◆無事にオープンの運びとなりました
今回は、箸にも棒にもかからない(?)データ予想をひと休みして、先週22日にJRA競馬博物館(東京競馬場内)で始まった「競馬と鉄道展」のPRをさせていただきます。
今年2月25日更新の当コラムで開催を予告していましたが、おかげさまで無事にオープンの運びとなりました。私が企画を持ち込んで実現した特別展。初日の午前中にちょっとのぞいてみたら、なかなかの出来栄えになっていて、自己満足しています。
目玉となる展示品は、鉄道会社が賞を寄贈しているレースの優勝カップや肩掛け。京王杯、京成杯、京阪杯、阪急杯、名鉄杯に加え、地方の京浜盃(大井)、京成盃(船橋)にまつわるものが勢揃いしています(一部はオープンに間に合いませんでしたが、近々揃う見込み)。競馬と鉄道との縁の深さを象徴する展示で、現存するすべての鉄道会社杯(盃)を一堂に集めたのは初めてのことです。
そのほかでは、昔の鉄道沿線案内図も多く展示されています。京王のそれは、まだ東京競馬場が“建設予定地”になっていて、府中競馬正門前駅はもちろん、東府中駅(はじめは競馬場前臨時駅として開設されました)もない時代に製作されたもの。京成の路線図では、東中山駅の表記がその前身の競馬場前になっています。
また、今では競馬との縁が薄れてしまった小田急や西武などの昔の路線図もあります。かつて、それらの沿線にも競馬場があり、時には競馬場前臨時駅も設置されたこともあるので、展示品に加えました。
今のように、プロ野球やJリーグなどのスポーツイベントや人気アーチストのコンサートなどがなかった時代に、競馬は、鉄道会社にとって大勢の乗客の利用を見込める一大事。さらにその頃は、競馬場への往復にも鉄道が最も便利な交通手段でした。自家用車が普及する前の話ですからね。沿線案内図に競馬場の表記が目立つのは、そういう時代を反映しているわけです。
今回の特別展では、国内にとどまらず、海外の競馬場駅も取り上げました。これまで私が見て歩いた世界の競馬場の中から、鉄道駅が隣接しているところをピックアップ。一部を写真付きで解説しています。とくに、その昔は巨大なターミナルだったことを示すイギリス・エプソムダウンズ駅の古い写真は必見です。
ふだん電車を使って競馬場に通われている競馬ファンの方はもちろんですが、鉄道ファンの方にも楽しんでいただける内容になっています。担当の馬事文化財団・秋永和彦学芸員によると、「これを機に昔の路線図など、けっこうおもしろいものが数多く集められた」とのことで、8月27日までの会期途中には展示替えも行われる予定。1度だけでなく、2度3度と見に行っていただければ幸いです。来月14日(日)には記念のトークショーも行いますので、どうぞよろしく!