■弥生賞(G2・中山芝2000m)フルゲート18頭/登録13頭
【コース総論】中山芝2000m Aコース使用
・コースの要所!
★上位人気馬が順当に強いコース。多頭数でもアタマはかなり堅い。
★枠番の内外による成績差は意外なほど小さい。外枠狙いもアリか。
★勝率、連対率ともに好位勢が圧倒的優勢も、逃げ切るのは難しい。
何かにつけて「紛れ」が強調される中山芝コースだが、芝2000mのデータからは、その気配をまったく感じない。16〜18頭の多頭数でも、平均配当は単勝851円、馬連5027円、3連複1万9075円と低めの水準だ。とくに低いのが単勝平均配当で、人気馬が非常に強いコースであるのは、データからも明らか。人気薄を1着で狙うような買い目は、ここではかなり効率が悪いといえる。
枠番データにも、偏りはまったく見受けられない。連対率は内のほうが3%ほど高いが、勝率や複勝率はほとんど同じ。ファンが外枠を嫌っているためか、枠番値に至っては外のほうがハッキリと高い。つまり、信頼度は内でも外でも大して変わらないが、回収率の面では、外を重視したほうがベターということだ。
脚質については、4コーナーを2〜5番手で回った馬が圧倒的に優勢。差し馬や追い込み馬もそれなりに馬券絡みしているが、こちらは「人気馬しか来ない」といっても過言ではない。多少なりとも張り合いのある配当を狙うなら、前々のポジションを取れる馬から入ったほうがいいはず。ただし、逃げ馬が意外なほど粘れていない点には注意したい。
【レース総論】弥生賞(G2) 過去10年
・レースの要所!
★1番人気を筆頭に人気サイド優勢のレース。穴はヒモで狙うのがベター。
★内枠である馬番1〜4番が猛烈な強さ。少頭数でも内枠重視でいきたい。
★好位を取れる距離延長組が絶好の狙い目。前走からの巻き返しは期待薄。
昨年は1番人気のシャイニングレイがぶっ飛んだが、過去10年のトータル[6-1-0-3]と、その信頼度はかなりのもの。「1着、さもなくは4着以下」という両極端な成績であり、白黒ハッキリつけた扱いをしたほうがいい。また、馬連や3連複の平均配当はコースデータよりも高く、ややヒモ荒れ傾向にあるのも覚えておきたい。
コースデータとは対照的な結果となったのが、枠番別データ。少頭数で行われた年も含まれているので鵜呑みにできない部分はあるが、内枠である馬番1〜4番が複勝率45.0%、複勝回収率160%、枠番値プラス0.9という、強烈な数字を叩き出している。無条件に「買い」といっても過言でないレベルで、ここはレースデータ重視が正解となりそう。今年も、内枠に入った馬は必ずチェックしておきたい。
脚質面は、「逃げ馬はイマイチだが好位勢は絶好調」と、コースデータとまったく同じ傾向が見受けられる。4コーナーを6番手以下で回った馬の単勝回収率はきわめて低く、勝率や連対率の差もかなりのものだ。差し馬や追い込み馬から入るのはナンセンスで、ここは徹頭徹尾、好位のポジションが取れる馬から勝負すべき。最後方からの直線一気など、期待してはダメなコースであり、レースである。
あとは、前走で芝1600〜1800m戦に出走していた「距離延長組」が好成績であるのも、弥生賞の重要なポイント。この組は回収率も非常に高く、人気でも穴でも期待できる。また、「前走3番人気以内かつ4着以内の重賞出走馬」は、連対率34.8%、複勝率43.5%と高信頼度。今年の登録馬でこの条件を満たすのは、エアスピネルとリオンディーズの2頭だけだ。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
Aコース継続。ペース次第で前が残り差しも決まるという、フラットな状況か。
・天候予測
週明けにかけて天候が崩れる見通しで、日曜日に多少の降雨があるかも。
・注目血統
ディープインパクト産駒◎、キングカメハメハ産駒○、メイショウサムソン産駒▲、ハーツクライ産駒△
先週の土曜日は前がよく残っていたが、日曜日になって差し馬が一気に台頭。後方からの追い込みでも届く馬場へとシフトした。引き続きAコースなので傾向は大きく変わらないと思われるが、開催が進むにつれて馬場が踏み固められ、エアレーションの効果が薄れるケースもあり得そう。というわけで、現時点での見立ては「フラット」である。
血統については、登録馬のほとんどがコースと相性のいい種牡馬の産駒でもあり、気にする必要はほとんどなさそう。あえて取りあげるなら、メイショウサムソン産駒の好成績か。ディープ産駒やキンカメ産駒とも互角に張り合っているように、適性の高さは文句なし。好位で展開に恵まれでもすれば、一発があってもおかしくはないはずだ。
★出走登録馬・総論×各論 キャリア1戦で2歳王者に輝いたリオンディーズと、そのレースで惜しくも2着に敗れたエアスピネルが激突。そこに、2連勝で若駒Sを制したマカヒキが加わって、人気の面でも実力の面でも、三つ巴戦の様相となりそう。また、M.デムーロ騎手とルメール騎手のワンツー決着が、果たして「二度あることは三度ある」となるのかも注目である。
今年は登録馬の実力差が非常に大きいのもあり、ひねりようがない──というのが正直なところ。三強がすべて飛ぶようなケースは考えづらく、ある程度は順当に決着する可能性が高そうだ。当データ分析の結果も、三強がそのまま上位評価組になるという、面白味に欠けるものになってしまった。
トップ評価は
エアスピネル。朝日杯フューチュリティSではリオンディーズの鬼脚に屈したが、アレは勝ち馬を褒めるべき。この馬の競馬センスの良さと能力の高さを、改めて実感させられた次第だ。臨戦過程などのプロフィルについても文句なしで、中山芝2000mであれば逆転は十分に可能。前走と同じ競馬をすれば、今回はこちらの勝ちである。
二番手に
リオンディーズ。無敗の2歳王者が順調に駒を進めてきたわけで、こちらもプロフィル面は文句なし。ただし、折り合いの面で難しさのある血統であり、今回いきなり先行策を取ってくるとは考えづらい。超スローでのヨーイドンになれば、こちらに分があるのは承知の上で、少しだけ評価を落としたい。
三番手に
マカヒキ。こちらも強烈な末脚の持ち主で、しかも競馬センスが良く、操縦性が高いという大きな武器を持っている。ただし、重賞実績がないことや、若駒Sからのローテであることなど、臨戦過程の面で見劣るのも事実。エアスピネルと差がないオッズとなるのであれば、それは過剰人気だ。
この3頭から「ものすごく」離れた4番手に、アドマイヤエイカン。以下、プレイヤーサムソン、モウカッテル、イマジンザット、タイセイサミットという序列である。あとは、馬番1〜4番にどの馬が入るかにも注目したいところ。もし好位が取れるような馬が入った場合には、たとえ人気薄であっても、評価をかなり引き上げたい。
■総論×各論・先週の馬券回顧
中山11レース 中山記念(G2)
1着 09ドゥラメンテ
2着 10アンビシャス
3着 02リアルスティール
ドゥラメンテさん、お強い!陣営もコメントしていたように、仕上がりはけっして良くなかったと思う。それであの競馬ができちゃうんだから、素直に脱帽デスヨ。それにひきかえ我が予想ときたら……信じてくれた皆様、ご迷惑をおかけしてホント申し訳ない。う〜む、そろそろ巻き返さんとマジで阿寒湖。
※コース&血統データは2013年以降、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。