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上位2頭からのヒモ紛れを狙え!/セントウルS

  • 2017年09月06日(水) 18時00分

■セントウルS(G2・阪神芝1200m内)フルゲート16頭/登録17頭


【コース総論】阪神芝1200m内 Aコース使用

・コースの要所!

★1番人気の信頼度はやや低めで、人気薄を積極的に狙いたいコース。
★ハッキリと内有利。真ん中よりも内か外かで評価を変える必要あり。
★完全に先行勢が優勢。4コーナー5番手以内は勝ち負けの必要条件だ。





 バックストレッチの2コーナー寄りからスタートして、3〜4コーナーには急な下り坂。そして最後の直線には急坂が待ち受けるというコース形態は、中山芝1200mとよく似ている。内回りなので最後の直線は356.5mしかなく、後方一気を決めるのは困難。先行力と持久力だけでなく、器用さも求められるコースといえる。

 まずは人気別成績だが、1番人気の信頼度は連対率41.7%、複勝率55.6%と平均以下。2番人気や3番人気との成績差も小さく、積極的に買いたくなる内容とは言いかねる。複勝率が29.6%と非常に高い4〜6番人気や、信頼度で7〜9番人気を上回っている10〜12番人気など、ここは人気薄を狙ったほうが面白そうだ。

 次に枠番だが、これは完全に「内>外」。単純に内外を比較したデータでも、平均人気が8.5とまったく同じでありながら、平均着順には大きな差が出ている。信頼度に大きな差があるわけではないが、それでも内のほうがベターであるのは間違いなし。真ん中よりも内か、それとも外かで、評価を変える必要があるコースである。

 最後に脚質面だが、徹底的に先行勢が優勢。逃げた馬は連対率44.4%、複勝率55.6%と、なんと1番人気馬よりも好成績なのだ。上位に来ている馬のほとんどが「4コーナー5番手以内」のポジションで、中団や後方から一気の脚で突き抜けるのは至難の業。エアレーションの効果で差し優勢の馬場になっても、芝1200m内では先行勢が有利なはずだ。

【レース総論】セントウルS(G2) 過去10年
・レースの要所!

★1番人気は高信頼度も取りこぼし多発。人気薄の1着狙いが面白い。
★牝馬が高信頼度&高回収率。今年は妙に涼しいがそれでも牝馬で。
★先行勢の強さはコースデータ以上。馬番1〜4番の高勝率も目立つ。
★前走重賞で2番人気以内の5歳馬が中心。乗り替わりは大幅に割引。








 レースの平均配当は、単勝1438円、馬連5458円、3連複2万9058円。1番人気が毎年のように馬券絡みしているのを考えると、これはかなりの高水準である。昨年はビッグアーサーが人気に応えたが、2015年のアクティブミノル(10番人気1着)や2007年のサンアディユ(11番人気1着)のように、人気薄の1着激走が多いレース。1番人気を2〜3着でしか買わない馬券で勝負するのも面白い。

 そして、暑い時期のレースらしく、牝馬が猛烈に強いのも大きな特徴。連対率17.0%、複勝率28.3%と、その信頼度は牡馬よりも格段に高い。今年は妙に涼しいので夏バテしている牡馬は少ないと思われるが、それでもここは牝馬重視の姿勢がオススメ。今年は4頭しか登録がないのだから、「すべて買う」のも大アリだろう。

 次に枠番だが、外枠である馬番13〜16番の信頼度が高いという、コースデータとは異なる結果となった。とはいえ、内枠である馬番1〜4番はトータル[5-1-2-30]で勝率13.2%、単勝回収率170%をマークしており、勝ち馬の半数がここから出ている。なんだかんだで内有利の傾向にあるとみて、ここはコースデータを重視すべきである。

 脚質面はコースデータ以上に先行勢優勢。過去10年の勝ち馬はすべて「4コーナー5番手以内」であり、馬券に絡んだ馬の75%以上がここに含まれている。また、最速上がりの馬が未勝利であるのも、このレースの性質をよく表しているデータ。先行してどれだけ粘れるかという、清く正しい完全なスプリント戦なのだ。

 年齢別では3〜5歳馬が総じて好成績で、6歳以上になるとガタッと信頼度が落ちる傾向。7歳以上で馬券に絡んだのは、たったの1頭しかいない。前走レース別では北九州記念組が5勝をあげているが、それ以上に目立つのが、出走例が少ないながら[3-1-0-5]で連対率44.4%をマークしている、アイビスSD組の好成績。ラインミーティアとフィドゥーシアは、これだけで「買い」といっても過言ではない。

 あとは、前走での人気が今回の結果に直結していることや、完全に「継続騎乗>乗り替わり」であること、前走で重賞以外に出走していた馬では勝ち負けに持ち込めないことなど、かなり傾向がハッキリしているレース。サマースプリントシリーズの最終戦ではあるが、「格」が問われるスプリンターズSのトライアルという性質のほうが強いレースといえそうだ。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 開幕週のAコース。絶好の馬場コンディションでのスピード比べ。

・天候予測
 週末は全国的に秋晴れの好天となりそう。良馬場前提でオッケイ。

・注目血統
 アドマイヤムーン産駒◎、ディープインパクト産駒○、デュランダル産駒▲

 今週から開幕する秋の中央場所。金曜日ごろまでは曇り空だが、幸いにも週末は、秋晴れのいい天候となりそうだ。開幕週なので通常であれば前有利&内有利だが、エアレーションの効果でいきなり外差し馬場が発生したりするのが、昨今の芝コース。土曜日の芝レースで、バイアスの有無はしっかり確認しておく必要がある。

 血統面で注目したいのが、勝利数トップのアドマイヤムーン産駒である。連対率36.4%、複勝率43.6%というのは「破格」の数値で、回収率も単121%、複82%と申し分なし。きわめて高いコース適性を備えているのは、間違いない。あとは、デュランダル産駒やディープインパクト産駒も侮れない内容を見せている。

★出走登録馬・総論×各論

 ビッグアーサーが出走を回避したことで、がぜん混戦ムードとなった今年のセントウルS。netkeiba.comでの予想オッズは、現在のところフィドゥーシアが1番人気で、ファインニードル、メラグラーナ、ダンスディレクターと続いている。ちなみに、サマースプリントシリーズの覇者となりうるのは、ラインミーティアとフィドゥーシアである。

 トップ評価は、そのフィドゥーシア。それも、評価の対象とした全項目でプラスが並ぶという、圧倒的な内容である。人気を集めて当然のプロフィルだが、1番人気が「3着以内には来るが勝てない」レースであるのは、前述した通り。レース傾向を加味して考えると、ここを2〜3着に固定した3連単や馬単での勝負に食指が動く。

 二番手評価にファインニードル。前走の北九州記念では人気を裏切り5着に終わったが、阪神替わりで巻き返してくる余地が十分にある。こちらもプラス評価のオンパレードで、アドマイヤムーン産駒という血統面での後押しもあるという、信頼度の高い1頭。M.デムーロ騎手が継続騎乗の予定であるのも心強い。

 少し離れて続くのが、メラグラーナとアルティマブラッド。「とりあえず牝馬なら買い」的な部分が感じられる評価順だが、実際に牝馬が強いのだから仕方がない。あとは、今年の登録馬に高齢馬が多く、5歳以下馬が少ないというのも理由のひとつ。5歳以下の牝馬という時点で、おのずと評価は高くなる。

 以下は、ラインミーティア、ヒルノデイバロー、ミッキーラブソング、ラヴァーズポイント、ツィンクルソードという評価の序列。実績馬であるダンスディレクターとスノードラゴンだが、プラス評価となった項目が少なく、アテにしづらい面がありそうだ。オススメは、上位に評価した2頭からのヒモ紛れ狙いである。


■総論×各論・先週の馬券回顧



新潟11レース 新潟記念(G3)
1着 01タツゴウゲキ
2着 11アストラエンブレム
3着 07カフジプリンス

手広く買えば当たるのね(*^ω^)

とはいえ、最終的な予想でも本命だった04ロッカフラベイビーは12着惨敗だったワケで、まったく誇れない。勝負馬券のカタチを、自分のなかで最近流行中の「人気薄の単複」あたりに切り替えるべきか。そもそも、手広く買っていたのでは、これまでの赤字が取り戻せないんだよ!(泥沼)

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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