今回はダコールで参戦し2着だった七夕賞をじっくり回顧
ダコールで挑んだ七夕賞は、半馬身差の2着! それにしても、8歳&トップハンデで、本当にタフな馬です。今回は、その七夕賞をじっくり回顧。また、「温泉」と「牛タン」をキーワードに挙げていた福島遠征の顛末やいかに!?
(取材・文/不破由妃子)
スムーズすぎたぶんの2着のような気がするわ
──福島遠征、お疲れさまでした。コース取りはお見事でしたし、着差が着差だけに本当に残念でした。
小牧 うん、自分でも乗り方は完璧やったと思う。向正面で戸崎くんの馬がすぐ前にいたから、よし、この馬に付いていこうと思ってね。4コーナーでは一呼吸待ったくらい、めっちゃ手応えが良かったんやけどね。いざ追い出したら、手応えほど伸びんのやねぇ。伸びてるんやろうけど、並ぶまでいかなくて。スムーズすぎたぶんの2着のような気がするわ。
──手応えほど伸びなかったというのは、どういった理由が考えられますか?
小牧 なんせ直線はハミが掛かってないからね。ただ、あの馬はいつもそうや。去年、新潟大賞典を勝ったときは、あまり追わなくても動いて、馬のあいだを抜けてきたでしょう。ああいう形が一番いいんやろうね。
──直線でトップスピードに入っても、ハミを取っていない馬っているんですね。
小牧 いるよ。そういう馬は、とにかく追わなくちゃ伸びないけど、ダコールはグッとこないままでも伸びる。あれでグッとくるところがあれば勝ってるわ。でも、8歳でトップハンデを背負って、よう頑張ってると思う。
──アルバートドックとマーティンボロの後ろでちょっと詰まるくらいの展開がよかったのかもしれませんね。まぁ、そううまくはいかないでしょうが。
小牧 うん。本当は馬と馬のあいだを割ってくるようなレースがいいんやけど、直線は一番外を回る形になってしまったからね。そういう意味で、スムーズにいきすぎたということ。だから、力を出し切ったかというと、展開次第ではもっと走れるはずやで。惜敗が多い馬ならではの難しさを感じた一戦だったね。
──それにしても、8歳とは思えないほどの安定感。追い切りでも50秒3というスゴイ時計が出ていてビックリしました。
小牧 あれはねぇ、追い切り当日に急きょ乗ることになって。ちょっと行きすぎたなと思って心配してたんですわ。先生からは、確かに「一杯に追ってくれ」って言われたんやけど、それにしても自己ベストやからね。これで走らんかったら僕のせいやくらいに思ったわ。でも、当時の気配もいつも通りやったし、2着に頑張ってくれたからね。ホンマに良かったわ。
──次走は8月7日の小倉記念が予定されていますね。
小牧 また力のある馬の後ろで競馬ができるのがベストやね。それがこの馬のパターンでもあるし、それができれば大崩れのない馬やから。あとは、直線のコース取りがうまいことハマれば勝ち切るだけの力があるのはわかってるから。
──なかなか難しそうな馬ですが、引き続き期待しています! あとは7月9日のフォーカード(2歳新馬・12番人気1着)。あれは強烈でした。
小牧 ああ、あれはよう届いたわ。
──馬場の真ん中から内にコースを切り替えての差し切り勝ち。大胆なコース取りでした。
小牧 まさか勝てるとは思ってなかったからビックリしたけど、前が飛ばしてくれたのも良かったんやろうね。最近は時期的なこともあるんやろうけど、休み明けの馬が多くてね。手応え良く直線に向いても、止まってしまうケースが多くて…。休み明けやから…と思いつつも、ちょっとガッカリしてしまってね。だから、人気のない馬でもああやって勝てると、ものすごく嬉しいわ。ホンマに嬉しい。
──今後は、中京記念、小倉記念、関屋記念、札幌記念と、チャンスのあるレースが続きますね。
小牧 うん。気を引き締めて頑張りますわ。今年はまだ重賞を勝っていないから、夏のあいだに何とかしたいね。
今年はまだ重賞を勝っていないから、夏のあいだに何とかしたいね
──そういえば、福島の秘湯についてたくさんメッセージが届いていましたが、行かれました?
小牧 そうそう、netkeibaさんが事前にまとめてメッセージを送ってくれてね。ご丁寧に宿まで教えてくれた方もいて、全部ちゃんと読ませてもらいました。でも、すみません、今回は牛タンに走ってしまった(苦笑)。温泉は大好きなんで、いつか必ず行かせてもらいますわ。情報をくれたみなさん、本当にありがとう。
──では、温泉三昧ならぬ、牛タン三昧だったと(笑)。
小牧 うん。結局、仙台に泊まって。仙台駅の近くに牛タン通りっていう通りがあんねん。そこで娘とふたりで2カ所くらい回って。翌朝、空港でも牛タンを食べましたわ。
──ということは、日曜の夜も…
小牧 牛タン。
──月曜の朝も…
小牧 牛タン(笑)。めっちゃ美味しかった!