スマートフォン版へ

イモータルは(そろそろ)不滅感のある走りを見せてくれるか?ティソーナは新藤沢流と解釈していいか?

  • 2016年05月05日(木) 12時00分


すし屋の玉子サンドが話題の奥渋谷(神山町)のカフェ「キャメルバック・サンドウィッチ&エスプレッソ」にイモータルという名のバニラ・カフェラテがある。濃い目のエスプレッソに牛乳とバニラをマリアージュさせて作られるそのラテは、上品な甘みが口いっぱいに広がって、かつ高貴な香りが口から鼻へ抜けていき、あとを引くおいしさだ。

たしかにイモータルと名付けるだけのスペシャルな美味しさはあるけれど、バニララテのネーミングとしては少し仰々しい感じもする。聞けば、バニラの花言葉が「永遠とか不滅」だそうで、そこからイモータルというネーミングにたどり着いたそうだ。なるほど。

ではNHKマイルに出走するイモータルはなぜイモータル(馬名由来・不滅の、永久の)なんだろう。父マンハッタンカフェ、母ショアー、母父アカテナンゴのどこかに、バニラの花言葉的なイモータルな意味が潜んでいるのか?自分にはよくわからない。

ただ母ショアー(shoah)には破滅や絶滅といった意味がある。その子どもにイモータルとつけるということは、破滅から不滅を生み出そうということだ…………。自分にはよくわからないけれど、もしそうだとしたら、その願いは気高いけれど、恐ろしいほどに破壊的だ(ブラックジョークとも言える)。
どんな背景があるにせよ「イモータル」と金子オーナーが名付けた以上は、イモータルな何かを持った馬だと思いたい。

なんてことを去年の今頃思った。理由はもちろんPOGだ。金子オーナー初の2頭のマンカフェ産駒が気になって妄想を膨らましたのだった。シャケトラとイモータルにだ。

シャケトラ イタリアの幻のデザートワイン
イモータル 不滅の、永久の
方向性は違っても、どちらも深みやコクのありそうな馬名で甲乙つけがたい。

シャケトラ 2014年セレクト 5292万円
イモータル 2013年セレクト 5250万円
ほぼ同じ値段。強いて言えば2013年(当歳)で5000万のイモータルの方が魅力的か。

シャケトラ 角居厩舎
イモータル 須貝厩舎
角居厩舎は珍しくないけど、須貝厩舎は珍しい。調べたら、前年のブラヴィッシモが初めての預託で、イモータルは2年目だった(もう1頭フライングレディもいる)。須貝調教師はゴールドシップやジャスタウェイといった大馬主ではない馬主の馬をビッグな馬にして、名をあげた。金子オーナーはついに来た大物馬主の馬で、ここは張り切りどころか!?

なんてことを考えて、POGでイモータルを指名しようとしたら、別の男にかっさらわれたのだった。いくらPOG人気抜群の金子オーナーの馬とはいえ、父ディープインパクトでも父キングカメハメハでもないから、5位くらいで取れるとタカをくくっていたのだ。上位指名する者がいるとは夢にも思わずしてやられた。ショア〜〜〜。
自分は、POGにはなんのしがらみもないけれど(POG的に勝ってほしくない馬はいない)、唯一、気にしているのがイモータルなのだった。ちなみにシャケトラはまだデビューできていない。

そのイモータルがNHKマイルでそれなりの人気を背負って出走する。正直、まだ成績にイモータル感はないけれど、ここで勝ち負けするようならPOG的には大合格だろう。逃したPOG馬はやっぱり大きいか。今年度のマイPOGのストーリーの行方、終着という意味でも、イモータルには注目せざるをえない。ちなみに最近は金子オーナーの伏兵馬探しに執着している。一昨年はテンダリーヴォイス、去年はイモータル(逃したけど)で自己満足という名のぬるま湯には浸れた。今年もいいぬるま湯に浸りたいな。明日(6日)発売の「競馬王のPOG本」を読んで、じっくり検討だ。

―――――――――――
NHKマイルCの須貝2騎、いや3騎
―――――――――――

朝日杯Fで伏兵候補として期待した2頭の須貝厩舎馬、イモータル&シャドウアプローチがNHKマイルでもスタンバっている。

朝日杯Fで面白かったのは、2頭の鞍上が直前で替わったことだ。
イモータル ムーア→武幸
シャドウアプローチ ルメール→中谷

ムーアとルメールで出走するなんて、須貝師はやり手だなぁ〜なんて思ったけれど、ムーアとルメールが騎乗停止になって、迎えられたのが武幸と中谷と知って、さらにやり手だなぁ〜と思ったものだった。特に、調教でも騎乗しているからという理由で中谷になったのは筋が通っていて、納得できた。それを馬主にも納得させるのだから、たいしたもんだと思ったのだった(個人馬主だから出来た芸当で、クラブ馬ならまた違ったか?)。

その朝日杯Fでの2頭の成績は、
イモータル 5人気9着
シャドウアプローチ 11人気3着

イモータル、シャドウアプローチともにムーア、ルメールだったら、何番人気になっていたか?少なくともシャドウアプローチは7,8人気にはなっていたのではないか?
レースはリオンディーズとエアスピネルが他馬を引き離し、圧倒した。シャドウアプローチはルメールでも3着が精一杯に見えた。つまり中谷騎手になったことで、馬券的おいしさが増したわけだ。もちろんあたくしも美味しくいただいた。

NHKマイルの須貝厩舎
イモータル 戸崎 予想3人気
シャドウアプローチ Tベリー 予想13人気

シュウジ 岩田 予想10人気
(シュウジは橋口厩舎からの転厩)

イモータルの予想3人気とシャドウアプローチの予想13人気を見ると、朝日杯Fのときのようにシャドウアプローチに吸い寄せられそうだ。
シャドウアプローチの鞍上はTベリー。ルメール、Mデムーロを確保できなくても、やれることはすべてやってますよ!そんな厩舎姿勢がビンビン伝わってくる。シャドウアプローチは休み明けでぶっつけ。Tベリー騎乗で人気が上がるなら、買いにくいけれど、Tベリーはムーアではないから、人気は上がらなそうだ。ならば少々気にしたくなる。

シャドウアプローチは京王杯2歳Sで1人気に押された馬だ。京王杯2歳Sは1着する馬より1人気に押された馬を気にしたくなるレースだ。モーリスもオルフェーヴルもフィフスペトルもダッシャーゴーゴーもみんな1人気で負けている。だから朝日杯Fでも注目できた。今回も人気がないなら……うむ、やっぱり気にしたくなる。

ただし、だとしても、それでも、今回はイモータルを重視したい。
朝日杯Fでシャドウアプローチに期待できたのは、調教に乗って、馬のことをわかっている中谷だったことも大きい。イモータルはテン乗りで出負けして、スムーズな競馬ができてなかった。
今回はそれが逆だ。

イモータルは乗りなれた戸崎、シャドウアプローチはテン乗りのTベリー。
テン乗りだからダメということではないが、乗りなれた戸崎がイモータルに乗るというなら、シャドウアプローチより下と見る理由はない。

サウジアラビアRCのブレイブスマッシュのハナ差2着は戸崎騎手の取りこぼしだったとするならば、再騎乗の共同通信杯はぜがひでも結果を残したかったはず。それは道中3番手の積極騎乗からも伝わってきた。しかし2着。
ディーマジェスティはのちの皐月賞馬で、負けてもしょうがないとは言えるけれど、それは皐月賞後の評価にすぎない。結果的に、戸崎はまだこの馬で結果を出していないとも言える(新馬戦を勝つのは当たり前)。そういう意味でも、ここはなんとかしたいところではないか。そしてその力はイモータルにはある。あるに決まってる。そんな想定。

メジャーエンブレムが逃げるか、番手につけるかわからないけれど、どっちでもいい。直線に向いても相当頑張るはずだから、そこを目標に道中4,5番手につけられれば、面白いのではないか?共同通信杯の経験が生きないかな?

というわけで、NHKマイルCも須貝厩舎の馬に注目することにした。
イモータル 
シャドウアプローチ
(シュウジ)

シュウジは須貝厩舎に仲間入りして、なおかつ人気も落ちているようだから、いっしょに注目することにした。人気が今のまま(10人気)くらいなら拾いたい。岩田の南蛮漬けだ。

―――――――――――
NHKマイルC注目馬
―――――――――――

イモータル
シャドウアプローチ
(シュウジ)

ティソーナ この馬の臨戦が気になってしょうがない。

北海道で降ろして、勝てずに、10月の東京まで待って、そこで1着して、続けてベゴニア賞に出走して2着。ちょっと休んで、2月の東京の500万を勝って、春を迎える。
ここまでは同じ藤沢和厩舎のロサギガンティアとまったく同じ。

ロサギガンティアは、ここからスプリングSに出走し、1着して、皐月賞を10着し、NHKマイルを4着した。
ティソーナは、スプリングSではなくマーガレットSに進み、1着して、NHKマイルに出走する。

臨戦を見ると、ロサギガンティアの進んだ道の方がNHKマイルを勝つのに適した道に思える。けれど、ティソーナのちょっと地味なレース選択が、ルメール、Mデムーロを確保し続けることに成功したようにも思える。思えば、ロサギガンティアもNHKマイルでMデムーロが騎乗していたら、どうであったろうと思ったものだった(3着にクビ差4着)。

本当に一枚足りないから、マーガレットSに進んだのかもしれないけれど、ここは名手確保のための藤沢流新戦術と取ってみたい。その方が面白いからだ。ティソーナは予想7人気。面白がれる人気じゃないか!

先行して2着か3着。差して4着。
これがこの10年の藤沢和厩舎の傾向だ。
ティソーナは先行系で、脚質的にも2着か3着の藤沢流に合致する。

ちなみにNHKマイルはオッズバズーカ的には1人気と3人気をナイガシロにしないレースだ。イモータルは予想3人気。
決しておいしい人気とは思わないけれど、馬券の買い方次第ではそれなりにおいしく化けることもあるギリギリの人気だ(勝ち負けすればの話ですが…)
どう買おうかな?(勝ち負けできると思い込んでますが…)
NHKマイルは人気薄も飛び込んでくるからな(ヒモが抜けて負けるのはイヤだな…)

不滅を追い求めて、自分が破滅するなんてブラックジョークにもほどがある!(なんか少し怖くなってきました。フフ)

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング