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道営ホッカイドウ競馬開幕

  • 2017年04月19日(水) 18時00分


まずまずのスタートを切ったと言えるだろう

 約半年間のシーズンオフを経て、4月18日(火)に道営ホッカイドウ競馬の今年度開催が開幕した。折から台風並みに発達した低気圧が日本海を北東に進み、当初の予報ではこの日の日高地方は大荒れになると言われていたが、午前中こそ強い東風が吹き荒れたものの、午後になって天候は曇りまで回復し、開催には支障のない天候となって無事に開幕を迎えることができた。
 
 開幕日は、まず全国一早い2歳戦である「スーパーフレッシュチャレンジ競走」(1200m)が第7レースに組まれており、今年は桑村真明騎手の騎乗する3番人気キタノシャガールが先行してそのまま逃げ切り優勝。世代の勝馬第一号となった。

 キタノシャガールは父フリオーソ、母ヴィジョンサクラ(その父ウイニングチケット)という血統の牡馬。馬主は(有)新生ファーム。角川秀樹厩舎所属で、生産は新ひだか町・米田牧場。3月16日に能力検定を受け、800mを50秒2のタイムで走破し6頭立て3着であった。

 このレースで1番人気となっていたのはディーエスパースン(父スマートボーイ)だが、5着に終わった。

 昨年の開幕日にも今年同様に全国一早い2歳戦が組まれ、当初8頭立てで実施予定であったが、直前に2頭が出走取消で、結局6頭立てのレースになった。今年は9頭立ての予定で、昨年と比較すると頭数が揃ったわけだが、やはり直前になって1頭が取消し8頭立てで実施された。この時期に寒冷地である北海道で2歳馬を仕上げ、無事に出走まで漕ぎつけるのはなかなか大変なことなのである。

 さて、開幕日のメインは恒例の「北斗盃」(1600m)。今年で第41回目を迎え、副賞はダンカーク賞。3歳3冠路線の第一弾として開幕日に実施される重賞レースである。

北斗盃パドック風景

北斗盃パドック風景

 今年は、岩手からベンテンコゾウがはるばる遠征してきて、地元の3歳一線級と争うことになった。出走馬は13頭。昨年以来、シーズンオフを休養に充ててこのレースに向け調整してきたのが8頭。中央からの転厩が1頭。南関を転戦してきた馬が3頭という内訳である。岩手のベンテンコゾウは前走が3月18日の奥州弥生賞(水沢)を制し、ここに照準を合わせてきた岩手の3歳ナンバーワンで、実績を評価され、ここでも1番人気に支持された。

ベンテンコゾウの返し馬

ベンテンコゾウの返し馬

 門別競馬場は、夜になってから時折小雨がぱらつく天候になったが、強い降り方にはならない。やや肌寒くはあるが、風も弱く、馬場も稍重程度で済んでいる。

 午後8時40分。北斗盃が定刻通りスタートした。各馬が一斉に直線を疾走して行く。2番スカイロックゲート(岩橋勇二)、13番モンサンルリアン(宮崎光行)、3番ポリカ(阿部龍)、そして10番ベンテンコゾウ(村上忍)が続いて1コーナーに向かう。

北斗盃1周目

北斗盃1周目

 スカイロックゲートが先行するのを射程距離に捉え3コーナーから4コーナーを回ってきたベンテンコゾウは、直線に入ると先頭に立ち、楽な手応えのまま、余力十分でゴール板を駆け抜けた。ゴール前100メートルからは、村上忍騎手が後続馬を振り返りながらの騎乗で、危なげない勝ち方であった。

北斗盃ゴール前

北斗盃ゴール前

 2着は3番人気ストーンリバー(五十嵐冬樹)、3着にバリスコア(服部茂史)という着順であった。

レース後のベンテンコゾウ

レース後のベンテンコゾウ

ウイナーズサークルに向かうベンテンコゾウ

ウイナーズサークルに向かうベンテンコゾウ

 優勝したベンテンコゾウは、父サウスヴィグラス、母スタートウショウ(その父スキャターザゴールド)という血統の牡3歳馬。岩手の菅原勲厩舎所属。馬主は大久保和夫氏。生産は新ひだか町・土田和男氏。2015年サマーセールにて605万円で落札された馬である。

北斗盃口取り

北斗盃口取り

ベンテンコゾウの関係者

ベンテンコゾウの関係者

 なお、ベンテンコゾウはこれで昨年11月13日南部駒賞以来、重賞4連勝となり、通算成績を7戦6勝とした。獲得賞金は1604万円。ホッカイドウ競馬の3歳3冠路線には成績に応じてボーナスが交付されることになっており、同馬の今後のローテーションが気になるところ。

 この日の門別競馬場は開幕を待ちかねていたファン975人が集まり、全11レースを観戦し楽しんだ。売り上げは2億6218万円。昨年の開幕日と比較すると、入場人員こそ211人少ないが、売り上げは3600万円余上回り、まずまずのスタートを切ったと言えるだろう。

 これからホッカイドウ競馬は11月9日までの全80日間開催される予定だ。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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