休み明けとして力が出せそうなタイムフライヤー
今週は重賞が4レース。春が近づいてきたという表現ができると同時に、やっぱり重賞の数が多いような気もします。アネモネSというオープン特別がありながら、同じ中山で芝1800mのフラワーC。栗東圏でチューリップ賞とフィリーズレビューがあるんだから、美浦圏に2レースあってもいいじゃないかという声には同調できます。実際、今年のフラワーCには目玉が出走するわけですし。
でも、その影響は3歳500万下へ波及。先週は「芝1600m」の3歳500万下が3レースもあったので、すべてのレースが9頭立て。重賞が多いから自己条件に頭数が揃わないのか、自己条件が多すぎるのか。我が愛馬が1勝馬の身でファルコンSへ出走となればうれしくなるわけですから、馬主サイドからすれば、今の3歳は出走叶うなら重賞を狙いますよね。
【ファルコンS/ダノンスマッシュ】
前走はゲート出遅れが勝ち負けできなかった致命傷でしょう。ただ直線の脚は見るべきところがあっただけに、後ろからためればこのメンバーで2位タイの上がりを使えたことは収穫だったと思います。
安田隆行調教師も「先週の追い切りに騎乗した北村友一騎手も『一番後ろで脚をためても、前をまとめて差し切るだけの脚はありますよ』と話していました」とコメント。それだけに最終追い切りも6F時計は控えめにする予定だったようですが、やっぱり時計が出てしまうのがこの馬。6F78.8秒、1F11.5秒は文句ない時計ですが、これでさらにテンションが上がってしまわないか心配。人気を背負う馬だけに、どの位置でレースをするかが着順を決めそうな気がします。
![ダノンスマッシュ(3月13日撮影) style=](https://cdn.netkeiba.com/img.news/style/netkeiba.ja/image/column/iuchi/180314_01.jpg)
どの位置でレースをするかが着順を決めそうなダノンスマッシュ(3月13日撮影)
【若葉S/タイムフライヤー】
G1ホースが若葉Sから始動というのは、めずらしい気もしますが、すでに中山芝2000mを経験していることや、中山競馬場への輸送回数が減ることを思えば、このローテーションはむしろ今後の主流になるかも知れません。
休み明けですが、追い切り本数はしっかり。最終追い切りは自己ベストタイになる4F52.5秒と動きました。3F目と4F目は12.7秒の持続ラップを踏んでいて、これはホープフルSの最終追い切りと同じラップの踏み方。1週前追い切りでは少し物足りなさも感じましたが、今週の動きなら休み明けとして力が出せる状態は整ったと考えてよさそうです。
![タイムフライヤー(3月14日撮影) style=](https://cdn.netkeiba.com/img.news/style/netkeiba.ja/image/column/iuchi/180314_02.jpg)
休み明けとして力が出せる状態は整ったと考えてよさそうなタイムフライヤー(3月14日撮影)
【スプリングS/エポカドーロ】
前走はテン速く、中ゆっくり、後半速くと素晴らしいラップを刻んで逃げ切りました。距離は1F短くなっても、コーナー4つは変わりなく、同じようなラップを刻んでいけば、逃げ切りやすい中山芝1800m。前走と同じ状態なら十分にチャンスがあると思います。
前回は中2週でしたが、坂路とCWを併用。今回も中4週で坂路とCWを併用していて、本数も標準で同じ。前回の最終追い切りは先行して最後まで抜かせない内容でしたが、今回も同じ。むしろ来れば来るだけ伸びていたくらいなので、連勝している勢いを感じる動き。あとは中山競馬場への輸送が影響ないこと、内枠を引くといった条件次第で勝つチャンスも十分にありそうです。
![エポカドーロ(写真手前、3月14日撮影) style=](https://cdn.netkeiba.com/img.news/style/netkeiba.ja/image/column/iuchi/180314_03.jpg)
連勝している勢いを感じる動きだったエポカドーロ(写真手前、3月14日撮影)
【阪神大賞典/クリンチャー】
前走京都記念は4歳になってからの成長に藤岡佑介騎手の執念もあっての勝利。今回は武豊騎手に乗り替わるので、相性について気になる部分がありますが、1週前追い切りの動きを見るかぎりは問題ないでしょう。むしろ今なら自在に動けるようになっており、ジョッキーの意のままに仕掛けられそうな気もします。
最終追い切りを見ていても、それは同じ。前走同様、きれいな加速ラップを踏みつつ、4F時計は前走と同じ52.7秒。個人的に「いい意味で平行線」という言葉は嫌いなのですが(笑)、それに近い表現でよさそう。天皇賞・春を見据えれば、ここで上限まで仕上げるわけにはいきませんし、この状態できっちりと結果を出してほしいところ。
![クリンチャー(3月13日撮影) style=](https://cdn.netkeiba.com/img.news/style/netkeiba.ja/image/column/iuchi/180314_04.jpg)
この状態できっちりと結果を出してほしいクリンチャー(3月13日撮影)
【阪神大賞典/カレンミロティック】
阪神大賞典は2015年が4着、2016年が6着。天皇賞・春の実績に比べると物足りない成績に終わっていますが、これが休み明けが影響しているのか、阪神競馬場が今ひとつなのか。長距離適性は抜群なだけに、このあたりの判断ができれば、馬券の取捨選択が簡単になるはず。
ただ、過去2回と比べても調教本数が少ないのが今回。最終追い切りが坂路4F51.8秒と時計を出してきましたが、これは過去2回よりも速い時計。仕上がっているからこの数字が出たのか、本数が少ないから時計を詰めて負荷をかけたのか。この判断が微妙ですが、1週前追い切りの併せ馬で遅れていた内容を考えれば、後者だという印象が残ります。よって過去2回よりもパフォーマンスが上がる可能性は低いような気がします。
![カレンミロティック(3月13日撮影) style=](https://cdn.netkeiba.com/img.news/style/netkeiba.ja/image/column/iuchi/180314_05.jpg)
長距離適性では抜群なカレンミロティック。はたして今回は(3月13日撮影)
◆次走要注意
・3/10 サンシャインS【カラビナ】(1人1着)
日経新春杯以来のレースで、前走後放牧へ出てから、栗東へ帰厩してからは約2週間での競馬。追い切り本数も少なく、明らかに仕上がり途上だったと思いますが、それでも完勝は展開面とメンバー的に力上位だったということ。今回の結果を見るかぎり、休み明けやレース間隔をあけた方がよいタイプであることは間違いありません。
[メモ登録用コメント] [芝2400m以上]トラックのダブル最速該当なら勝ち負け
◆今週の追い切り特報
・阪神大賞典【ヤマカツライデン】
1週前追い切りも抜群の動きでしたが、当然のように最終追い切りも抜群。特に松山弘平騎手が跨って、向正面から折り合っていたところに意味があると思います。札幌芝2600mでの実績を考えれば、阪神芝3000mを走れない理由はないと思うので、自分のペースで競馬できれば楽しみはあります。
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