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パーフェクトな内容のあの馬から全力勝負!/菊花賞

  • 2016年10月19日(水) 18時00分

■菊花賞(G1・京都芝3000m外)フルゲート18頭/登録19頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 菊花賞を分析する上でもっとも注目すべきなのが、前走着順が前走人気以上であるかどうか。前走の結果が「人気<着順」であるのが好走の必要条件で、これを満たせない馬はトータル[1-2-1-61]で複勝率6.2%、複勝回収率13%と、きわめて期待値が低い。ちなみに、今年の登録馬でこの条件をクリアしていないのは、イモータル、エアスピネル、ジョルジュサンク、マウントロブソンの4頭だ。

 この必要条件をクリアした馬をさらに精査するために、前走が3着以内であるかどうかと、当日の人気が9番人気以内かどうかをチェック。人気を正確には読みづらいが、おそらくウムブルフ、サトノダイヤモンド、ジュンヴァルカン、ディーマジェスティ、プロディガルサン、ミッキーロケット、レッドエルディストの7頭が、条件をクリアすると思われる。

 最後に前走馬体重をチェックして、それが480キロ以上であれば文句なし。479キロ以下馬でも好走可能だが、信頼度に大きな差が出ているのは、ご覧の通りだ。この最終関門をクリアしたのは、サトノダイヤモンド、ジュンヴァルカン、プロディガルサン、レッドエルディスト。これだけで「買い」といえる、期待大の4頭といえる。

【コース総論】京都芝3000m外 Aコース使用

※今回は「京都芝2200m外〜芝3200m外」の4コースを集計対象としています

・コースの要所!

★1着馬の70%以上が3番人気以内。ヒモは紛れてもアタマは紛れない。
★明らかに内枠が有利。平均人気も高いが、結果はそれを上回るもの。
★逃げ馬を筆頭に先行脚質が優勢。速い上がりの要求度も高いコース。





 施行レース数が非常に少ないコースなので、今回は「京都芝2200m以上」を対象としたコース分析を行っている。大雑把にはなるが、外回りの長距離戦という共通項はあるわけで、それなりに意義のあるデータが抽出できている印象だ。

 人気別成績では、人気サイドの強さが目立つ。とくに1着馬に関してこの傾向が強く、じつに70.5%が3番人気以内である。3番人気以内馬は連対率も40.2%と高く、よほど強力な消し材料でもないかぎり、押さえたほうがベター。高配当を狙うなら、2〜3着でのヒモ荒れを期待したほうがいい。

 枠番と脚質については、内枠有利&先行優勢の傾向がハッキリ。このあたりは開催時期にもよるが、イメージよりも差せないコースであるのは、しっかり意識しておくべきだ。好位〜中団より前で流れに乗り、そこから速い上がりを繰り出して突き抜ける──という、いわば王道の競馬ができる馬が強いコースなのである。

【レース総論】菊花賞(G1) 過去10年

・レースの要所!

★ふたケタ人気馬が[0-1-1-88]と大不振。7〜9番人気など中穴に期待。
★コースデータに忠実な結果で、内枠有利&先行優勢であるのは確実。
★鞍上の乗り替わりは大幅マイナス。キャリアは6〜9戦の馬を上位に。








 古くより「もっとも強い馬が勝つ」といわれる菊花賞。それだけに人気薄で勝つのは至難の業で、ふたケタ人気は[0-1-1-88]で複勝率2.2%と不振が目立っている。1番人気の信頼度は[4-1-2-3]で複勝率70.0%と並以上だが、注目すべきは中穴ゾーンの強さ。とくに7〜9番人気の期待値は非常に高く、今年も目が離せない。

 枠番や脚質については、コースデータにきわめて忠実。内枠有利&先行優勢であるのは間違いなく、勝ち負けに速い上がりが要求される点まで一致している。とくに意識しておきたいのが、馬券に絡んだ30頭のうち19頭までが、4コーナーを6番手以内で通過していたということ。つまり、中団からの差しですら届かない可能性が高いのだ。

 ローテは神戸新聞杯組が[8-7-5-50]と好成績。それに次ぐのがセントライト記念組で、要するにトライアルを順調に使われてきた組であれば問題ない。ゴールドアクターのように前走1000万下特別から好走した馬もいるが、その好走率はかなり低めである。あとは、騎手の乗り替わりが大幅マイナスであることや、好走馬がレースキャリア6〜9戦に集中しているのも、取捨の材料となりうる重要なデータといえそうだ。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 Aコース継続。先週日曜日から差し馬の好走が目立つようになってきた。

・天候予測
 秋らしい好天が続く。週末も降雨はなさそうで、良馬場前提でオッケイ。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ハーツクライ産駒○、キングカメハメハ産駒△、ステイゴールド産駒△

 先々週の月曜日〜先週の土曜日は見事なまでに前有利の馬場だったが、日曜日からはけっこう差せるようになってきた。とはいえ、中団より前からの差しがほとんどで、後方から一気の脚で追い込むのは、相変わらず厳しいと思われる。軸馬には必ず、中団より前のポジションを取れる馬をチョイスすべきだ。

 血統面では、期間内に33勝を挙げているディープインパクト産駒の強さが目立つ。勝率14.9%は飛び抜けて高い数値で、連対率や複勝率の高さも申し分なし。長距離戦がいい血統ではないと思うが、だからといって問題視するほどではない。それに次ぐ存在がハーツクライ産駒だが、こちらは1着9回に対して2着24回と、取りこぼしの多さも目立っている。あとは、単勝回収率が高いキングカメハメハ産駒とステイゴールド産駒も、一応はプラス評価の対象とした。

★出走登録馬・総論×各論

 サトノダイヤモンドとディーマジェスティという、春のトップクラスが順当にトライアルを制して、ここに臨んできた。この2頭のマッチレースと考える人はかなり多そうで、実際にnetkeiba.comでの予想オッズも、サトノダイヤモンドが2.2倍で1番人気、ディーマジェスティが3.1倍で2番人気と、3番人気以下を大きく引き離している。

 実績的にも甲乙つけがたい存在だが、当データ分析での評価は、明らかにサトノダイヤモンドのほうが上だ。文句なしのトップ評価で、取捨の対象としたすべての項目でプラス評価になるという、パーフェクトな内容である。テンで置かれる面のあるディーマジェスティに対して、操縦性が高くいいポジションが取れるというのも有利。伸びやかでバランスのいい馬体も好印象で、極端な外枠でも引かないかぎり勝ち負けになる。

 二番手評価は、関東馬である点だけが割引材料のプロディガルサン。兄のリアルスティールよりも奥手だが、それだけにここにきての成長ぶりが目立つ。冒頭の「特注データ」をオールクリアしている上に、前走上がりやレースキャリア、血統、鞍上の乗り替わりといった項目でもプラス評価に。前々で流れに乗れる脚質であるのも、菊花賞では大きなプラスに働く。

 三番手評価にディーマジェスティ。前走のセントライト記念でも、地力の高さと末脚の破壊力を見せつけている。ただし、出脚のいいタイプではなく、ここも後方からの競馬となる可能性が大。実績や臨戦過程などは文句なしだが、こと「脚質」という面においては不安が残る。関東馬というのも一応はマイナス要素で、初の輸送をどうクリアするかという課題もアリ。サトノダイヤモンドに比べると、信頼度に大きな差があると見ている。

 四番手評価にウムブルフ。その素質をもともと高く評価されていた馬が、ようやく本格化してきた。鞍上が乗り替わり予定である点と前走馬体重がマイナス材料も、それを補ってあまりあるプラス評価の多さ。スタミナの裏付けがある母系で、ディープインパクト産駒にしては長距離適性が高いというのも、強調材料だ。それなりに人気薄となりそうな馬では、もっとも食指が動く。

 ここまでが上位評価組で、以下はレッドエルディスト、ジュンヴァルカン、ミッキーロケット、シュペルミエール、レインボーラインという評価順。冒頭の特注データを満たしていないエアスピネルとマウントロブソン、強調材料に欠ける上にレースキャリアも多いカフジプリンスは、データ面からは推奨しかねる。今年の菊花賞は、サトノダイヤモンドから相手をどう選ぶか──というレースとなりそうである。


■総論×各論・先週の馬券回顧




京都11レース 秋華賞(G1)
1着 07ヴィブロス
2着 03パールコード
3着 15カイザーバル

どーもーデスノート小林でーす(#^ω^)ビキビキ

とはいっても、トップ評価だったカイザーバルが8番人気で3着に好走しているんだから、もっと戦いようはあったはず。だというのに、単複で勝負できていないあたりが、馬券下手というか欲深いというか(猛省)。どっかで「一発で取り返してやろう」とか、アホなこと考えちゃってるんだろうなー。

※コースデータと血統データは2012年以降、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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