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ミスエルテの出走がまっとうじゃない方へと誘う

  • 2016年12月15日(木) 12時00分


先週は表のZOKKONホースのソウルスターリングが1人気で1着して、隠れZOKKONホースと見立てたレーヌミノルが3人気で3着した。予定では5人気と思っていたので3人気になってくじけそうになったけど、くじけずにそのまま進んで正解だった。

っていうか、香港競馬のこともあったので、じっくり時間を割けなくて、そのまま買った。そしたら3着。社台系包装紙に包まれての3着。締切間際に買いたい馬でニギニギするのが趣味だけど、あ〜でもない、こ〜でもないと考えない方が当たるだなんて、アイロニーのカウンターを喰らったようで、少々複雑な気分だ。

にしても、ビックリしたのは14人気ゴールドケープの6着だ。この馬は社台系包装紙だったけど、人気薄は必要ないと思いカットした馬だった。6着ならカットして正解なんだけど、包装紙的にはカットは失敗だ。

思えばゴールドケープは、ファンタジーSで大人気ホースのミスエルテの0.3秒差の5着に頑張っていた馬だった。阪神JFで6着に走っても驚けない。まあどんなに頑張っても5着か6着という見方もできる。それはそうなんだけど、社台包装紙に11着に負けたジューヌエコールや7着に負けたサトノアリシアを入れてたので、ゴールドケープには少しドギマギしたのだった。

鞍上の丸山は「雨が降っていたらもっとよかった」とコメントしていた。雨が降らなくてよかったと胸をなでおろしている。ゴールドケープは雨の新馬で8着に負けている。同じ阪神だ。雨が降っていてもまったく買えなかっただろう。

ちなみに1着・2着・4着・5着・6着・7着が社台系生産馬だった。ここ2年の鬱憤を晴らすかのような独占だった。でも、それでも、馬券圏内の独占はできなかった。やっぱり競馬は「2:1」だと改めて思った。

おっと、ゴールドケープで脱線してしまった。脱線するならフランケルのソウルスターリングだろう。

朝日杯FSは2年前から阪神1600になった。2年前は阪神JFも朝日杯FSもディープインパクト産駒が勝った。ならば今週もフランケルのミスエルテだ! うむ、まっとうだ。

先週もルメールなのだから今週もルメールだ!
ルメールは11月は2着のルメールだったけど、12月は1着のルメールかもしれない。ダンビュライトに連続騎乗。うむ、まっとうだ。

先週も藤沢和厩舎なのだから今週も藤沢和厩舎だ!
2年前に勝ったダノンプラチナと同じ、前走・ベゴニア賞1着。サトノアレスだ。うむ、まっとうだ。

まっとうにまっとうを重ねると、ミスエルテ・ダンビュライト・サトノアレスで1・2・3。フランケルに、ルーラーシップに、ディープインパクトで1・2・3。うむ、まっとうだ。

とはいえ、週中にまっとうだなんて、まっとうじゃない。いったん離れよう。

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#1 人気視点
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netkeiba.comの予想オッズがとんでもないことになっている。
これを見ると、今週は9頭立てでいいんじゃないか? と思いたくなる。仮にクリアザトラックが抽選に漏れたら8頭立てだ。

予想
1人気 ミスエルテ   2.5
2人気 ダンビュライト 4.5
3人気 モンドキャンノ 6.1
4人気 クリアザトラック7.5 抽選
5人気 サトノアレス  9.8
6人気 タガノアシュラ 10.7
7人気 レッドアンシェル12.5
8人気 トラスト    14.4
9人気 アメリカズカップ17.7

10人気 サングレーザー  65.1 抽選

11人気 レヴァンテライオン107.0
12人気 ボンセルヴィーソ 223.8
13人気 トリリオネア   291.8 抽選
14人気 リンクスゼロ   360.2
15人気 ダイイチターミナル419.1
16人気 トーホウドミンゴ 698.6 抽選
17人気 ブルベアバブーン 823.3
18人気 ビーカーリー   940.9
18人気 アシャカリアン  1356.0 抽選
20人気 ヒロシゲグローリー1440.8 抽選
21人気 マテラレックス  1844.2 抽選

予想とはいえ、中央のG1でこんなにくっきり半分に割れてるのを見るのはめったにない。地方交流重賞のオッズを見ているかのようだ。

実オッズでは、抽選漏れの票が他に流れるだろうから、もうちょっと底上げされるだろうけど、9頭、もしくは8頭立ての評価は変わらないのではないか?

ミスエルテもダンビュライトもサトノアレスも当たり前だけど、上位グループにいる。予想人気は1・2・5人気。お手頃な人気だ。2週連続で1・2・3人気決着だなんて、それこそまっとうじゃない。おっと、ますますまっとうな方向に進んでしまった! やばい! もっと視点をずらさないと。

にしても、サングレーザーがポツンといるなぁ。

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#2 包装紙視点
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先週は社台系包装紙で非系(レーヌミノル)を包んだ。これで4週連続で何らかの包みには成功している。今週も同じ2歳戦だから社台系包装紙で包めるかチェックしてみる。

1人気 ミスエルテ    ノーザンF
2人気 ダンビュライト  ノーザンF
3人気 モンドキャンノ  ノーザンF
4人気 クリアザトラック ノーザンF
5人気 サトノアレス   社台F 
6人気 タガノアシュラ  非
7人気 レッドアンシェル ノーザンF
8人気 トラスト     非
9人気 アメリカズカップ 社台F

10人気 サングレーザー  追分F

11人気 レヴァンテライオン 非
12人気 ボンセルヴィーソ  非
13人気 トリリオネア    非
14人気 リンクスゼロ    非
15人気 ダイイチターミナル 非
16人気 トーホウドミンゴ  非
17人気 ブルベアバブーン  非
18人気 アシャカリアン   非
19人気 ビーカーリー    非
20人気 ヒロシゲグローリー 非
21人気 マテラレックス   非

上位グループ9頭中7頭が社台系生産馬。今週も包めそうだ。ミスエルテもダンビュライトもサトノアレスもみんな社台系生産馬だ! みんな合格だ!やったー! いや、これだと1頭は馬券圏外にもれてしまう。残念!いやこれでいい。ミスエルテ、ダンビュライト、サトノアレスの3頭の内、2頭が馬券圏内。このほうがまっとうだ。おっと、まっとうを恐れているのにさらにまっとうになってしまった。

こういう場合は、社台系包装紙に包まれそうな非系の馬を探すにかぎる。上位グループの非系の馬はタガノアシュラとトラスト。どちらも逃げか2番手か3番手を追走しそうな逃げ先行馬。

鞍上はレースを作るのが上手い武豊に、マイネル系の馬を逃げ先行で粘らせるのが得意な柴田大。ここ2年、逃げ先行馬が馬券になってないとはいえ、レース運び次第では残ってもおかしくない。阪神JFでは逃げ先行馬が残ることはよくある。逃げ先行は厳しいと思われるのなら、むしろお得だ。武豊がその空気を読まないわけない。

タガノアシュラは函館の洋芝を逃げ切って、京都の軽芝を逃げ切った。角4競馬を逃げ切るタイプかもしれないけれど、本当のところはまだわからない。乗り続けていたサングレーザーではなくタガノアシュラに騎乗するのだから、それなりの手応えはあるとみた!

トラストは、折り合いの練習中らしい。前走の東スポ杯では返し馬で引っかかって、そこでもう終わっていたとか。ダービーを狙っているそうで、ここでも折り合いの練習をするはず。武豊の後ろについて、ちゃんと折り合えたら、先週のチャレンジCのマイネルハニーみたいに頑張れるか?

(予想オッズとはいえ)社台系なのに包装紙に入れずポツンと佇むサングレーザーが気になるなぁ。

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#3 馬体重視点
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過去10年で馬体重480以上の馬が馬券に絡まなかった年はない。特に今年は牡馬に小粒感が満載だ。クラシック系限定馬体重好きとしては看過できないところだ(ちなみに阪神に移ってからのここ2年は全馬470以上。うち、480以上は6頭中4頭)

前走馬体重480以上の馬に★を、470台の馬に☆をつけてみた。

前走馬体重視点
1人気 ミスエルテ    458
2人気 ダンビュライト  464
3人気 モンドキャンノ  472 ☆
4人気 クリアザトラック 448
5人気 サトノアレス   496 ★
6人気 タガノアシュラ  506 ★
7人気 レッドアンシェル 440
8人気 トラスト     468
9人気 アメリカズカップ 460

10人気 サングレーザー   472 ☆

11人気 レヴァンテライオン 484 ★
12人気 ボンセルヴィーソ  468
13人気 トリリオネア    466
14人気 リンクスゼロ    465
15人気 ダイイチターミナル 430
16人気 トーホウドミンゴ  486 ★
17人気 ブルベアバブーン  486 ★
18人気 アシャカリアン   470 ☆
19人気 ビーカーリー    456
20人気 ヒロシゲグローリー 484 ★
21人気 マテラレックス   444

おっと、俄にニギニギしくなってきたぞ。
上位人気馬で★馬は2頭しかいない。☆馬とあわせても3頭しかいない。

モンドキャンノ  472 ☆
サトノアレス   496 ★
タガノアシュラ  506 ★

1人気のミスエルテも、2人気のダンビュライトも軽い。来ないとは言わないけれど、2頭ともに来るとは思いにくい。
しかも★馬の2頭は#2でも登場したサトノアレスとタガノアシュラだ。これは心強い!

ところで、今月発売の競馬王1月号は馬体重特集だ。馬体重順位、馬体重ローテ、馬体重 in WINTER、プラ・マイ馬体重など、馬券に直行する馬体重データ&テクニックが満載でとてもタメになる。2歳、3歳限定の馬体重好きな自分も強引にその仲間に入れさせてもらった。理由は、今年の3歳世代のディープインパクト産牡馬の馬体重別重賞ヒエラルキーがうっとりするほどきれいで、それをみんなで鑑賞したいと思ったからだ。

現3歳ディープインパクト産駒(10月まで)
牡馬重賞着順成績
500キロ以上 2-1-1-0 
498〜470  10-3-2-12 
468〜450  0-1-1-4
448〜430  0-0-2-3
429キロ以下 0-0-0-1 

重賞好走率
500キロ以上  50.0%  75.0%  100%(勝率・連対率・複勝率)
498〜470   37.0%  48.1%  55.6%
468〜450   0.0%  16.7%  33.3%
448〜430   0.0%  0.0%  40.0%
428キロ以下  0.0%  0.0%  0.0%

どんな産駒のどんな馬でも基本的にデカい方がいいし、前々からディープインパクト産はデカいほうがいいとは思っていたけれど、ここまで美しいヒエラルキーはなかった。産駒デビュー7年目にして、ようやく理想形が出来上がってきたようにも見える(3歳ディープ牝馬の驚くべき傾向については競馬王にてお願いします)。

2歳世代も3歳世代同様ならば、デカい馬が必ずしも強いわけではないけれど、デカくないと重賞には勝てないとは言える。

今回登録しているディープ牡馬は、3頭。
サトノアレス   前走496
サングレーザー  前走472
クリアザトラック 前走448

サトノアレスとサングレーザーは1着まで狙えて、クリアザトラックは走っても3着までとなる。特にサトノアレスは496で、朝日杯で頑張れる馬格にも該当する。やっぱり心強い。

サングレーザーはポツン・472か……。

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朝日杯FS注目馬
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サトノアレス
タガノアシュラ
トリリオネア

人気視点・包装紙視点・馬体重視点で残ったのは、
サトノアレス
タガノアシュラ

一番大事と思われる「戦歴視点」なし!うは!
まっとうじゃない! 
でも牝馬のミスエルテが出走して、1人気になりそうな年だ。ならばまっとうじゃない年という解釈でもいいのではないか。

そもそも天下の池江厩舎が1人気になることを承知で出走させると決めたのだから、どんな理由であれ、今年のメンバーは与し易しと捉えているのは間違いないだろう。ならばどんな視点でアプローチしてもありだ。それが週中の着地点。

トリリオネアは珍しく自分が新馬戦から買ってる馬。
父フランケルに注目が集まるけれど、父ドバウィだってヨーロッパでは凱旋門賞に何頭も送り込むような種牡馬だ。なのに日本では1400以下しか勝ち星がない。この馬も1400しか走ってなく、正直半信半疑だけど、どえらい予想オッズを見て、思わず忍び込ませてしまった。抽選を突破し、実オッズでもどえらい感じになっていたら、なんか買ってみたい。

ミスエルテについて
新馬もファンタジーも大楽勝したはずなのに馬体が戻らないから朝日杯FSに出走というのはどういうことなのか? ちょっと気になる。持ったままで大楽勝したはずなのにダメージが残ったかのようだ。ムチを使わないのは気性的問題のためで、使えないのではないか? 

ファンタジーSでは上がり1位で豪快な勝ち方をしたけれど、ノーステッキとはいえ同じ上がりを3着馬(ディアドラ)、4着馬(クインズサリナ)も繰り出していたのは気になる。
ファンタジーSを豪快に差した馬が阪神JFで不発になりがちなのも気になる。だからこそ、牡馬のペースを求めての出走かもしれないけれど、まだ抜けた末脚を披露したことのないのも事実だ(新馬も上がりは2位だった)。

本来は先行して、総合力で勝つ馬かもしれないし、ベストポジショニストの池江師も新馬のようなポジション(7-6-5)を指示するかもしれない。だからナイガシロにはしにくいけれど、軸で買わなくてもいいかな? 

サングレーザーは実オッズでもポツンなのかな? 気になるなぁ…………………。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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