■関屋記念(G3・新潟芝1600m外)フルゲート18頭/登録17頭
【コース総論】新潟芝1600m外 Aコース使用
・コースの要所!
★1番人気が高信頼度。7〜9番人気や10〜12番人気の激走率も高め。
★枠番の内外を気にする必要はほとんどなし。フラットなコース。
★最後の直線は長いが意外に差せない。好位から差す馬がベスト。
新潟芝1600m外は、直線を走る距離が非常に長いコース。スタートから最初のコーナーまでが約550mで最後の直線が659mと、なんと1600mのうち1200m以上が直線部分である。こういうコース形態だけに紛れは起きづらく、最初のコーナーまでが長いので枠番による影響もかなり小さめ。競走能力をキッチリ発揮しやすいコース形態といえる。
それもあってか、目立つのが1番人気の強さだ。フルゲート18頭のレースにおいても、トータル[21-16-9-24]で勝率30.0%、連対率52.9%という高い信頼度を誇っており、回収率も単勝85%、複勝94%とハイレベル。積極的に狙う価値アリの内容といえる。あとは、7〜9番人気や10〜12番人気も好内容で、ここは1番人気から穴へと流す「ヒモ荒れ」パターンを狙うのが面白い。
次に枠番だが、内であろうが外であろうがほとんど関係ナシ。もちろん、レース開催時における馬場バイアスの影響は受けるが、マクロな視点で見ると、内外の差は非常に小さなものである。枠番値にも大きな差は見られず、人気通りの着順に来る確率が非常に高いコースと結論づけていいはずだ。
ややイメージと異なるのが脚質面。最後の直線が長い新潟芝の外回りだと「差し優勢」と思われがちだが、実際に勝率が高いのは先行勢。もちろん、中団からの差しや後方からの追い込みも時には決まるが、平坦で先行勢の脚色がなかなか衰えないため、速い上がりを繰り出しても届かないケースが多いのである。最速上がり馬の単勝回収率が100%以下であるのが、その証明。「先行策からソコソコの末脚を使える馬」のほうが期待できる。
【レース総論】関屋記念(G3) 過去10年
・レースの要所!
★6番人気以内[10-9-4-37]と人気サイドが強い。過度の穴狙いは禁物。
★コースデータとは異なり外枠の強さが目立つ。内容も優秀で要注目。
★先行勢の強さはコースデータ以上。一気の脚で突き抜けるのは困難。
★ゆったりしたローテの5歳以下馬が好成績。斤量差の影響は小さめ。
サマーマイルシリーズの第2戦となる関屋記念。レースの平均配当は、単勝671円、馬連2122円、3連複1万689円とかなりの低さである。それもそのはずで、3番人気以内[6-6-3-15]、6番人気以内[10-9-4-37]と、上位人気に推された馬がしっかり結果を出している。過度の穴狙いは禁物で、高配当を狙うにしても、2〜3着がやや紛れるパターンに絞ったほうが良さそうである。
次に枠番だが、こちらは開催時期の影響か、それとも展開による影響なのか、コースデータとは大きく異なる結果が出ている。平均人気がもっとも低いにもかかわらず、外枠である馬番13〜18番が連対率17.5%、複勝率22.5%と絶好調。対照的に、内枠である馬番1〜6番は不振が目立つ。単純に内外を比較したデータでも完全に「外>内」で、回収率の差は単複ともに2倍以上。さすがにこれは、レースデータ重視のほうがいい。
そして、脚質別成績でもコースデータとはいささか異なる傾向が見られる。過去10年の勝ち馬のうち、7頭までが4コーナーを6番手以内で回っていた先行勢。連対馬も過半数が先行勢と、前有利であるのは変わらない。しかし、中団待機組の信頼度がもっとも低く、後方から追い込んだ馬のほうが好成績なのである。行くかタメるか、両極端な競馬のほうが好結果に結びつくレースといえるかもしれない。
年齢別では、伸び盛りの若駒に注目。4歳以下馬が出走してくるケースは少ないのだが、トータル[3-4-3-16]で連対率26.9%、複勝率38.5%と信頼度の高さは文句なしだ。逆に高齢馬の成績は低空飛行で、5歳以下馬が連対馬の8割を占めている。若くて勢いのある馬を重視すべきレースであるのは、間違いない。
前走距離別では、芝1400mからの距離延長組と、芝2000mからの距離短縮組が侮れない存在に。あとは、中8週よりも長いゆったりしたローテで出走する馬が好成績であるのも、このレースの大きな特徴といえる。「出走間隔が中8週よりも長い前走芝1400m&芝2000m組」に限れば、トータル[2-2-3-4]で複勝率63.6%、複勝回収率252%という高期待値。今年の登録馬でこれに該当するのは、ムーンエクスプレスとロサギガンティアの2頭である。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
引き続きAコース。馬場に傷みは見られず時計も速い良好な芝コンディション。
・天候予測
土曜日の降水確率が高いが日曜日には天候回復。良馬場となる可能性が高そう。
・注目血統
ディープインパクト産駒◎、フジキセキ産駒○、ステイゴールド産駒▲、ゼンノロブロイ産駒△
2週が経過した夏の新潟開催だが、芝コースに大きな傷みは見られず、良好なコンディションをキープしている様子。外回りで行われた2歳新馬戦はいずれも、勝ち馬の上がりが32秒台だった。このままの馬場ならば、関屋記念では道中のペース次第で、上がり31秒台が出そうな勢いである。
血統面では4頭の種牡馬をピックアップ。一応はディープインパクト産駒をトップ評価としたが、これは相対的なもので、絶対的なコース適性はそれほど高くないと思われる。なぜなら、1着14回に対して2着28回と、取りこぼしているケースがあまりに多いからだ。ダノンプラチナも、1着ではなく2〜3着で狙ったほうが面白いかもしれない。
★出走登録馬・総論×各論 どうやらムーンエクスプレスが回避するようなので、このままいけば16頭立てになりそうな今年の関屋記念。netkeiba.comでの予想オッズは、メートルダールが単勝4.5倍で1番人気と、波乱の気配が漂っている。とはいえ、堅く決着する傾向が強いレースであるのは解説した通りで、大荒れまではどうか──というのが現時点での印象だ。
トップ評価は
ロサギガンティア。netkeiba.comでの予想オッズでは現在14番人気という評価の低さだが、さすがにこれほど人気薄にはなるまい。プラス評価となった項目の多さは大きな魅力で、割り引く材料も6歳という年齢くらいのもの。外枠にでも入れば、かなり面白い一戦となりそうだ。当日のオッズ次第では、けっこう力を入れて買いたい。
二番手評価に
メートルダール。M.デムーロ騎手がブラックムーンではなくこちらに乗るというのは、将来性の高さが買われてのことだろう。昇級戦だが2走前には重賞で好走しているように、その能力はここに入っても遜色なし。伸び盛りの4歳馬で新潟向きのキレ味も十分という、いかにもここで好走しそうなタイプといえる。
三番手評価に
ロードクエスト。前走のパラダイスSでは5着に敗れたが、7ヵ月の休養明けだったことを考えればまずまずの内容。久々を叩かれた上積みに、芝1400mから得意の芝マイルへの距離延長となれば、大幅な前進があって当然だ。池添騎手の継続騎乗もプラス評価の対象で、ここは狙い時である。
以下は、ウインガニオン、ヤングマンパワー、マルターズアポジー、マイネルハニー、オールザゴー、ダノンプラチナという評価の序列。人気の一角となりそうなブラックムーンは、プラス評価となった項目がほとんどないため、ここは「消し」での勝負をオススメする。上位評価組がうまく外枠に入ってくれれば、文句なしに「買い」となるはずだ。
■総論×各論・先週の馬券回顧
新潟11レース レパードS(G3)
1着 02ローズプリンスダム
2着 09サルサディオーネ
3着 05エピカリス
コレは難しかった(#^ω^)ビキビキエピカリスの状態がどうもイマイチに思えたので、NO.1予想では「喧嘩を売る絶好のチャンス」と押さえ評価にとどめた──とはいえ、アレなら前が開けばおそらく勝ち負けだったはず。いずれにせよ、中途半端な予想&馬券になってしまったデスネ(反省)。現3歳世代のダート路線、コレで評価が難しくなったなあ……。
※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。
【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!