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名牝テイエムオーシャンからようやく現れた!?「大物2世」/吉田竜作マル秘週報

  • 2017年10月25日(水) 18時00分


◆わかる人はわかるだろう、母から受け継いだ流星

 いわゆる“2世”は、どの分野にも幅を利かせているもの。特に政治の世界ではこの手の人が非常に多い。子から見れば魅力的な職業に映るのだろうし、親にしてみれば是が非でも継がせたい仕事なのだろう。ただ、そうした流れと政治、経済の衰退は、決して無関係とは思えないのが何とも…。

 記者が好きなのは芸能人、スポーツ選手の“2世”。子供のころに恋い焦がれた女優やタレント、あこがれた俳優の2世などは、どうしても肩入れして見てしまう。

 26日のドラフト会議で複数球団からの1位指名が予想される清宮君は「いつ(父親と同じ)ラグビーに転向するんだ? 早く日本のラグビー界をけん引してくれ」と勝手に願っていたものだが…。いつの間にか「ひいきのカープに来ないのなら、いっそパ・リーグに行ってくれ。そして早くメジャーで活躍を…」と、今やすっかり野球人としての清宮に魅了されてしまっている。こうした性分ゆえにPOGにもハマったのか…。

 とはいえ、「2世」が“本家”を超えるのはどの分野でも難しい。競馬の世界でも「名牝の子がみな活躍する」わけではなく…。むしろ「いいところはあまり似ないで、悪いところばかりがよく似る」といった“迷信”がまかり通るほど、父、母の良さは簡単には伝わらない。

 典型例を挙げれば、2001年の桜花賞&秋華賞の3歳牝馬2冠を制したテイエムオーシャン。現役時代はその圧倒的なスピードに魅入られたものだが、母となってからの目立った産駒はテイエムオペラドン(現障害オープン)くらいなもの。スピード感あふれる母の面影を感じさせる子は出ていない。個人的には「これ以上、期待するのもかわいそう」とあきらめかけていたのだが…。ようやく“これ”と予感させる2世が現れた。

 テイエムイチズオー(牡=父メイショウボーラー・木原)。同じく鹿毛だった母テイエムオーシャンはその字面とは少し違った色合いだったが、そのあたりまでテイエムイチズオーはよく似ている。額から鼻筋にかけての流星もまた母から受け継いだものと、わかる人はすぐにわかるだろう。

 見た目だけではない。「間違いなくスピードタイプ。変な癖もないし、気性も素直」という木原調教師の証言からも、前進気勢旺盛だった母の性格とスピードを確実に受け継いでいる。

 2つ上の兄テイエムダグラスを管理した福島調教師が「トモが頼りなかった」と振り返るように、テイエムオーシャンの子は腰の甘さが泣きどころになることが多いのだが、「どうもないよ。トモも気にならない」と木原師。「すぐにゲート試験も受かるだろうし、年内には使えると思う」とデビューのメドも立っている。

 競馬の世界では同じ母から活躍する産駒は1頭だけといったケースが多かったことから、「ひと腹1頭」という言葉が使われたりするが、このテイエムイチズオーこそがその1頭となる可能性はかなり高いと思っている。

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