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今年はチョイ荒れ狙いが正解!/札幌記念

  • 2017年08月16日(水) 18時00分

■札幌記念(G2・札幌芝2000m)フルゲート16頭/登録13頭


【コース総論】札幌芝2000m Cコース使用

・コースの要所!

★1番人気が高信頼度も儲かるのは4〜6番人気の中穴。適度に荒れるコース。
★明確に内枠有利&外枠不利のコース。馬番1〜4番は人気薄でも軽視禁物。
★先行勢が優勢。中団からの差しは相応に決まるが後方では間に合わない。





 札幌競馬場の芝コースをフルに使う、芝2000m。4コーナー奥のポケットがスタート地点で、最初のコーナーまでの距離も約380mと、それなりに長さがある。コースの形態自体は函館に似ているが、大きく異なるのはコーナーが大回りであること。コーナーで加速しつつ後方からマクリを打つような競馬は、函館よりも格段にやりやすいはずだ。

 まず人気別だが、1番人気は勝率26.7%、連対率55.6%と高信頼度。ただし、上位人気馬全体の成績がいいわけではないので注意が必要だ。注目すべきは4〜6番人気の活躍で、勝率、連対率、複勝率のいずれもハイレベル。回収率ベースの数値も高く、ここから入る馬券がもっとも「儲かる」印象である。また、意外に人気薄の好走率が高いのも、このコースの特徴。10〜12番人気あたりなら十分に狙える内容である。

 続いて枠番だが、これはハッキリと内枠有利・外枠不利。複勝率ベースで比較すると、内枠である馬番1〜4番だけが飛び抜けて高くなっている。複勝回収率や枠番値も優秀で、内のほうがベターであるのは間違いなし。今年の札幌記念は最高でも13頭立てだが、それでも内重視の姿勢を貫くべきだ。

 脚質については「イメージよりも差せる」というのが素直な印象。信頼度が高いのは逃げ〜先行勢だが、中団から差した馬の連対率や複勝率と、そこまで大きな差があるわけではない。また、速い上がりを繰り出した馬が好成績であるのも、注目したいポイント。最速上がり馬の連対率は、なんと60%以上もある。「後方に置かれそうな馬を割り引く」のが、おそらく正しいスタンスだ。

【レース総論】札幌記念(G2) 札幌過去9回

・レースの要所!

★4〜6番人気など中穴の好走が目立つレースだが、ふたケタ人気馬は壊滅状態。
★コースデータ同様にレースも「内>外」。馬番8番よりも外は割引が必要か。
★連対馬18頭中13頭までが4角5番手以内。先行勢の強さはコースデータ以上。
★5歳以下が中心で前走G1組が強いレース。騎手の騎乗パターンにも注目したい。








 1番人気がトータル[2-5-0-2]とよく馬券に絡む札幌記念だが、なかなか1着では来ないというのがポイント。レースの平均配当も単勝1114円、馬単9569円、3連単8万1330円と、「複」ではなく「単」で狙えば、かなり張り合いがあるリターンが見込める。また、4〜6番人気や7〜9番人気など、中穴ゾーンの好走率が高いのも特徴。ふたケタ人気馬は壊滅状態なので、バサッと切り捨てるのが吉だ。

 次に枠番だが、コースデータ以上に内枠有利・外枠不利。単純に内外を比較したデータでも、連対率で6.5%、複勝率では12.8%という大差がついた。枠番値も内が大幅プラス、外が大幅マイナスと対照的で、とくに外枠である馬番13〜16番の落ち込みが目立つ。フルゲートを割り込むレースであっても、内枠を重視すべきであるのは間違いない。

 脚質別成績では、コースデータ以上に先行勢の強さが目立つ結果となった。4コーナーを先頭で回った馬が[2-2-0-5]で連対率44.4%をマークしているように、前はそうそう簡単には止まらない。連対馬18頭のうち13頭までが、4コーナーを5番手以内で回った先行勢で占められている。モーリスやブエナビスタですら差し損ねるのが札幌記念で、後方から差し切るのは至難の業といえる。

 年齢別成績では、5歳以下と6歳以上との間に分水嶺が見られる。2015年のように6歳以上馬がワンツーを決めた年もあるにはあるが、トータルで見ると[2-2-3-52]で複勝率11.9%、複勝回収率49%と、明らかに劣勢だ。秋に大きな飛躍が期待できるような4〜5歳馬を中心に据えるのが、札幌記念で勝つためのセオリーである。

 前走クラス別では、前走がG1もしくは海外遠征だった組が好成績。つまり、前走で使われていたレースの「格」が、今回の結果にしっかり繋がっているといえる。出走数が多いのは函館記念からのローテだが、こちらは連対率7.3%、複勝率17.1%とアテにしづらく、好走していても過信は禁物。何らかの好材料を持ち合わせている馬でもないと、買いづらい側面がある。

 そして最後に騎手関連データだが、面白いのが「関東馬×関西所属騎手」「関西馬×関東所属騎手」といった組み合わせが好成績であること。想定段階では、サウンズオブアース、タマモベストプレイ、ディサイファの3頭が、このパターンに該当する。また、連対率にほとんど差がないことから、乗り替わりを割り引く必要はなさそうだ。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 A→Cコース替わり。かなり内枠有利な状況が発生してもおかしくない。

・天候予測
 今週末は好天に恵まれそうな気配。良馬場前提の予想で問題なし。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎

 札幌芝2000mが内枠有利・外枠不利であるのは繰り返し解説してきたが、その傾向をさらに加速させそうなのが、このタイミングでのA→Cコース替わり。ただでさえ時計が速く良好なコンディションだった札幌芝コースだけに、下手すると「内枠しか来ない」という状況が発生してもおかしくはない。土曜日の結果は、必ずチェックしておきたい。

 血統面は、ディープインパクト産駒だけをプラス評価。ステイゴールド産駒もマズマズの成績を残しているが、1着がわずか3回というのはいただけない。キングカメハメハ産駒も同様に「1着が少ない」パターンで、コース適性の高さを感じられない内容といえる。というわけで、血統からはディサイファ、マウントロブソンの2頭を推したい。

★出走登録馬・総論×各論

 昨年の覇者であるネオリアリズムの回避は残念だが、ヤマカツエースやエアスピネル、サウンズオブアースといった一線級がエントリー。例年よりもやや小粒なメンバー構成といえそうだが、そのぶん馬券的な面白さがある。

 筆頭評価はヤマカツエースだ。昨年末の有馬記念で4着、金鯱賞1着、大阪杯3着という堅実な成績を残したように、ひと皮もふた皮もむけてきた。昨年の札幌記念では先行策から5着という結果に終わったが、今年は中身がまったく違う。プラス評価となった項目の数も十分で、あとは枠番次第。真ん中よりも内の枠番に入れば、文句なしだ。

 人気サイドでは、エアスピネルも上位評価組である。鞍上は武豊騎手からルメール騎手に乗り替わる予定で、どのような新味が引き出されるのか大いに期待したいところ。春にはマイル路線で高いパフォーマンスを発揮したが、距離延長もまったく苦にしないはず。末脚のキレ味も十分で、ここでの好走を足がかりに、秋に大きな飛躍がありそうである。

 三番手評価にロードヴァンドール。おそらくこの馬がハナに行くだろうし、内枠に入った場合にはとくに期待できそうだ。前走の大阪杯では14着に大敗しているが、これは自分の競馬がさせてもらえなかったのが敗因で、ここで巻き返してくる余地は十分にあるはず。Cコース替わりのメリットをフルに生かせば、勝ち負けまで。

 四番手評価にディサイファ。さすがに8歳馬とあって上がり目には乏しいが、函館と札幌でトータル[3-0-0-0]と、洋芝にめっぽう強いのも事実。引き続き四位騎手が騎乗予定で、「関東馬×関西騎手」のパターンにも合致する。さらにディープインパクト産駒という血統面でのプラス評価もあるなど、侮れない1頭であるのは間違いない。

 以下は、サウンズオブアース、マウントロブソン、アングライフェンという評価の序列。ディサイファを上位に評価した以外は、おおむね順当な評価順である。あとは枠番がどうなるか次第で、馬番1〜4番に入った馬は、たとえ人気薄でもしっかり押さえておきたいところである。


■総論×各論・先週の馬券回顧




新潟11レース 関屋記念(G3)
1着 03マルターズアポジー
2着 15ウインガニオン
3着 10ダノンリバティ

メッチャ前残りやないかい(#^ω^)ビキビキ

もう、スタートで「勝負あり!」ってカンジ。先行激化を懸念して差し優勢との前提で馬券を買いましたが、抜群のスタートを切った03マルターズアポジーが、後続をスッと引き離しましたからね。道中もラップを緩めずにそのまま押し切ったんだから、これは素直に強い内容。我が本命05ロサギガンティア、手も足も出ず(吐血)。

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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