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騎乗パターンと枠番から激走馬を見抜け!/毎日王冠

  • 2016年10月05日(水) 18時00分

■毎日王冠(G2・東京芝1800m)フルゲート18頭/登録14頭


【コース総論】東京芝1800m Aコース使用

・コースの要所!

★1番人気が信頼度・回収率ともに超優秀。その他はとくに目立たず。
★多頭数での外枠はやはり不利。内枠有利&外枠不利という結論に。
★決まり手のほとんどが中団からの差しで、2〜3着は前残りが多い。





 登録段階で14頭とフルゲートにならないのは確定だが、その傾向を正確に把握するために、コースデータはあえて18頭立てのみを対象とした。平均配当は単勝1376円、馬連1万106円、3連複2万7265円と高めの水準だが、これはあまり参考にはならないデータなので、「わりと荒れやすいコース」くらいに捉えてもらえばいい。

 目立っているのが、1番人気の強さである。勝率41.0%と勝ち切っており、連対率64.1%、複勝率74.4%と信頼度抜群。しかも回収率まで非常に高いという、文句なしに優秀な内容だ。以下はおおむね人気に即した結果で、人気サイドから穴馬まで、まんべんなく馬券に絡んでいる印象である。多頭数でこれだけ信頼度が高いのだから、少頭数になればなおさら。1番人気は基本的に信頼したい。

 次に枠番別成績だが、こちらは「内枠有利&外枠不利」の傾向。複勝率や回収率、枠番値などを見れば、外枠が不利であるのは明らかだ。もっとも、今年の毎日王冠は最高でも14頭立てなので、外枠をそれほど気にする必要はなし。ただし「内枠有利」に関しては、少頭数でもしっかり意識しておくべきだ。

 そして脚質面だが、こちらは「勝ち馬に関しては」差し優勢。4コーナーを7〜12番手で回った馬の勝率が10.7%と、他と比較すると飛び抜けて高い。勝ち馬の大半が「上がり3F順位3位以内」と、決め脚の有無が問われているのも要注目だ。ただし、2〜3着にくる確率は先行勢のほうが高く、人気薄での好走例が多いのもココ。「人気の差し馬→人気薄の先行勢」という決着パターンを、強く意識して馬券を組み立てたい。

【レース総論】毎日王冠(G2) 過去10年

・レースの要所!

★4〜9番人気[5-4-7-44]と中穴が非常に強い。1着固定での勝負もアリ。
★開幕週の影響もあり完全に「内枠>外枠」。少頭数でも内枠重視で。
★連対馬の85.0%が5歳以下。外枠に入った6歳以上馬はかなり厳しい。
★人気薄で好走した馬のほとんどが乗り替わり騎乗。関東馬が激アツ。








 コースデータとは大きく異なり、人気薄の活躍が目立つ毎日王冠。1番人気[3-2-1-4]、3番人気以内[5-4-1-20]と、人気馬もそれなりに結果は残しているが、それ以上に優秀なのが4〜9番人気の中穴だ。トータル[5-4-7-44]で複勝率26.7%と、馬券に絡んだ馬の大半を占める大活躍。当然ながら回収率も高く、ここを1着に固定した馬券での勝負が面白そうなレースである。

 枠番別では、コースデータでも見られた内枠有利&外枠不利の傾向が、さらに加速。開幕週の絶好馬場の影響で、内と外で非常に大きな成績差が出ている。信頼度から回収率、枠番値に至るまで完全に「内>外」であり、たとえ少頭数でも内枠のほうがベターなのは確実。具体的には、馬番1〜8番であればセーフだが、馬番9番〜14番に入った場合には、かなりの割引が必要となりそうだ。

 開幕週の影響は、当然ながら脚質面でも大きい。最後の直線が長い東京芝コースながら、4コーナー11番手以下から追い込んだのは、2007年2着のアグネスアークのみ。逃げた馬の半数が最後まで粘っているように、かなり前有利である。コースがコースなので中団からの差しも届くが、人気馬の過信は禁物。中団から差して好走した馬に、4〜9番人気の中穴がやたらと多いのは、ぜひ覚えておきたいポイントだ。

 また、連対馬に関して「5歳以下馬が圧倒的優勢」であるのも、毎日王冠の大きな特徴。トータル[8-9-4-62]で連対率20.5%と、6歳以上馬を圧倒している。そして、勝ち馬のほとんどが「中8週よりも長いローテ」で出走していたのも、トップクラスが集う毎日王冠らしいポイント。春の大レースで好走→リフレッシュ放牧明けで出走というのが、毎日王冠を勝つ馬の王道である。

 覚えておいて損はないのが、人気薄で連対した馬のほとんどが「乗り替わり」だったということ。4番人気以下に限定したデータで比較すると、継続騎乗[0-1-6-37]に対して乗り替わり[5-5-3-46]と、後者が完全に優勢なのだ。回収率も明らかに乗り替わり組のほうが優秀で、継続騎乗の想定であるクラレントやディサイファあたりは、ちょっと買いづらい面がありそうである。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 開幕週で絶好の馬場コンディション。エアレーションの影響は土曜に要確認。

・天候予測
 週末にかけて天候は下り坂。いきなり道悪となる可能性もそれなりにある。

・注目血統
 フジキセキ産駒◎、ディープインパクト産駒○、ローエングリン産駒▲

 開幕週の絶好馬場で、高いスピード能力が問われる毎日王冠。良馬場であれば例年、1分45秒5前後の勝ちタイムで決着している。最近はエアレーションの影響で「いきなり差しが決まりまくり」状態になったりするので気が抜けないが、基本的には前有利&内有利の馬場状態となるはず。今年に関しては道悪となる可能性も高く、なおさら簡単には差せないと考えたほうがいい。

 血統面では、ディープインパクト産駒の強さが目立つ。期間内に行われたレースの過半数を制するという凶悪なまでの活躍ぶりで、コース適性の高さは間違いなし。昨年はエイシンヒカリとディサイファがワンツーと、毎日王冠でも結果を出している。そんなディープ産駒を上回る勝率20.5%をマークしたのがフジキセキ産駒で、こちらは回収率の高さも文句なし。あとは、複勝率&複勝回収率が高いローエングリン産駒も、プラス評価の対象である。

★出走登録馬・総論×各論

 リアルスティールにルージュバック、アンビシャス、ステファノス、ロゴタイプなど、秋の主役級がここから始動。キタサンブラック、ラブリーデイ、サウンズオブアースがエントリーする京都大賞典に比べて、こちらは上位拮抗ムードの強い一戦となりそうだ。netkeiba.comでの予想オッズも、現在ルージュバックが3.1倍で1番人気という混戦模様。馬券的にもかなり面白い。

 枠番の影響が大であるのは前述した通りで、ここから評価がガラッと入れ替わるケースも大いにありうる。そう前置きした上でのトップ評価が、安田記念の勝ち馬であるロゴタイプだ。年齢が6歳というのがマイナス評価の対象だが、それ以外はプロフィル面から臨戦過程に至るまで、プラス評価のオンパレード。実績上位であるにもかかわらず、4番人気になりそうなのも好材料である。

 二番手評価にリアルスティール。中山記念やドバイターフの結果からも、直線の長い芝1800mは、この馬にとってベストといえる条件だ。安田記念での大敗が気がかりも、能力の高さは証明済みで、この相手関係でもまったく遜色なし。好位で流れに乗れるセンスのよさも魅力で、いかにも毎日王冠で好走しそうなタイプといえる。鞍上がM.デムーロ騎手に替わり、どのような走りを見せてくれるか、じつに楽しみである。

 三番手評価に、人気薄となりそうなロサギガンティア。このところは短めの距離を中心に使われてきたが、3歳時にスプリングSを制しているように、折り合い次第で中距離も十分にこなせる馬である。また、フジキセキ産駒という血統面や、「鞍上が乗り替わる4〜9番人気になりそうな馬」であるのも魅力的で、好位〜中団やや前でうまく流れに乗れば、一発があっておかしくないはずだ。

 四番手評価に、牝馬のルージュバック。前走のエプソムCで見せた強烈な末脚は、まだ記憶にも新しいところだ。G1級の素質がありながら足踏みが続いていたが、前走でようやく本調子を取り戻した印象。今回は牡馬の一線級が相手となるが、ベストの距離で54キロで出走できるというのは、大きな強みである。持ち前の末脚が生きる展開や馬場にでもなれば、楽勝までありうる。

 ここまでの4頭が上位評価組で、以下はアンビシャス、ステファノス、ウインフルブルーム、マイネルミラノ、ディサイファという序列。もっとも、枠番未決定の段階での評価であるため、上下はかなり入れ替わると思われる。配当妙味がありそうなロゴタイプとロサギガンティアの2頭には、ぜひ内枠を引き当てていただきたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧




中山11レース スプリンターズS(G1)
1着 13レッドファルクス
2着 15ミッキーアイル
3着 04ソルヴェイグ

また恥ずかしい馬券を買ってしまった(#^ω^)ビキビキ

インで豪快に詰まった01ビッグアーサーと、なぜか最後方から上がり32秒台の脚を使った12レッツゴードンキの2頭軸という、赤面必死のハズレ馬券。騎手がどう乗るかも含めて「予想」だと思っているので、実際の乗り方について普段アレコレ言うことはないのだが、今週のダブルパンチはさすがにキツかった(喀血)。

福永ジョッキーについては、調教師が「逃げない」とコメントしたのを逆に利して、しれっと行かせちゃえばよかったのに──というのが正直な気持ち。まあ、今回に関しては騎乗をとりまく環境の面で、けっこうツラい部分があったんだろうね。普段のコメントやnetkeiba.comでの連載『祐言実行』を読んでいても感じるが、ホントに真面目で不器用というか。もう少し不敵になっていいと思うんだ、個人的には。

※コースデータと血統データは2013年12月以降、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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