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内枠有利のコースデータを信頼!/CBC賞

  • 2017年06月28日(水) 18時00分

■CBC賞(G3・中京芝1200m)フルゲート18頭/登録18頭


【特注データ】〜レースデータより〜




 現在の開催条件となってから、今年で6年目となるCBC賞。まだデータ母数が不足しているのは否めないが、それでも注目したいのが、前走着差による成績差だ。前走で出走していたクラスやレースなどを問わず、前走で勝っているか、勝ち馬からの着差が0秒5差以内であることが、ここでの好走条件なのである。

 この条件を満たす馬は、トータル[5-3-3-23]で連対率23.5%、複勝率32.4%という好成績を残している。対照的に、前走が着差0秒6以上での敗戦であった馬は[0-2-1-38]で連対率4.9%、複勝率7.3%という低調な成績に終わっている。つまり、人気になりそうなメラグラーナやタイムトリップが、けっこう危なっかしいのだ。

 また、前走1着〜着差0.5以内負けの馬でも、「距離短縮組」がとくに期待できるのも強調しておきたい。こちらはトータル[4-2-1-6]で複勝率53.8%、複勝回収率158%という素晴らしい結果。前走1200m戦出走組とは比較にならないほど期待値が高いのである。今年の登録馬でこの条件をクリアするのは、エイシンスパルタンシャイニングレイティーハーフトウショウドラフタトーセンデュークメイソンジュニアの6頭。頭数が多いので、ここから別のデータでさらに絞り込みたいところだ。

【コース総論】中京芝1200m Aコース使用

・コースの要所!

★1番人気の信頼度は「並」程度。中穴を狙っていくのが儲かりそう。
★ハッキリ内枠有利&外枠不利。外枠は大幅に評価を割り引くべき。
★差しも決まるが先行脚質のほうがベター。逃げ馬も高確率で残る。






 高松宮記念が行われるコースでもある、中京芝1200m。1番人気の信頼度は「並」程度だが、それ以外の人気サイドはなかなか頑張っている。対照的にイマイチなのが、ふたケタ人気の超人気薄。トータル[3-4-9-441]で複勝率3.5%、複勝回収率50%と成績は低空飛行で、リスクは大きくリターンは小さい。穴を狙うなら、4〜6番人気や7〜9番人気の中穴を狙うべきだろう。

 次に枠番だが、これはハッキリと内枠有利&外枠不利。内枠である馬番1〜6番は高信頼度であるだけでなく、複勝回収率も86%ともっとも高く、さらに枠番値もプラス圏内と、文句なしに優秀な内容だ。逆に外枠である馬番13〜18番は「酷い」といっても過言ではない成績の悪さで、人気馬が入った場合でも過信は禁物。評価は、かなり割り引いて考えたほうがいい。

 脚質面では、逃げた馬の好成績が目立っている。直線が長く坂もあるので差し有利になりそうなものだが、前が止まりそうで止まらないのがこのコース。能力や展開次第で差しも決まるが、有利な流れに持ち込みやすいのは、やはり展開を作る先行勢である。軸馬には必ず、ある程度は前のポジションが取れる馬を選びたい。

【レース総論】CBC賞(G3) 過去5年

・レースの要所!

★3番人気以内馬が[4-3-4-4]と成績優秀。人気薄の激走は望み薄か。
★コースデータとは正反対で内枠が大不振も、信頼すべきはコースデータ。
★差し優勢だが追い込みは届かず。夏の重賞らしく、牝馬も好成績。
★前走でG1やG2に出走していた5歳馬が優勢。勢いよりも格を重視。









 レースの平均配当は、単勝604円、馬連3870円、3連複9886円と、総じて低めの水準。3番人気以内馬がトータル[4-3-4-4]で複勝率73.3%、複勝回収率141%という素晴らしい成績を残しているのだから、こうなって当然である。7番人気や10番人気での好走例もあるが、基本的には人気サイドが強いレースといえる。

 枠番データは、先のコースデータとは真逆の結果となった。なぜか内枠が連対率3.3%、複勝率10.0%と大不振で、成績がいいのは「外>中>内」という順番に。しかし、これは単なる「成績の偏り」だと思われる。これを理由に外枠が売れるようであれば、願ったり叶ったり。枠番について信頼すべきは、間違いなくコースデータのほうだ。

 脚質も「差し優勢」とのデータが出ているが、枠番データがアテにならないのと同様に、こちらも過信は禁物。とはいえ無視もできないので、脚質については「後方に置かれそうな馬だけを割り引く」というスタンスが正しいと思われる。次に年齢別成績だが、こちらはけっこうアテにできそう。馬券に絡んだ馬の大半を5歳馬が占めているというのは、予想でも重視したいポイントである。

 前走クラス別成績では、G1やG2に出走していた実績馬が好成績。夏の重賞なので「格よりも勢い」と思ってしまいがちだが、CBC賞は「勢いよりも格」のレースなのだ。その裏付けともなるのが出走間隔別の成績で、詰めて使われる馬ではなく、ゆったりしたローテで臨む馬のほうが好成績。高松宮記念からの中13週も、まったく問題がないどころかプラスとなる。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 開幕週のAコース。芝が綺麗に生えそろった絶好の馬場コンディション。

・天候予測
 土曜日が雨予報だが日曜日には天候回復。含水量が多めの良馬場か。

・注目血統
 シンボリクリスエス産駒◎、オレハマッテルゼ産駒○。

 3月以来となる中京開催。梅雨にしては降雨量が少なめでもあり、芝の生育はかなりいいはずだ。綺麗に生えそろった絶好の馬場コンディションで、速い時計が出そう。函館の開幕週が、洋芝とは思えない超高速馬場だったのを考えると、この中京も超がつく高速馬場でスタートする可能性が十分にある。天候が気になるが、土曜日の雨は長くは降り続かず、日曜日には良馬場に回復していると思われる。

 血統面は、シンボリクリスエス産駒とオレハマッテルゼ産駒をプラス評価。出走回数わずか11回のオレハマッテルゼ産駒だが、この好成績が特定の馬の活躍で出されたものではないことから、高いコース適性を有していると判断した。ここでオウノミチが好走できるかどうかはともかく、覚えておいて損はない血統データだろう。

★出走登録馬・総論×各論

 18頭がエントリーし、このままいけばフルゲートで開催されそうな今年のCBC賞。多頭数のハンデ戦という時点で荒れそうだが、意外に堅く決まる傾向にあるのは、これまでにも説明した通りである。実績馬=ハンデを「背負っている」組が順当に強く、とくに牡馬はその傾向が強いのが、このレースである。

 ……と言いつつ、トップ評価はハンデ53キロのメイソンジュニアとした。冒頭の「特注データ」対象馬で、さらに5歳以下であることや、前走でG2に出走していること、先行力があることなど、プラス評価となった項目が非常に多い。あとは、内枠を引いて2〜4番人気にでもなってくれれば、鬼に金棒だ。

 二番手評価にエイシンスパルタン。6歳馬であるのがマイナス材料だが、それ以外はプラス評価がズラリと並ぶ。行こうと思えばハナにでも行けるスピードの持ち主で、一線級と戦ってきたキャリアも文句なし。ハンデが56キロであることを考えると、こちらをトップ評価とする手もあった。それくらい、僅差の二番手である。

 三番手評価にシャイニングレイ。超長期休養明けを二度叩かれて、前走の安土城Sで素質馬が復活を遂げた。前走がオープン特別であるのは割引だが、同時に「5歳馬」という、レースデータにおける強調材料も持ち合わせている1頭。適度な人気で1番人気にはならなさそうなのも、このレースに関してはプラスといえる。

 以下は、アルティマブラッド、トウショウドラフタ、トーセンデューク、メラグラーナ、アリンナ、タイムトリップ、ティーハーフという評価の序列。ただし、外枠に入った馬の評価はここから大幅割引だ。コースデータを信頼して、内枠重視の姿勢を最後まで貫き通したい。


■総論×各論・先週の馬券回顧




阪神11レース 宝塚記念(G1)
1着 11サトノクラウン
2着 02ゴールドアクター
3着 08ミッキークイーン

馬券下手のコーナー!(#^ω^)ビキビキ

 No.1予想は○▲のタテ目で痛恨のハズレ。そしてこちらは、11サトノクラウンが勝つも10キタサンブラック大敗でハズレ。競馬って怖いな……と改めて思った次第ですよ。どんな実績馬であっても過信禁物なのだと、魂に刻み込んでおきたいっすね(大後悔時代)。それにしても負けすぎだよ、今年の上半期!

※コースデータと血統データは2014年以降、レースデータは2012年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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