ドンキ格が違う! 今が旬“梅田ブランド”筆頭格/トレセン発秘話
◆「現地(函館)でもいい感じで調整できているみたい」
2歳新馬戦が始まると急速に“消化ゲーム”の様相を呈してくるのが3歳未勝利戦。とはいえ、まだ3か月以上も番組は組まれており、まだまだ各キュウ舎には“在庫”が豊富に残っている。
そんな中、先週で3歳未勝利馬が全ていなくなったキュウ舎が存在する。梅田キュウ舎だ。トレーナー自身に「この時期に未勝利馬がゼロになったキュウ舎は他にないんじゃないか」と振られたので実際、調べてみるとその通り。どんな優良キュウ舎でも、まだデビューしていない良血馬や、勝てるはずが勝てない素質馬が何頭かはいるもので、この時期で在庫を“清算”したのは東西全196キュウ舎で梅田キュウ舎だけだった。
もちろん、ただ清算しただけではない。16頭をデビューさせて、うち12頭が勝ち上がりで未勝利を“クリア”したのだから素晴らしい。
「新馬戦も結構勝ったからね。なかなかいい成績を残せたと思う。でも成績がいいのは3歳馬だけじゃないんだ。今いる4歳馬も降級馬ばかり。この世代もこれからある程度は計算できるってこと」(梅田調教師)
確かに現在6頭いる4歳勢のうち5頭がクラス再編成で降級している。こちらも今後の計算が立てやすい陣容。キュウ舎を支えるべき若い馬が活況な現在の経営状態は、株の世界で言うなら今後も順調に成長が期待できる“優良銘柄”としていい。
“梅田ブランド”で今週、注目したいのがGIII函館スプリントS(19日=函館芝1200メートル)に出走するレッツゴードンキ。6頭いる4歳勢で唯一、降級しなかったのが、このレッツゴードンキなのはもうお分かりだろう。何せ昨年の桜花賞を制したキュウ舎の看板馬なのだから、降級しないのも当たり前の話だ。
「現地(函館)でもいい感じで調整できているみたい。何よりGIを勝っているわけだから、このメンバーなら格は上だろう。今度は強気の競馬をさせてみたい」
斤量は54キロ。トレーナーの弁通り、スピードを前面に押し出した競馬を展開すれば、確かに押し切り十分か。坂路野郎も遠き函館の地までエールを送るとしよう。
(栗東の坂路野郎・高岡功)