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枠番と人気次第も現時点では順当!/天皇賞・春

  • 2017年04月26日(水) 18時00分

■天皇賞・春(G1・京都芝3200m外)フルゲート18頭/登録19頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 最後の直線が長い京都芝の外回りコースだが、意外なほど差せないのが天皇賞・春というレース。詳しくはレースデータの項で解説するが、4コーナーを先頭で回った馬の半数が馬券に絡んでいるほどに、前が残っているのである。芝の長距離戦となると、つい差し馬を重視したくなるが、コレはけっこう危険なのだ。

 それを裏付けるのが、前走での4コーナー通過順位別成績。過去10年の勝ち馬はすべて、前走で4コーナーを「6番手以内」で通過している。この条件を満たさないアルバート、シャケトラ、ディーマジェスティ、レインボーラインといった登録馬が1着に来るのは、かなり厳しいと考えるべき。逆にキタサンブラック、サトノダイヤモンド、シュヴァルグランなどは、信頼が置ける人気馬といえる。

 さらに注目すべきは、前走で4コーナーを「6番手以内」で回っていた馬の、枠番による成績差だ。これらの馬が内枠である馬番1〜6番に入った場合は、複勝率34.3%、複勝回収率333%という高期待値。波乱の立役者となるケースが多いだけに、人気馬はもちろんのこと、かなりの人気薄でも必ず押さえておくべきである。

【コース総論】京都芝3200m外 Cコース使用

※今回は「京都芝2200m〜3200mの外回りコース」を集計対象としています

・コースの要所!

★人気薄の好走率が高いコース。とくに狙い目は中穴である4〜6番人気。
★圧倒的に内枠有利。信頼度だけでなく回収率や枠番値も超優秀な内容。
★イメージよりもはるかに前有利。後方に置かれるとその時点でアウト。





 京都芝3200m外は施行レース数が非常に少ない条件。というか、天皇賞・春の専用コースである。レースデータ=コースデータとなってしまうので、いささか雑なデータになってしまうが、今回は京都芝2200m〜3200mの「外回り」を集計対象とした。正確さに欠ける部分はあるが、それでも傾向をつかむのには十分役立つはずだ。

 1番人気の信頼度は「並」以下で、全体的に人気薄の好走例が目立つコース条件。超大穴である13番人気以下も、7回の馬券絡みがある。10〜12番人気との成績差が小さいので、思いきってココを狙う手もありそうだ。いちばん妙味があるのは4〜6番人気で、こちらは複勝率28.4%と信頼度の高さも十分である。

 次に枠番別成績だが、こちらはイメージ以上に内枠有利。勝率、連対率、複勝率のいずれも飛び抜けており、回収率も大台である100%を余裕でオーバーしている。平均人気が8.9と高いのも事実だが、平均着順8.1で枠番値プラス0.8と、人気以上の結果を残しているのだから、内枠の有利さを疑う余地なし。中枠と外枠の差はそれほどないので、内枠だけをプラス評価するのが正しいと思われる。

 脚質面もイメージ以上に先行勢が優勢。直線の長い京都芝の外回りコースだが、4コーナー13番手以下から追い込んだ馬はほとんどいない。中団から差すのですら容易ではなく、好位にいるのが勝ち負けの必要条件といっても過言ではないほど。上がり最速〜2位の馬は好成績だが、それでも軸足を置くべきは間違いなく先行勢だ。

【レース総論】天皇賞・春(G1) 過去10年

・レースの要所!

★1番人気は壊滅状態も2〜4番人気は絶好調。ひねって買うのが正解。
★コースデータ以上に内枠有利。近年この傾向がさらに強まっている。
★3着以内馬の7割以上が4角を6番手以内で通過。完全に先行勢が優勢。
★大阪杯からのローテや、中央プロパーの関東所属騎手が非常に強い。








 レースの平均配当は単勝2660円、馬連1万3514円、3連複5万6055円という「超」高水準。その要因は、1番人気が過去10年[0-0-1-9]とボロ負け状態であることだ。最後に馬券絡みしたのは2008年のアサクサキングスで、以降は掲示板に載るのさえ少ないほどの負けっぷり。「今年こそ大丈夫」とみるか「今年も危ない」とみるかで、馬券の買い方はかなり変わってきそうだ。

 対照的に絶好調なのが2〜4番人気で、こちらはトータル[7-7-3-13]で連対率46.7%、複勝率56.7%、複勝回収率163%という素晴らしい成績。1番人気がとんでもなく弱いだけで、人気サイドが全体的に弱いワケではない。ここが必ず1頭は馬券に絡むという前提で、3連複や3連単のフォーメーションを組むのも面白い。人気薄の好走率も高いレースなので、相手はかなり手広く拾いたいところである。

 枠番は、コースデータ以上に内枠有利。馬番1〜6番の平均人気は9.6ともっとも低いのだが、平均着順7.8で枠番値プラス1.8という驚異的な結果が出ている。当然ながら回収率も単勝404%、複勝229%という強烈な高さで、ここはもう「すべて買う」のが正解。また、外枠である馬番13〜18番に入った馬が、枠番値マイナス2.3と大ゴケしているのも、ぜひ覚えておきたいポイントだ。

 そして脚質も、コースデータ以上に前が優勢。昨年も逃げたキタサンブラックが勝ち、好位にいたカレンミロティックが2年連続で激走している。過去10年の勝ち馬はすべて4コーナーを6番手以内で通過しており、2〜3着も過半数が先行勢。最悪でも「中団より前」で4コーナーを回れる馬でなければ、勝ち負けできないと考えるべきだ。

 次に年齢別だが、7歳以上の高齢馬は大幅な割引が必要。カレンミロティックのような例外も存在するが、トータルで見ると完全に「6歳以下>7歳以上」である。4〜6歳での成績差は小さいので、6歳以下であればオッケイだ。そしてローテ面については、前走で大阪杯を使われていた組が絶好調。大阪杯が今年からG1に格上げされたことで、この傾向はさらに強まる可能性が高い。

 そして最後に騎手関連データだが、天皇賞・春はなぜか「JRAプロパー騎手」が強いレースだったりする。とくに優秀なのが関東所属のJRAプロパー騎手で、[2-1-1-2]の蛯名ジョッキーを筆頭に、好走&激走を連発。「人気薄&関東のJRAプロパー騎手」の組み合わせは、人気薄でも要警戒といえる。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 引き続きCコース。先行での押し切り&好位差しが決まりやすい状況か。

・天候予測
 木曜日以降は週末まで好天が続きそう。良馬場前提の予想でオッケイ。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎

 先週に引き続き、今週もCコースで開催される京都の芝。先週の競馬は、先行から早めに抜け出しての押し切りや、好位からのチョイ差しで好走した馬が多かった印象だ。そうそう簡単に差せる馬場ではなく、やはり中団よりも前のポジションが欲しいところ。コースやレースの傾向も「前有利」なので、なおさらである。

 種牡馬別では、ディープインパクト産駒だけをプラス評価。キングカメハメハ産駒やハーツクライ産駒、ハービンジャー産駒なども成績はいいのだが、プラス評価するには少し足りない感じなので、あえて据え置いた。ディープインパクト産駒にとって、軽い京都の芝はまさに「庭」。その強烈なまでの適性の高さを、ここは素直に信頼したい。

★出走登録馬・総論×各論

 19頭がエントリーする今年の天皇賞・春だが、残念ながらカレンミロティックが裂蹄で回避。トウシンモンステラもメトロポリタンSに向かうとのことで、最大でも17頭立てになりそうだ。フルゲートは割れたが、キタサンブラックとサトノダイヤモンドという古馬のトップに、シャケトラ、シュヴァルグランなど実力馬が揃っているなど、なんとも楽しみな一戦となりそう。本命党も穴党も楽しめる、注目のレースである。

 netkeiba.comにおける予想オッズは、キタサンブラックとサトノダイヤモンドによる完全な「二強」オッズ。有馬記念ではサトノダイヤモンドが先着したが、同斤量の今回はキタサンブラックが逆転する──と考える人も多そうだ。また、枠番の影響が非常に大きなレースであるのは、前述した通り。二強がどのような枠番を引き当てるかによっても、結果は大きく変わってきそうだ。

 当データ分析のトップ評価は、現時点ではキタサンブラック。現時点では──と前置きしたのは、枠番と人気がどうなるか読めないからである。「内枠かつ2番人気」であれば不動の本命だが、これが「外枠かつ1番人気」になると、信頼度はガクンと落ちるはずだ。とはいえ、プロフィル的に戴冠の最右翼であるのは間違いなく、プラス評価となったファクターの多さは圧倒的。連覇が達成される可能性は、非常に高いとみている。

 二番手評価にサトノダイヤモンド。とはいえ、こちらもキタサンブラックと同様に、枠番と人気次第で評価は大きく変わる。操縦性の高さから外枠に入っても問題なさそうなタイプではあるのだが、内枠のほうがベターであるのは間違いなし。ディープインパクト産駒という「強み」もあるが、それでもキタサンブラックを再び上回れるかどうかは、どの枠に入るかにかかっている。

 三番手評価は、前走での大敗で評価を大きく落とすであろう、ゴールドアクターだ。なんとも不可解な負け方だったが、折り合いを欠いて12着に敗れた昨年の天皇賞・春のように、たまに「ポカ」があるのがこの馬。鞍上が「関東のJRAプロパー」である横山典ジョッキーに乗り替わる予定というのが、いかにも怖い。あっさり巻き返してくる可能性もあるとみて、ここは大いに注目したい。

 四番手評価にシュヴァルグラン。昨年は差す競馬で3着だったが、もっと前の位置で競馬ができていれば──と悔やまれる内容だった。昨年のジャパンカップで3着、前走の阪神大賞典でも2着と、さらに力をつけてきた印象もある。「二強」を逆転するのは難しいかもしれないが、それでも侮れない存在であるのは間違いなし。より積極的な競馬で、大タイトルの奪取を目指したい。

 以下は、アドマイヤデウス、シャケトラ、ヤマカツライデン、トーセンバジル、タマモベストプレイという評価の序列。枠番によって評価はここから大きく変わるが、現段階では「順当決着」という見立てとなった。アドマイヤデウスとヤマカツライデンに人気薄での一発を期待したいが、この強力な相手関係での過剰な期待は禁物だろう。


■総論×各論・先週の馬券回顧



東京11レース フローラS(G2)
1着 01モズカッチャン
2着 07ヤマカツグレース
3着 14フローレスマジック

注目穴馬が2頭とも除外(#^ω^)ビキビキ

というわけで、トップ評価だった05ホウオウパフュームから「馬番1〜6番の前走芝1800m以上組」に流してみました。コレで見事に01モズカッチャンは拾えたんですが……肝心の軸馬がどっかいったヨネ(呆然)。う〜ん、なかなか噛み合ってくれませんなあ。

※コース&血統データは2010年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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