スマートフォン版へ

祝ジャパンC制覇!キタサンブラックの清水先生・辻田厩務員にインタビュー

  • 2016年11月29日(火) 18時00分
清水調教師

ジャパンCを制覇したキタサンブラックの清水調教師にお話をお聞きしました!



名手の絶妙なレース運びに脱帽


 日本が世界に誇る「武豊騎手」日本競馬のすごさを見せつけられたジャパンC(GI・芝2400m)でしたね。

 絶妙なスローペースに落として逃げ、淡々とレースを運ぶ豊マジックが見事にはまりました。名手のエスコートは素晴らしい!天才ジョッキーのなせる業に脱帽です。

 キタサンブラックと豊さんの人馬一体のレースに乾杯!!「おめでとうございます」

 23日の合同記者会見で豊騎手が「第36回ジャパンCを勝つのはこの方しかいないでしょう」と記者たちを大爆笑させました。

「サブロー」か〜豊騎手のトークセンスもいつも絶妙ですよね。そして清水調教師が始終笑顔で話され「この顔を見ていただければ馬の順調さがわかってもらえると思う」と清水調教師のスマイルも最高でした。

 まさに有言実行ですよね。30日トレセン取材楽しみだなーまた新しい情報が入ればお知らせします。楽しみにしてください。

 清水厩舎で事前に取材をしていたので事後報告になってしまいますが、改めてブラックの強さを認識して頂けたら嬉しいです。今回のコラムを読めば次走予定している有馬記念でも『確実に好走する』ということを実感していただけるのではと思います。

***

 担当の辻田厩務員にインタビューです。

常石 天皇賞春に続き京都大賞典制覇おめでとうございます。次はいよいよジャパンCですね。調子はどうですか?

辻田 返し馬の時点から出来の良さが出ていましたから安心して豊騎手に任せています。普段から落ち着いて自分のペースで走れるブラックですからね。

 ヤマカツライデンがハナを切ってきたので行かせて2番手でレースを進める。ずっと2番手をキープすることができ抜け出すチャンスを待っていたので理想的なレースでしたよね。ムキになる面もなくスムーズにレースを進めることができたのが勝因でしょうね。やっぱり豊騎手ですよ。そのあたりが上手いですね。

常石 この馬らしい勝ち方でしたよね。

辻田 着差以上の力を出してくれたと思います。厩舎では、落ち着いておとなしい馬なので扱いやすいですよ。秋初戦を好スタートしてくれたので先が楽しみになってきましたね。

常石 次は、ジャパンCから有馬ですか?

辻田 んー…とは思っていますが、こればっかりはなんとも言えないかな?先生に聞いてください。

常石 楽しみが増えてきましたね。

辻田 そのつもりでしっかりとケアし仕上げていきます。大賞典の後放牧し11月初めに帰ってきました。

常石 一回りまた大きく成長して帰ってきたんでしょうね。この馬の魅力はどこですか?

キタサンブラックなで

一回り大きく成長したキタサンブラック。厩舎では、落ち着いておとなしい


辻田 走りに安定感がありしぶとい伸び脚ですかね。まだまだ若いから走る気満々ですよ。この馬のリズムに乗ってきたので楽しみにしたいと思います。

常石 そうですよね。“強い”と思わせる馬になってきましたね。年度代表馬も見えてきましたかね。

辻田 いえいえ、とにかく1走1走無事に走ってくれることが一番理想です。これだけの馬ですから大事にしていきたいです。

常石 そうですね。繁殖という大仕事もあるからね。大事にという思いは当然あるでしょう。勝つときってなんだかわかるような気がしますよ。先行が得意なのでいいポジションが取れたときは、スムーズに淡々と流れを作って勝ってるでしょう。すごいなー!

辻田 自分でレースを作れるようなところがあるんでしょうね。そこへ豊騎手の手綱さばきが入ると「よっしゃー!」っていう感じかな。

常石 豊マジックってホンマに絶妙ですよ。以前に経験したことがあるんですが、「豊さん今何時ですか?」と質問したら「8時から調教乗ったから8時40分ごろかな?」と1分の誤差もありませんでした。体内時計が精密なんですよ。僕らも競馬学校で体内時計の訓練をしました。1000mを1分で走る。オーバーでも速くても減点だったんです。だからペース配分を決め淡々とラップを踏めるんでしょうね。

辻田 調教でもそうですね。また応援してください。

常石 年末まで気が抜けませんね。

辻田 ブラックがマイペースなので僕もマイペースで頑張ります。

常石 ありがとうございました。また来ます。よろしくお願いします。

***

 清水先生のインタビューです。

常石 よろしくお願いします。

清水 誰の話や。僕か?(笑)

常石 先生の話は、また今度お願いします。ブラックの調教ぶりを教えてください。

清水 僕の顔見てたらわかるやろ(※目を細めての笑顔)。いうことなし。

常石 はい、よくわかりますが、いやいやもうすこし詳しく教えてください(笑)。

キタサンブラック厩舎

思い通りに仕上げられ、レースでも安心してみていられる


清水 厩舎では、とっても落ち着いていておとなしい馬です。思い通りに仕上げられる。豊騎手がいつも考えた通りに乗ってくれ、馬もその合図に応え頑張ってくれています。安心してみていられるよ。スタートもよく距離2400mも大丈夫なのでいろんなレースを楽しめますね。

 セントライト記念の時は、ゆっくりの逃げ馬だったけど、ジャパンCの時の東京は、馬場がよさそうなのでブラックの走りに期待しています。まだまだ若いし走る気満々です。やっと1番人気になれそうなので応えたいですね。

 他に行く馬がいれば2番手からの競馬になると思うが多分ハナに立つ競馬をしてくれると思う。僕はなにもいうことないよ。高いレベルで成長してくれている。これだけの馬に中々巡り合えないと思うので調教師冥利に尽きる。

常石 厩舎でブラックに会ってきましたが毛艶と言い筋肉と言い、いいですね。それにおとなしいですよね。お嬢さんが手を出したら優しく顔を出して挨拶していましたよ。僕は無視されましたけど。

清水 やっぱり牡馬やな。男には興味ないか(爆笑)。2009年に開業だから6年でブラックというGI馬に巡り会えて光栄です。何より無事に走って牧場へ送りたいですね。頑張るから応援してください。

キタサンブラック女性

「お嬢さんが手を出したら優しく顔を出して挨拶していましたよ」


常石 ありがとうございます。まだまだ話題満載なので取材させてください。よろしくお願いします。

清水 今度は、僕のことも書いてや、特に面白いこと何もないけどね(笑)。つねちゃんと一緒でいつも笑ってます。

常石 そうですね。ありがとうございました。

***

 最後に27日ジャパンカップを見て

 強い馬が本当に強いレースをする。スローペースになることは予想していたが誰も動けない絶妙なペースで淡々とラップを踏む豊さんとブラックの動きは、素晴らしかったです。これが世界も参加するジャパンCだと痛感しました。京都競馬場で中継を見たのですが現地にいたかのような感覚になり、しあわせ感いっぱいでした。

ジャパンC口取り

見事なラップで逃げ切ったキタサンブラックと武豊騎手に拍手(撮影:下野雄規)


 キタサンブラックと豊騎手に改めて拍手パチパチ!!

つねかつこと常石勝義でした。

常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング