内枠先行馬が有利になるのは自然な話
個人的に菊花賞は楽しみにしているレースなのだが、今年の登録馬にはいかにも菊花賞で買いたいという馬がいない。ちょっと前の父ダンスインザダークとか、母の父リアルシャダイとか、サッカーボーイとか、その手の「萌える血統」はいない菊花賞になってしまった。
サトノダイヤモンドもディーマジェスティもディープインパクト産駒の中では距離をこなせそうなタイプに見えるが、誰の目にも分かる持ち点の高い馬が来るだけでは菊花賞の魅力を味わえない。やはり血統や展開やその他のバイアスが作用してこそ長距離重賞だというのが個人的な趣味だ。
そこで先日、競馬場で行われた競馬教室、REXSでは菊花賞展望の際に「入る馬にもよりますが、1番か2番の馬を買おうと思います」という話をした。受講生の皆さんは冗談だと受け止めたようだが、枠順はかなり重要な要素である。
過去20年の菊花賞と天皇賞春(ともに3000m以上の京都外回りGI)について枠番別成績をとると以下のようになる。天皇賞春については年によって出走頭数のバラつきがあるが、見やすくするため枠番別でまとめた。
枠番 着度数 勝率 複勝率 単回収率 複回収率
1枠 12- 3- 5- 54/ 74 16.2% 27.0% 428 161
2枠 6- 6- 5- 59/ 76 7.9% 22.4% 59 105
3枠 5- 3- 4- 65/ 77 6.5% 15.6% 139 85
4枠 6- 3- 2- 67/ 78 7.7% 14.1% 50 59
5枠 3- 4- 5- 69/ 81 3.7% 14.8% 55 41
6枠 2- 7- 8- 65/ 82 2.4% 20.7% 26 86
7枠 3- 8- 7- 90/108 2.8% 16.7% 7 55
8枠 4- 7- 5- 95/111 3.6% 14.4% 88 65
内枠有利は明らかで、勝率でいうと外枠はかなり不利だ。ダンスインザダークやデルタブルースのような筋金入りのステイヤーなら外枠を克服することを期待しても良いかもしれないが、今年はそこまでの馬がいるわけではない。ならば内枠に先行力か、少しでもスタミナ要素のある馬に入ってもらうことが良い馬券に繋がると期待できる。理屈で考えても、ステイヤーでないどうしが京都外回りで長距離を戦ったら、内枠先行馬が有利になるのは自然な話でもある。
もちろん、内枠ならどんな馬でもよいという話ではない。枠順発表まで「いい穴馬、内枠に入れ!」と祈る私である。
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