厩舎で高阪助手に直撃!
「いい結果を出して記憶にも記録にも残る馬にしてあげたいですね」
夏競馬大盛り上がり!! 後半に入り札幌・新潟・小倉競馬場に戦いの場が移されます。アイビスサマーダッシュにベルカントが連覇狙って出走! 小倉サマージャンプ・札幌記念と楽しみがモリモリですよね。避暑地はどこの競馬場へ行かれますか? 注目馬が見つかりましたか?
僕は、オースミコスモで関屋記念を勝った新潟かな? タケイチケントウで小倉3歳S(当時)を勝った小倉かな? 小倉は何といっても食べ物がおいしいからね。迷ってしまいます。
先週は池江泰寿調教師が500勝達成。開業後12年4か月23日での達成は現役最速の記録だそうです。おめでとうございます。池江先生と言えばオルフェーヴルを思い浮かべますが数々の有力馬を育て上げGI・14勝は圧巻です。益々のご活躍をお祈りいたします。
さて今週は、今年の天皇賞(春)では惜しくも2着に敗れたとはいえ8歳にして衰え知らずの古豪「カレンミロティック」に魅了され、平田厩舎の高阪助手に取材してきました。
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常石 天皇賞(春)は8歳とは思えない走りでしたね。
高阪 行ける! と思うくらい良く走ってくれました。
常石 13番人気と人気はなかったんですが、ゴール後は大金星か? と僕も思いました。キタサンブラックに負けてしまいましたが今年は走った年が悪かったなーと思いました。昨年もそうでしたよね。ゴールドシップと戦って惜しくも3着、14年の宝塚でもゴールドシップの後を追いかけ2着とGIでも好走していましたよね。この馬は底力がすごいと思う。それだけに残念でちょっと悔しいですね。
高阪 昨年のジャパンカップ後からここを目標にしてきましたからね。年齢的にも最後のチャンスかなと思っていたから渾身の仕上げをしました。前哨戦の阪神大賞典は休み明けで6着に入りその後中間は体調を整え、レース前は坂路1本から2本に増やしてきました。
常石 坂路2本乗るんですか? すごい体力ですね。
高阪 5年位前からやっています。ハードだけどこの調教をしてから段々と力をつけて14年宝塚記念2着そして天皇賞2着、3着としっかり走ってくれるようになってきました。
常石 息の入りは大丈夫ですか?
高阪 1本だと10分くらいで戻りますね。2本の時は30分くらいかかりますがしっかりしていますね。顔つきも変わりギラギラというかガンガンというか鋭い顔つきになってきましたよ。さすが8歳となるとちょっと老け顔になってきたなーと思っていたんですが、負荷をかけることでたくましさが感じられるようになってきました。
洗い場でのカレンミロティック
常石 すごいなー。じゃー僕も負荷をかけようかな?(苦笑)。現役の時にくらべ10キロ太りましたからね。
高阪 お互いにね(爆笑)。スパルタが向いてると思ってやってきましたが、結果が出てよかったと思います。やっぱり2着は悔しいですがね。でもよく頑張ってくれました。
常石 入厩してきたときは、どんな馬でしたか?
高阪 牧場からはうるさい馬だから気をつけてと聞いてました。その通りうるさかったですね。立ち上がったりしていましたが4歳の時去勢手術をしました。それからおとなしくなりましたが蹴る癖は残っているので油断できませんね。男気のある馬だからしっかり走ってくれるんでしょうね。
常石 芯が強いんですね。
高阪 飼い葉食いもいいし素質が高いところにありますね。
常石 この馬のいいところをアピールしてください。
カレンミロティックに跨る高阪助手
高阪 8歳でも体力の衰えがないところが持ち味ですね。ヘロヘロになるまで走ってくれるけどレース後は引きずらないです。馬の素質が高く成長が素晴らしい。馬体も丈夫で真面目なところがいいですね。いつもきちんとケアをしていますがこれが大事なんですよね。だから走りで応えてくれているんだと思います。後はGIでいい結果を出して記憶にも記録にも残る馬にしてあげたいですね。天皇賞(春)での『4センチのハナ差』は本当に悔しかったです。賞金はイランから何とか1着にしてー! っと思ったね。どんな相手でも自分の走りをして力を出してくれるのがこの馬の強みだし、いいところですね。
常石 毎日のケアはとっても大切だと思います。故障しないのも魅力ですよね。お話を聞いていてもすごい馬だなーと思います。今後の活躍を楽しみにしています。本日はありがとうございました。
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宝塚記念は11着と残念な結果に終わりましたが、8歳まで無事に現役を続ける馬体の強さと精神力の強さが伝わってきました。高阪助手のケアをする大切さが伝わってきました。カレンミロティックも高阪さんも真面目な人柄がよくわかりました。
暑い時期は放牧に出て秋には海外遠征も、という話もありますがこの後、どんな走りを見せてくれるのか楽しみです。応援しましょう。新馬戦が行われ2歳馬でも有力馬が出てきましたが、この秋にはベテランと新人との戦いにも注目していきたいですね。つねかつこと常石勝義でした。