容。1月15日の坂路では4F51.9秒をマークしており、徐々に時計を詰めて、負荷をかけている印象もあります。

 ただ、気になるのは、CWでの追い切りが1本もないこと。過去の休み明けでは必ずCWでの追い切りを挟んでいましたが、今回はそれがありません。そもそも陣営もまずは無事に出走することを目標にしているのですから、脚元への負担を懸念して、トラック追い切りを行わないということなのでしょう。現状としてはそれなりに仕上がっているけど、それでどこまで、というのが正直な感想です。

【東海S/アスカノロマン】

 休み明けではありましたが、調教内容が良く、復調気配を感じたみやこSが4着。その後のベテルギウスSでは2着しており、使われつつ状態が上がっている、そんな感覚で間違いないような気がします。中間の調教内容はこの厩舎らしく、前半から飛ばして、最後は流すという感じなので、特に問題ないでしょう。

 20日はEコースでキャンターする様子を確認しましたが、非常にいい雰囲気で走れていました。画像は雪まみれなので、何も伝わらないかも知れませんが、かなり気合が乗っていて、今年は充実した年になりそうな気配が伝わってきました。問題は実績のない中4週というローテーションでしょう。

アスカノロマン(1月20日撮影)

雪まみれの中、かなり気合が乗っていたアスカノロマン(1月20日撮影)



【東海S/ローマンレジェンド】

 みやこSとチャンピオンズCの成績を見ると、年齢を重ねたことでより一層、レース間隔をあけた方が良績に繋がるようになっているのかも知れません。そう思うと、今回は中6週というレース間隔なので、決して悪いローテーションではないように思います。

 ただ、追い切りで動く馬にしては、先週14日のCWでの併せ馬、そして20日のCWでの併せ馬ともに動きが地味。特に20日は後ろから追走して、直線で内から相手を抜いたと思いきや、最後は外から差を詰められる形。近2走は坂路での最終追い切りだったので、それらとの動きの比較はできませんが、過去のトラック馬場での併せ馬を思い出しても、今回と比較するともっと動いていたと思います。

ローマンレジェンド(1月19日撮影)

先週、そして20日の併せ馬ともに動きが地味だったローマンレジェンド(1月19日撮影)



【東海S/スターバリオン】

 ベテルギウスSの後はポルックスSを使う予定で調整されていましたが、賞金順位が下位で除外。次走はアルデバランSを予定しているということでしたが、追い切りの動きが前走後から急上昇だったので、藤岡健一調教師に東海Sを使うつもりはないのか尋ねてみると「賞金的に使えるなら、左回りもいいし」ということで登録。フルゲートにも満たない登録頭数で使うことができそうです。

 最終追い切りは吹雪の中。残念ながら、向正面での動きは確認できませんでしたし、最後の直線はほぼ一杯。見た目の印象は決して良くなかったのですが、雪の影響を受けるウッドチップで走りにくい状況だったのは間違いないでしょう。追い切り本数はしっかりとこなしているだけに、勝ち負けはともかく、馬券圏内の走りができても不思議ではありません。

◆次走要注意

・1/16 花見小路特別【ブランドベルグ】(5人/1着)

 最終追い切りが坂路で4F時計の自己ベストを更新したので、馬券総合倶楽部の狙い馬に取り上げました。レースが流れたこともあって、理想的な位置取りから最後もしっかり伸びて強いレースぶり。
 もともと能力の高い馬だと思いますから、マイルで先行する競馬ならもっと上まで目指せるはず。もちろん、追い切りも坂路で速い4F時計をマークすることが理想でしょう。

[メモ登録用コメント] [芝1600m]最終追い切りが坂路で4F52秒以下なら勝ち負け

・1/17 京都1R【ゼットガガ】(7人/6着)

 新馬戦は13着でしたが、この中間の追い切りが坂路でラスト1Fの伸びが目立っていました。それだけにスタートを決めれば、と馬券総合倶楽部の狙い馬に取り上げましたが、レースは最後方から。
 直線はロス覚悟の大外一気で末脚爆発。といっても、レースが決着しているところでの伸びだっただけに、結果は惨敗です。ダートならあの脚を使えることを証明しただけに、1400mまでならどこかのタイミングで穴を提供してくれるでしょう。

[メモ登録用コメント] [ダート1400mまで]最終追い切りが坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・なずな賞【ショウナンアヴィド】
 前走シンザン記念の最終追い切りは、坂路4F時計の自己ベストを更新。状態に関しては文句なしと思いましたが、大外枠という条件は少々厳しかったのかも知れません。
 今回は中1週ですが、坂路で併せ馬を行い、パートナーを圧倒する動き。4F時計も速く、ここはあっさりと決めてくれるような気がします。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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