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独特なテイストのフィリーズレビュー

  • 2016年03月08日(火) 12時00分


フィリーズレビューの特殊性を示す話が2つある

 フィリーズレビューは、阪神JF→チューリップ賞という路線とは別な趣がある。

 GIIで賞金が高いわりには、既に地位を確立した馬にはステップとして選ばれないムードがあるし、実際に本番にあまり繋がっていない面もある。

 事実、内回り1400mと外回り1600mでは200mという距離差以上にニュアンスの違いがあるし、ある種別競技とも言えるだろう。

 このレースの特殊性を示す話が2つある。ひとつは血統の話。

 チューリップ賞の場合、コース改修から昨年までの9年間で、産駒が馬券に絡んだ種牡馬は17頭。複数の産駒が馬券に絡んだのはディープインパクト、キングカメハメハ、アグネスタキオン、ステイゴールド、クロフネで、流行の種牡馬という色彩が強い。

 これがフィリーズレビューだと産駒が馬券に絡んだ種牡馬は実に24頭。複数の産駒が馬券に絡んだのはファルブラヴとブライアンズタイムで、前者は3頭も馬券に絡んでいる。

 もうひとつは出世過程の話。07〜15年のチューリップ賞で馬券に絡んだ馬が、新馬・未勝利・500万条件でダート戦に出走していたケースは極めて少なく、[2-0-0-2]で3頭・4走しかない。

 これがフィリーズレビューだと、馬券に絡んだ馬が新馬・未勝利・500万条件でダートに出走していたケースは[11-5-1-4]。9頭が21走している。9頭といえば年イチペースだ。

 1400mでペースの緩急が無く持続力勝負になることが、このような傾向を生んでいるのだろう。今年残念ながらファルブラヴ産駒はいないが、500万条件以下でのダート経験馬は5頭(勝っているのは3頭)いる。穴候補はこのあたりにいるかもしれない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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