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両目があいた! 騎乗機会2連勝で今年2勝目、勝因はメンタルにあり

  • 2018年03月13日(火) 18時01分
小牧太

今週はレース回顧、更には“同じ競技者として”オリンピックについても語っていただきました!


今週のテーマは、レース回顧&オリンピック。今年2勝目となったクリスエステソーロの一戦は、小牧騎手のメンタルに勝因があったそうで、勝ちにつながったレース中の心理と葛藤を明かしてくれました。オリンピックの話題では、「演技がどうこうはわからんけど…」と前置きしつつ、羽生結弦選手をピックアップ。はたして小牧騎手の感動ポイントとは!?
(取材・文/不破由妃子)



羽生選手の金メダル…スポーツの“勝ち負け”として感動


──3月3日の阪神2R(クリスエステソーロ)では、今年2勝目をマーク。騎乗機会2連勝ですから、やっぱりリズムってあるんだなぁと思いました。

小牧 よかったです。やれやれや(苦笑)。初勝利まであれだけ長い時間が掛かったのに、続けて勝つなんてねぇ。不思議なもんやね。

──そのクリスエステソーロですが、強い競馬でしたね。着差以上の力差を感じました。

小牧 実感としては、もっと楽勝するんちゃうかくらいの手応えやったけど、最後はわりといっぱいいっぱいでした。やっぱり距離が短くなったのがよかったね。

──そうだったんですね。4コーナーを回るときの手応えが1頭だけ違いましたから、自信満々の勝利かと思っていました。

小牧 相手は後ろの馬やと思っていたから、4コーナーの時点でもう前の馬は放っておいて、後の馬を待ってたんです。逃げてた馬もまずまず人気してたけど(4番人気リンクスナナ3着)、これで逃げ切られたら仕方ない…と思ってね。あのレースは、そう思ってその通りに乗れたことが勝因やね。あそこで前を追いかけていたら、負けていたと思う。

小牧太

3日の阪神2Rではクリスエステソーロで今年2勝目をマーク!(c)netkeiba.com


──そのほかで印象に残っているレースや馬はいますか?

小牧 そうやなぁ、3月4日のミキノトムトムは、ハナに行っていたら勝っていたかも…という悔いが残ったね。でも、最後にいい脚で伸びてきたように、あの馬、思っていた以上に走るわ。まだちょっとモタモタしているところはあるけど、それは使っていくうちに解消されてくるだろうしね。

──同じ3月4日の6Rに出走したオノリス(3歳500万下・2番人気4着)について、「小牧騎手が感じた将来性を教えてください」というリクエストもきています。

小牧 ゲートを出ない馬やけど、この前は出てくれてね。この前はちょっと相手が強かった印象もあるけど、久々やったし、次はいいところやと思うわ。

──未勝利戦で圧勝した馬ですよね。

小牧 そうそう。あのときもゲートが決まってね。でも、2戦目のもちの木賞で出遅れて、ケツからの競馬になってしまって。それでも一番の上がりで伸びてきたから、これは走るなと。次も乗れるなら楽しみな1頭やね。

──ちょっと時間は経ってしまいましたが、2月17日のグリエルマ(京都6R・3歳500万下・3番人気4着)についても、レース回顧をお願いしますというリクエストがきています。

小牧 グリエルマねぇ、どうしてもスタートが遅いから出していったんやけど、3コーナーで急にペースが遅くなったときに、ちょっと噛んでしまってね。

──直線では、伸びてきそうな感じはありましたが、最後は同じ脚色になってしまいましたね。

小牧 そうやね。やっぱりあそこで噛んでしまったのが痛かった。ほんの一瞬とはいえ、響くときは響くから。500万は楽勝してもいいはずやけど、やっぱり気持ちがちょっと難しいのかなぁ。あとは、引き続きスタートが課題やね。でも、脚があるのは確実。いいモノを持っているという評価は変わらんよ。

小牧太

グリエルマはいいモノを持っているという評価は変わらんよ


──話は変わりますが、オリンピックはご覧になりましたか? 「一番楽しみにしていた競技、一番感動した競技はなんですか?」という質問がきています。

小牧 もちろん見たよ。楽しみにしていたのも感動したのも、やっぱり羽生選手でしょう。さすがやなと思ったね。あれは感動したわ。

── 彼は一体、どんなメンタルをしているのだろうと。あのメンタルの強さには驚くばかりです。

小牧 そうやね。僕はフィギュアスケート自体がようわからんから、演技がどうやったとかそういうことは言えないけど、ケガをしてぶっつけでオリンピックという舞台に挑んで、なおかつあれだけの期待を背負いながら“勝つ”ということは、本当にすごいことやなと。演技がどうこうではなく、スポーツの勝ち負けとして感動したね。スピードスケートのパシュートや小平選手もそうやし。

──初めから“金メダル”を期待されていましたからね。

小牧 そうそう。すでに世界で記録を出していたりしたから、一視聴者としては「勝つんやろうなぁ」と思って観ていたけど、同じ競技者として考えると、そこで勝つことがいかにすごいことかがわかるから、なんかそういった部分でも心を打たれるものがあったね。

小牧太

同じ競技者として考えると、そこで勝つことがいかにすごいことかがわかるから

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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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