■フェブラリーS(G1・東京ダ1600m)フルゲート16頭/登録26頭
【特注データ】〜レースデータより〜 フェブラリーSのデータで注目に値するのが、前走馬体重500キロ以上馬の強さである。ダートの頂上決戦だけあって、やはり「デカイほうが強い」という傾向がハッキリ。前走JRA出走馬を集計したデータでは、前走499キロ以下馬が1勝に対して、前走500キロ以上馬が7勝と、勝率にはきわめて大きな差が出ている。
また、「前走JRAにて馬体重500キロ以上で出走していた馬」は、人気サイドが異様なまでに強い。1番人気に推された馬はトータル[3-0-1-1]で勝率60.0%をマークしており、3番人気以内馬も[5-1-2-5]と絶好調だ。出走が叶いそうな今年の登録馬では、
ゴールドドリーム、
ベストウォーリア、
モーニンが、この条件をクリアしそう。3番人気以内と4番人気以下で信頼度は大違いなので、当日の人気をしっかりチェックしたい。
【コース総論】東京ダ1600m・コースの要所!
★1番人気の信頼度は「並」程度。最も妙味があるのは4〜6番人気の中穴。
★内枠の成績が不振。馬番1〜4番に入った馬はかなりの割引が必要となる。
★差せなくはないが強いのは先行勢。逃げ馬もイメージ以上に残っている。
バックストレッチの引き込み線からスタートだが、芝スタートで「外枠のほうが芝を走れる区間が長い」という特徴を持つ、東京ダ1600m。ダートG1が行われるコースであるにもかかわらず、芝でのダッシュ力も相当に求められる、いささか特殊なコースといえる。
1番人気の信頼度は「並」程度だが、2〜3番人気はなかなか好調。また、4〜6番人気の中穴ゾーンも好成績だ。どちらかといえば人気サイドが順当に強く、極端な穴狙いはオススメしかねるコース。2ケタ人気馬を狙うような場合は、2〜3着のヒモに限定したほうがベターかと思われる。
馬番別成績で目立っているのが、内枠の不振である。とくに低いのが勝率と連対率で、枠番値もマイナス0.5と飛び抜けた低さ。「外枠のほうが芝の区間を長く走れる」というコース形態が、大きく影響しているのだろう。単純な内外の比較でも明らかに「外>内」だが、外枠有利よりは「内枠不利」のほうがしっくりくる。人気馬が内枠に入った場合には、思いきって消しで勝負するのも面白そうだ。
脚質面は、思ったよりも先行勢優勢。直線の長い東京のダートだが、根岸Sでのカフジテイクのような追い込みは、そうそう決まるものではない。先行勢と中団待機組では、連対率で6%以上、複勝率では9%近くもの差があり、逃げた馬もけっこう3着以内に残っている。先行勢に軸足を置いた馬券のほうが、好結果を呼び込めそうである。
【レース総論】フェブラリーS(G1) 過去10年
・レースの要所!
★3番人気以内馬が[7-5-6-12]と高信頼度。2ケタ人気はかなり厳しい。
★外枠の強さはコースデータ以上。1ケタ人気馬は押さえるのが正解。
★先行勢がイメージ以上の強さ。ただし、最速上がりの馬も非常に強い。
★ダ1400mからの距離延長組はアテにしづらい。距離短縮組を重視!
2014年にはコパノリッキーが最低人気で1着に来ているが、過去10年のトータルで見ると、人気サイドが圧倒的に優勢。3番人気以内馬が[7-5-6-12]で複勝率60.0%、複勝回収率105%と好成績を残しており、対照的に2ケタ人気馬は[1-0-0-68]と、前述のコパノリッキー以外はすべて4着以下に沈んでいる。コースデータ分析でも述べたように、極端な穴狙いは避けたほうがベターだ。
そして枠番だが、こちらはコースデータ以上に外枠優勢。外枠である馬番13〜16番に入った馬は[5-4-2-29]と勝率、連対率のいずれも高く、ここ3年は連続で連対を果たしている。また、1ケタ人気馬に限定したデータでも、外枠の強さは歴然。平均人気と平均着順の差を見れば、いかに外枠が強いかが見てとれるはずである。
脚質データも、先行勢の強さが目立つ結果となった。コースデータよりもさらに先行勢が強く、4コーナー11番手以下から突き抜けたのは、2012年のテスタマッタくらいのもの。中団〜後方からでも2〜3着には来られるが、勝つのはかなり難しいと考えたほうがいい。軸馬は、4コーナー5番手以内のポジションが取れる馬から選ぶべきだ。
そして、根岸S組に代表される「前走ダ1400m戦組」がイマイチであるのも、絶対に押さえておくべきポイント。昨年は久々にモーニンが勝ったが、それでもトータル勝率は、わずか3.2%だ。信頼度、回収率のいずれも低く、かなり割り引いて考えたほうがいい出走パターン。過信は絶対に禁物といえる。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
ダート戦だが、凍結防止剤の散布があるかどうかは確認しておきたい。
・天候予測
週末まで降雨はなさそう。良馬場前提の予想で問題なし。
・注目血統
フジキセキ産駒◎、フレンチデピュティ産駒○、ゴールドアリュール産駒▲、プリサイスエンド産駒△
今年は週末にやたらと雪が降るが、今週の東京競馬場周辺は好天が続きそう。ダート戦で、日中の気温もそれほど低くはないので、馬場についてアレコレ考える必要はなさそうだ。また、血統面も「コレ」という存在は見当たらず、フジキセキ産駒やフレンチデピュティ産駒の成績が比較的良好といった程度。今年のフェブラリーSについては、馬場や血統といったファクターを軽視しても、とくに問題はないだろう。
★出走登録馬・総論×各論 ダート路線の一線級が顔をそろえたが、これがもう見事なまでに一長一短。前走で好走している馬が非常に少ないのも、今年の登録馬の特色といえる。なにしろ、ダート重賞を制してここに臨むのが、根岸Sを勝ったカフジテイクしかいないのだ。混戦模様であるのは間違いなく、そうそう順当には決着しないと思われる。
僅差でトップ評価となったのが、
ベストウォーリアだ。勝ち運に恵まれないレースが続いてるが、常に高いパフォーマンスを発揮している馬で、昨年も0秒2差の4着に来ている。冒頭の「特注データ」該当馬であり、先行できる脚質もプラス。東京ダートでの実績も問題なしと、信頼度はかなり高い。前走が根岸Sというのが大きな割引材料だが、それでも信頼したいと思わせるプロフィルの持ち主である。
ほとんど差のない二番手評価に、昨年の覇者である
モーニン。武蔵野Sが7着、チャンピオンズCも7着とひと息の結果が続くも、その力はまだまだ見限れない。もし当日に3番人気以内に推されるならば、「特注データ」の条件もクリア。得意の条件に戻って、大きな変わり身を見せる可能性は十分にある。
三番手評価に
アスカノロマン。前走の東海Sでは人気を裏切ったが、昨年のチャンピオンズCであわやの3着に粘ったのは、まだ記憶にも新しい。プロフィルに割り引くファクターは見当たらず、前々で流れに乗れる脚質やローテなど、プラス評価となった項目も多い1頭。人気を落としたここが、絶好の狙い目となるかもしれない。
四番手評価に
コパノリッキー。近走の不振でかなり人気を落としそうだが、4〜5歳時にこのレースを連覇した能力と適性の持ち主であり、決して軽くは扱えない。また、有力馬に差し・追い込み脚質が多く、展開面で有利そうなのも見逃せないポイント。武豊ジョッキーの絶妙な逃げで、「二度あることは三度ある」となるかもしれない。
以下は、ゴールドドリーム、サウンドトゥルー、カフジテイク、エイシンバッケン、ノンコノユメという評価順だが、枠番の影響が非常に大きいコース&レースなので、最終的な評価はここからかなり上下すると思われる。人気馬がそろって内枠を引くようなことにでもなれば、波乱度はさらにアップするはずだ。
■総論×各論・先週の馬券回顧
東京11レース 共同通信杯(G3)
1着 01スワーヴリチャード
2着 08エトルディーニュ
3着 04ムーヴザワールド
……スワーヴリチャードつええ(#^ω^)血統的にも完成にはまだ時間を要する──なんて思っていた1頭ですが、アレはお強い。混戦模様だった牡馬クラシック戦線の有力候補に名乗りをあげましたね。しかもこの馬、タイセイスターリーと同じく「特注データ」の該当馬だったんだよなあ。う〜ん、もっと高く評価しときゃよかった(反省)。
※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。
【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!