■桜花賞(G1・阪神芝1600m外)フルゲート18頭/登録23頭
【コース総論】阪神芝1600m外 Bコース使用
・コースの要所!
★中穴人気の複勝率が意外に高いコース。平均配当も低くはない。
★枠番による成績差はそれほどないが、センター枠がやや好成績。
★後方からでも差せるが取りこぼし多発。期待値が高いのは好位。
18頭立てにおける平均配当は、単勝1304円、馬連9795円、3連複2万4844円と、けっこう高めの水準。人気馬が弱いわけではないのだが、目立っているのは4〜6番人気や7〜9番人気など、中穴人気の好走である。ふたケタ人気馬も決して侮れずと、人気サイドで堅く勝負するより、高配当を狙うスタンスのほうが向くコースといえそうだ。
それなりに広く、最後の直線が470m以上と長いのもあって、枠番による成績差はほとんどなし。内・中・外のいずれも、平均人気9.5で平均着順が9.4〜9.6と、似たような数字が判を押したように並んでいる。信頼度がわずかに高いのが「中枠」で、単勝回収率の高さもここが断然。ほんの少し、プラスに評価してもいいと思われる。
脚質別成績からは、「差せそうで差せない」コースといえそう。複勝率に大きな差が出ていないように、4コーナー11番手以下からでも間に合うコース。しかし、2〜3着に取りこぼすケースが多く、連軸や1着軸としては狙いづらいのだ。上がり3F順位が「3位」の馬が好成績であることからも、好位〜中団より前のポジションが欲しいところである。
【レース総論】桜花賞(G1) 過去9年
・レースの要所!
★1番人気の信頼度は「並」程度。中穴をヒモで狙うのがいいか。
★内枠が大不振。コースデータ同様に、センター枠が面白そう。
★中央プロパー以外の騎手が圧倒的に好成績。乗り替わりでも!
堅く決着するか、さもなくばドカンと荒れる桜花賞。昨年も、1〜3人気がすべてぶっ飛ぶ波乱決着となった。とはいえ、3番人気以内馬が[6-6-1-14]と高確率で連対しているように、人気馬の軽視は禁物。コースデータの傾向と同様に、人気薄を2〜3着で狙うスタンスのほうが、いい配当を仕留めやすいと思われる。
続いて枠番だが、こちらは内枠の不振が目立つ。平均人気が低いのは事実だが、それでも複勝率5.6%、複勝回収率28%は、さすがに低すぎだ。当然、中枠と外枠が好成績なのだが、より注目すべきは枠番値の高い中枠。コースデータでもセンターの期待値が高かったが、レースデータにおける優秀さはそれ以上である。
脚質については、コースデータよりも明らかに差し優勢。ハナ〜好位につけた馬の信頼度が低いのは間違いなく、基本的には中団〜後方から差せる馬を重視すべきである。ただし、5番人気以内に限定したデータでは意外に成績差が見られず、最速上がりの馬よりも上がり順位2〜3位のほうが高信頼度。つまり、人気馬であれば先行勢でもとくに問題はなく、人気薄は差せる馬がベターという結論となる。
チューリップ賞組の強さは誰もが知るところで、それ以外で好走実績があるのも、エルフィンS組やクイーンC組など、芝1600m戦からのローテばかり。波乱となった昨年も、1〜3着馬はすべてチューリップ賞組である。人気馬も穴馬も、馬券の対象は前走芝マイル戦組に絞り込むべき。惜敗組が巻き返してくるケースは、決して少なくない。
あとは、中央プロパーの騎手が非常に弱いというのも、桜花賞の大きな特徴。昨年はクルミナル騎乗の池添騎手が2着に好走したが、それでもトータル連対率は5.6%しかない。信頼度の差は比較にならないほどで、回収率も中央プロパー以外の騎手が圧倒的。この傾向は、そうそう覆るまい。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
Bコース継続で時計は速め。先週日曜日は前が残りまくっていた。
・天候予測
木曜日に降雨があるも週末は好天に恵まれそう。良馬場前提で。
・注目血統
ディープインパクト産駒◎、ステイゴールド産駒○、ヴィクトワールピサ産駒△
先週からBコース替わり。土曜日はけっこう差せていたのだが、日曜日の阪神芝は「オール前残り」だったといっても過言ではない。緩いペースで流れたレースが多かったとはいえ、ここまで成績が偏るとなると、前有利の馬場だと考えたほうがいいはず。時計も全体的に速く、良馬場となる可能性が大なのだから、なおさらだ。
血統面は、ディープインパクト産駒の「一強」という様相。勝利数自体も圧倒的で、その適性の高さは群を抜いている。他の上位種牡馬と比較すれば、いかにコース適性が高いか一目瞭然だ。その他では、回収率の高いステイゴールド産駒と、出走数は少ないが好成績であるヴィクトワールピサ産駒も、プラス評価の対象としたい。
★出走登録馬・総論×各論 2歳女王
メジャーエンブレムが、クイーンCで見せた驚異的な強さに唖然としたファンも多いはず。非常に速い時計の出る馬場だったのは事実だが、3歳牝馬が府中の芝マイルを、前半34秒4-後半34秒7で押し切るのだから、まさに規格外だ。また、先週の阪神芝が、前有利で速い時計の出る馬場であったことも、この馬にはプラスに働くはず。正直なところ、付け入る隙が見当たらない。
この馬に対抗できるとすれば、まだ直接対決がないチューリップ賞の上位馬。つまり、シンハライト、ジュエラー、ラベンダーヴァレイの3頭だけだ。思いっきり順当な評価で面白味はゼロだが、だからといって事実をねじ曲げるワケにもいかない。メジャーエンブレムに対抗できるとすれば、データ的にもこの3頭である。
ただし、この3頭の序列については、ひねる余地アリ。ヒモ荒れ傾向が強いレースであることや、チューリップ賞惜敗組の「巻き返し」があること、さらに鞍上や血統面なども加味して、
ラベンダーヴァレイを二番手評価に。ジュエラーやシンハライトよりも前のポジションが取れそうというのも、この馬の評価を上げた理由のひとつだ。
そして、三番手評価に
ジュエラー、四番手評価に
シンハライト。この2頭については甲乙つけがたいのだが、中央プロパー以外の騎手が圧倒的に強いという騎手データを重視した結果、ジュエラーのほうが上の評価となった。もっとも、シンハライトにはディープインパクト産駒という強い材料があるわけで、その差はほんのわずかである。
以下は、デンコウアンジュ、レッドアヴァンセ、アットザシーサイドという評価順。どこまでも「順当」といった感じの並びだが、こればっかりは仕方がない。あとは枠番の確定待ちで、ゴチャつきそうな内枠に入った馬は、けっこう割り引いて考えたいところ。馬券の買い方が問われる一戦となりそうだ。
■総論×各論・先週の馬券回顧
阪神11レース 大阪杯(G2)
1着 09アンビシャス
2着 07キタサンブラック
3着 08ショウナンパンドラ
我が馬券、またもや阿寒湖(道民)。とはいえ、ショウナンパンドラを筆頭評価したこと自体は、まったく悔いなし。余裕残しの馬体で、好位追走から最速上がりを使って3着なんだから、立派なモンです。反省材料は、ペースを読み間違えたこと。さっすがに、あそこまで前に楽な展開になるとは思わなかったもんなあ……。
※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。