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今年の2歳戦をリードする音無厩舎 そろそろダービーも…の予感/吉田竜作マル秘週報

  • 2016年08月03日(水) 18時00分


◆音無調教師も日本ダービーのタイトルを…

 今年の2歳戦で好発進を決めたキュウ舎といえば音無キュウ舎。7月31日終了時点で実に4頭が勝ち上がり。未勝利戦で5馬身差圧勝を決めたアカカ(牝)に骨折が判明し、戦線離脱を余儀なくされたのは残念だが、それでもダンビュライト(牡)、アメリカズカップ(牡)と、3回中京開催を代表する新馬が勝ち上がった。

「現時点では値段通りに走れてるってことじゃないかな。アメリカズカップは5000万円くらいしたし(セレクトセールで4900万円で落札)、ダンビュライトも安くない募集価格だったはず(サンデーレーシングで総額3600万円で募集)。たまたまいい馬を預けてもらえているだけ」

 音無調教師は意外なほど冷静だが、一方で「アメリカズカップは長くいい脚を使うし、ダンビュライトはバネにいいものがある。2頭に共通して言えるのは先行力があって、しまいもしっかりした脚が使えることだね」と早くもクラシックの舞台を意識しているかのような発言も…。近年は夏場の2歳戦で一気に台頭させるのも、翌春のクラシックへ向けた手段のひとつとなっているが、「暑い夏場に無理することで成長を止めてしまっては何にもならない。すぐに放牧に出したし、先を見据えて今後のローテーションを決めていく」。

 近年は「俺もあと○年だし、そろそろ何とかしないとな」が口癖となっていたが、今年はそうした“焦り”がまったくない。それだけの手応えを現2歳世代に感じているのだろう。この後にはハリーレガシー(牡=父ヴィクトワールピサ、母バルドウィナ)、アドミラブル(牡=父ディープインパクト、母スカーレット)といった“大駒”も控えているのだから、それも当然か。

 坂路小屋で長年、一緒に調教を見守った橋口弘元調教師は14年ワンアンドオンリーで悲願を達成し、現在、机を並べる友道調教師は今年、マカヒキで栄冠を手にした。そろそろ音無調教師も日本ダービーのタイトルを…そんな予感に駆られているのは記者だけではないはずだ。

 クラシックを見据える馬が数多くいても、宮崎県出身で九州の競馬にも思い入れが強い音無調教師だけに、決して小倉開催をスルーすることはない。ファンタジステラ(牡=父ダイワメジャー、母ファンジカ)が開催後半のデビューを目指すことになった。

「(全兄の)ダイワマッジョーレよりもさらに重心が低い感じ。これからやり始めて、順調に時計を出せるようなら使うつもり。ピッチ走法だし、短いところがいいのは間違いない」と音無調教師。

 うまくいけばGIII小倉2歳S(9月4日=小倉芝1200メートル)に間に合うか。来春のクラシックの景気づけに、まずはこのファンタジステラで“ホップ”といきたいところだ。

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