■皐月賞(G1・中山芝2000m)フルゲート18頭/登録22頭
【コース総論】中山芝2000m Bコース使用
・コースの要所!
★1着馬の73.8%が3番人気以内。頭が紛れるケースはかなり少ない。
★枠番による成績差はイメージより格段に小さい。外でもオッケイ。
★後方からの追い込みは期待薄。前に行ける馬から買ってナンボか。
18頭立ての中山芝と聞けば、なんとなく「荒れそう」なイメージ。しかし実際は真逆で、1着馬の73.8%が3番人気以内、単勝平均配当686円と、順当決着傾向が非常に強い。集計対象となった42レースのうち、ふたケタ人気馬が勝ったレースはゼロだ。ヒモに関しても同様の傾向であり、なかなか穴党泣かせのコースといえる。
枠番に関しても「中山芝の多頭数」というイメージとは異なり、内外での成績差はほとんど見当たらない。内枠である馬番1〜6番が勝率と枠番値で少しだけ他をリードするも、こんなものは誤差の範疇。もっとも信頼度が低い外枠にしても、平均人気に1.0以上の差があることを考えれば、当然の結果である。
脚質については先行有利で、こちらはイメージ通り。4コーナーを2〜5番手で通過した馬と6〜10番手で通過した馬で、連対率に10%以上もの大差が出ている。また、4コーナー11番手以下からの好走例は非常に少なく、その連対率はたったの1.4%。マクリが打てる馬でもないかぎり、道中で後方に置かれそうな馬は、かなり割り引いて考えたい。
【レース総論】皐月賞(G1) 中山過去10年(9回)
・レースの要所!
★人気馬は強いが1番人気の信頼度はイマイチ。チョイ荒れ狙いが正解。
★外枠に入ったひとケタ人気馬に注目。信頼度も回収率も非常に高い。
★弥生賞&スプリングS組の過信は禁物。決して割がいいとはいえない。
人気馬が強いのはコースデータと同様だが、1番人気は[2-1-1-5]と意外にアテにしづらい。また、ふたケタ人気は不振だが中穴はけっこう強く、平均配当も馬連1万5093円、3連複3万8263円と高水準。2007年の大波乱が数字を押し上げてはいるが、それでも4〜9番人気の中穴ゾーンが強いという事実は、疑いようもない。
枠番別成績については今回、全体を対象としたものだけでなく「ひとケタ人気」に限定したものも用意した。この両方を見て感じるのが、やはり外枠不利ではないということ。ひとケタ人気に限定したデータでは、信頼度も回収率も文句なしの高さだ。逆にイマイチなのがセンター枠で、とくに目立つのが勝率と連対率の低さ。連軸や1着軸をここから取るのは避けたい。
脚質は、レースデータにおいても先行有利。2014年のウインフルブルームのように、4角先頭の馬がけっこう粘っているのも見逃せない。上がり3F順位の上位馬が好成績ではあるが、それでも昨年のサトノクラウンや一昨年のワンアンドオンリーのように、間に合わないケースも目立つレース。やはり勝ち負けには、中団より前のポジションが欲しい。
次にローテだが、最重要トライアルである弥生賞組が、けっして強くないという点を強調したい。出走数が多いローテなので信頼度が下がるのは当然だが、弥生賞組は2010年のヴィクトワールピサを最後に勝ち馬が出ていないなど、かなりのイマイチっぷり。前走距離別成績でも、弥生賞などの芝2000m戦組が3勝、スプリングSなどの芝1800m組が6勝と、後者に後れを取っている。過信は禁物である。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
Bコース継続。先週の競馬からは、先行勢に有利な馬場状態と推測される。
・天候予測
日曜日に降雨がありそう。降雨量によっては道悪となる可能性もアリ。
・注目血統
ディープインパクト産駒◎、ハービンジャー産駒○、ドリームジャーニー産駒▲、キングカメハメハ産駒△
今週末の雨予報は前々から出ていたが、水曜日になっても変化なし。降水確率はそれほど高くはないのだが、ここからガラッと変わる可能性もゼロではない。先週の中山芝が明らかに前有利だったのも重要なポイントで、さらに道悪となれば、中団〜後方の馬はかなり厳しくなりそうだ。
血統面では、ディープインパクト産駒を素直に高評価。連対率25.3%、複勝率37.6%と信頼度の高さは文句なしで、中山の馬場改修以降は成績がさらに向上している。注目に値するのがドリームジャーニー産駒で、別々の4頭による成績であることから、コース適性の高さは間違いなし。ハービンジャー産駒も好成績で、こちらも侮れない。
★出走登録馬・総論×各論 サトノダイヤモンド、マカヒキ、リオンディーズによる「三強対決」の図式となりそうな、今年の皐月賞。netkeiba.comの予想オッズも、1番人気リオンディーズから僅差で3頭が横並びだ。非常にレベルの高い世代で、以下もエアスピネル、ロードクエスト、マウントロブソン、アドマイヤダイオウなど、例年であれば勝ち負けになっておかしくない馬がズラリ。馬券的にも、非常に面白い一戦となること間違いなしである。
当データ分析の評価も、上位はほとんど差がないといっても過言ではないほど。ならば思いきって、若葉Sを制した
アドマイヤダイオウをトップ評価としたい。皐月賞での好走率が高い「中穴ゾーン」となるのは間違いなく、血統面や脚質面など、強調材料も豊富。スタートが上手な福永ジョッキーが騎乗予定というのも、ゲートに不安を残す本馬にとっては大きなプラスといえる。
二番手評価に
リオンディーズ。弥生賞ではマカヒキの決め手に屈したが、収穫が多かったのはこの馬のほうだろう。本番を前に先行策で結果が残せたのは非常に大きく、鞍上のM.デムーロのG1における無双っぷりも強調材料。レース間隔が開くサトノダイヤモンドや、年内に若駒Sを使われていたマカヒキよりも、叩かれての上積みという面でも勝ると思われる。
三番手評価に
ディーマジェスティ。皐月賞で抜群の成績を誇る「共同通信杯からの直行組」であり、前走で見せた末脚のキレ味はけっして侮れない。そして、四番手評価にマカヒキ、五番手評価がエアスピネル、六番手評価がサトノダイヤモンドという序列。以下はマウントロブソン、ミッキーロケット、ミライヘノツバサと続く。
キッチリ三強で決まって大恥をかきそうな気がしないでもないが、これだけレベルが高いのだから、展開ひとつで結果は大きく変わるはず。高配当も狙えるチャンスと見て、ここは三強ではすんなり決まらないほうに賭けたい。枠番や陣営のコメントなども参考にしつつ、前々で流れに乗れる馬の台頭に期待するとしよう。
■総論×各論・先週の馬券回顧
阪神11レース 桜花賞(G1)
1着 13ジュエラー
2着 12シンハライト
3着 10アットザシーサイド
( ゜д゜)ポカーン……というのが、メジャーエンブレムから買っていた人間の総意ではなかろうか。まあ、自分で「ゴチャつきそうな内に入った馬は割り引け」と書いてたワケで、これが競馬っちゃ競馬ですかね。それにしてもミルコ、あの写真判定をモノにしちゃうんだから、ホントに「持ってる」なあ。
※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。