■セントウルS(G2・阪神芝1200m内)フルゲート16頭/登録14頭
【コース総論】阪神芝1200m内 Aコース使用
・コースの要所!
★上位人気の信頼度は並程度。人気別では10〜12番人気の好成績が目立つ。
★やや内枠不利&外枠有利も、開幕週だけに判断が難しい。バイアス要確認。
★先行勢が圧倒的に優勢。直線が短く、そうそう簡単には差せないコース。
16頭立てにおける平均配当は、単勝1044円、馬連6331円、3連複2万7940円。それほど堅くはなく、また荒れもしないという、全体平均値に近い水準だ。人気別成績にも大きな偏りは見られず、人気サイドの信頼度はやはり「並」程度。ただし、10〜12番人気が7〜9番人気よりも好成績という逆転現象が起きており、このゾーンに該当する穴馬の扱いには、かなり気をつけたほうがいい。
枠番別成績では、やや外有利の傾向が見受けられる。勝率、連対率、複勝率のいずれも「外>内」であり、複勝率や複勝回収率がもっとも低いのは、内枠である馬番1〜4番。以上のデータから「やや内枠不利&やや外枠有利」と結論づけるが、開幕週だけに何とも言えない部分は残る。エアレーションの効果も含めた馬場のバイアスを、土曜日にしっかり確認しておくべきだろう。
脚質面は、ハッキリと前有利。逃げ馬や、4コーナーを5番手以内で回った先行勢の成績は、圧倒的といっても過言ではない。最後の直線が356.5mしかない内回りだと、直線勝負に賭けるのはかなりリスキー。最速上がり馬は優秀な成績を残しているが、それでも買えるのは「中団から差せる馬」だけだ。しかもここは、スプリントG1の前哨戦。そうそう簡単に前は止まってくれない。
【レース総論】セントウルS(G2) 阪神過去9回
・レースの要所!
★1番人気は未勝利も複勝率77.8%と高信頼度。10〜12番人気も好成績。
★複勝率や複勝回収率は外>内も、開幕週の影響か勝率は内枠がトップ。
★コースデータ以上に先行有利。年齢別では6歳以上馬の不振が目立つ。
★牝馬が好成績。なかでも「前走460キロ以上の牝馬」は要注目の存在。
レースの平均配当は、単勝1574円、馬連6010円、3連複3万1726円と、コースデータよりも少しだけ波乱傾向が強め。昨年も、10番人気のアクティブミノルが1着に激走し、3連単は40万円以上の高配当となった。波乱傾向を強めている要因が「1番人気の取りこぼし」で、2〜3着は多いが1着はなんとゼロ。また、コースデータ同様に10〜12番人気が好成績であるのも、押さえておきたいポイントである。
枠番については、やはり開幕週の影響が出ている様子。連対率や複勝率、枠番値などは「外>内」なのだが、勝率だけは内枠である馬番1〜4番が圧倒的に高い。単勝回収率の高さも「内>外」で、1着候補については、真ん中よりも内に入った馬から選んだほうがよさそう。逆に、2〜3着候補の穴馬は、外枠を引いた馬から選ぶのがベターである。
脚質は、コースデータ以上に先行優勢。馬券に絡んだ馬の75%近くが、4コーナーを5番手以内で回った馬によって占められている。中団からの競馬では3着にくるのが精一杯で、もう前に行ってナンボという、清く正しいスプリント戦。最速上がりの馬が1勝もできていないというのが、このレースの性質をよく物語っている。
年齢別では、明らかに5歳以下馬のほうが好成績。6歳馬はそれなりに馬券絡みを果たしているが、7歳以上馬となるとかなり厳しい。また、牝馬が[6-3-5-37]と好成績であるのも、セントウルSの大きな特徴。なかでも素晴らしいのが「前走馬体重460キロ以上の牝馬」で、ベタ買いでも大儲けできる勢いである。6歳牝馬のウリウリとラヴァーズポイントは、2〜3着で狙うのが面白そうだ。
ローテに関しては、北九州記念組が出走馬の大半を占めているが、そのわりに成績がイマイチ。こちらは、前走でひとケタ人気に推されていたことを、好走の必要条件としたい。好成績なのはアイビスSD組で、人気で好走していた馬の信頼度は鉄板級。データ母数が少ないので過信は禁物だが、アイビスSDでの人気や着順が、ここでの結果に直結する傾向にあるのは、意識しておくべきだろう。
【馬場&血統総論】 ・現在の馬場
開幕週。エアレーションの効果で開幕週から差せる馬場となる可能性も。
・天候予測
週末にかけて天候は下り坂。多少の降雨も想定しておくべきか。
・注目血統
アドマイヤムーン産駒◎、ヨハネスブルグ産駒○、マイネルラヴ産駒▲、ディープインパクト産駒△、サクラバクシンオー産駒△
時計の速い秋の阪神開催。セントウルSの近年の勝ち時計も1分7秒5前後と速く、しかも4コーナー好位→早め先頭からの押し切りという内容がほとんどである。最近はエアレーションの効果で「開幕週から差せる馬場」が出現したりするワケだが、ラップや展開などから見るに、ここは純然たるスプリント戦。いかなる馬場であろうとも、かなり前傾ラップでの持久力勝負になると考えたほうがいい。
種牡馬別で素晴らしい成績を残しているのがアドマイヤムーン産駒で、連対率32.1%、複勝率41.5%と、抜群に高いコース適性を有している。同様に、ヨハネスブルグ産駒とマイネルラヴ産駒も好成績で、ディープインパクト産駒もイメージよりは適性がある。サクラバクシンオー産駒は全体では「それなり」といった印象も、3番人気以内に限れば[7-6-4-13]で連対率43.3%、複勝率56.7%と、人気馬は鬼のように強かったりする。
★出走登録馬・総論×各論 セントウルSが、非常に「スプリント戦らしいスプリント戦」であるのは、前述した通り。瞬発力勝負になりやすい昨今の芝重賞にあって、ここまで先行力&持久力が問われるレースも珍しい。早め先頭からバテずに押し切れるような、真のスプリンターを高く評価すべきレースといえそうだ。
ところが、今年は意外なほど先行指向が弱いメンバー構成となりそう。徹底先行型はネロとラヴァーズポイントだけで、相対先行型もアットウィル、ビッグアーサー、ワキノブレイブくらいのもの。つまり、先行勢が圧倒的に優勢なレースであるにもかかわらず、前有利の流れになる可能性がけっこう高いのである。
それも踏まえてのトップ評価がネロ。前走がアイビスSDで2番人気2着、鞍上は内田博騎手が継続騎乗の予定で、血統面での裏付けもある5歳の関西馬と、ローテやプロフィル面も非常に優秀だ。ここなら確実にハナを奪えるはずで、この中間も坂路で相変わらずの超抜タイムをマーク。前走に引き続き、ここは「買い時」である。
二番手評価にビッグアーサー。こちらも、プロフィルやローテの面で割り引く項目は見当たらず、上位人気が確実のサクラバクシンオー産駒という血統面での後押しもある、かなり買いやすいパターンである。春のスプリント王であり、能力最上位であるのは言うまでもなし。陣営が「絶対に先行する」とでもコメントしてくれれば、信頼度はさらにアップするはずだ。
上位に評価したのはこの2頭だけ。離れた三番手評価がアットウィルで、こちらはマイナス評価となったファクターも相応に有しているが、やはり「前に行ける」というのが大きい。前走のアイビスSDは、スタートで少し立ち後れながらも4着まで差を詰めるという、決して悪くない内容。距離延長&コース替わりで、大きな変わり身があっても驚けない存在である。
以下は、ラヴァーズポイント、ダンスディレクター、ウリウリ、エイシンブルズアイ、ワキノブレイブという評価の序列。枠番と人気によって評価の微調整はするが、ネロとビッグアーサーの「二強対決」という見立ては、おそらく変わらないと思われる。馬連や馬単での1点勝負もいいが、この2頭から人気薄へと流す3連単や3連複のほうが、配当的には面白そう。中盤が緩んだりしない、ガチのスプリント戦を期待したい。
■総論×各論・先週の馬券回顧
新潟11レース 新潟記念(G3)
1着 17アデイインザライフ
2着 14アルバートドック
3着 12ロンギングダンサー
「自信の消し」に勝たれた(#^ω^)情けない話ながら、そろそろ逆神を自分で名乗っていいレベル。馬券に絡まない「4着5着を力一杯買ってる」という、じつに恥ずかしい結果である。根本的にアカン状況が続いているので、そろそろ内容を見直すべき時期なのかも。秋のG1シリーズが始まる前に、プチリニューアルするかもしれませぬ。
※コースデータと血統データは2012年、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。
【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!