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クイーンマンボ、いよいよ始動!/マリーンC

  • 2018年04月10日(火) 18時00分


戦国時代の牝馬ダートグレード戦線、頭1つ抜け出るのはどの馬か!?


 4月11日(水)、船橋競馬場で行われる『第22回マリーンC(JpnIII・1600m)』。昨年ホワイトフーガが制して以降、牝馬のダートグレード戦線の1年を見てみると、7月のスパーキングレディーC(アンジュデジール)、8月のブリーダーズゴールドC(マイティティー)、10月のレディスプレリュード(クイーンマンボ)、11月のJBCレディスクラシック(ララベル)、12月のクイーン賞(プリンシアコメータ)、今年1月のTCK女王盃(ミッシングリンク)、2月のエンプレス杯(アンジュデジール)と、勝ち馬が目まぐるしく変わっています。混戦を断ち、新女王に君臨する馬は現れるのか?それともこの混戦がしばらく続くのか?非常に興味深い戦いになりそうです。

 今回の大注目はなんと言ってもここから始動するクイーンマンボ。昨年6月の関東オークスで重賞初制覇を果たしたのち、8月には初の古馬との戦い・ブリーダーズゴールドCで2着。芝の重賞・9月のローズS(12着)を経て、10月のレディスプレリュードではホワイトフーガを相手に8馬身差の圧勝劇を演じ、痺れる強さを見せつけました。その勢いでJBCレディスクラシックへ…と期待が高まりましたが、挫跖のため回避。夢の舞台は先に持ち越されることになりました。

 同じ角居勝彦厩舎の先輩サンビスタが2015年のマリーンCを制したのち同年のチャンピオンズCを制覇しているように、クイーンマンボも先々は牝馬戦線のみならず牡馬との戦いに挑んでいくかもしれません。初めての1600m戦で、血統的には少し短い気もしますが、関東オークスやレディスプレリュードで見せた圧倒的な強さを思えばここは通過点。鞍上はJRAの桜花賞を制したばかりのC・ルメール騎手というのも心強い限り。4歳になっての始動戦でどんな姿を見せてくれるのか楽しみでなりません。

前走レディスプレリュードで8馬身差圧勝のクイーンマンボ(写真は2017年レディスプレリュード優勝時、撮影:高橋正和)


 アンジュデジールにとってクイーンマンボは宿命のライバル。関東オークスで2着、レディスプレリュードで3着と一緒に走って2戦0勝。しかしこちらもスパーキングレディーC、エンプレス杯を制したダートグレード競走2勝馬。特に1600mのスパーキングレディーCを勝っているのは大きなプラスポイント。クイーンマンボと2頭は負担重量57kgですが、「打倒、クイーンマンボ」を目指す横山典弘騎手の騎乗ぶりからも目が離せません。

重賞勝ちしている1600mで打倒クイーンマンボを図るアンジュデジール(写真は2017年スパーキングレディーC優勝時、撮影:高橋正和)


 ミッシングリンクは1月のTCK女王盃で重賞ウイナーの仲間入り。その後のエンプレス杯では6着に敗れましたが、M・デムーロ騎手とのコンビで再びの上位を狙います。

M・デムーロ騎手とのコンビ復活で上位狙うミッシングリンク(写真は2018年TCK女王盃優勝時、写真提供:TCK)


 JRAから4頭、残る1頭はヤマニンアンプリメ。1000万下、1600万下を牡馬相手に連勝しオープン入り。2月の大和Sで7着、前走コーラルSではモーニンと0.2秒差の4着。骨太の面々と戦ってきた経験が活かされれば、牝馬限定重賞で面白い存在になる可能性も。

牡馬とのレース経験を活かしたいヤマニンアンプリメ(写真は2017年3歳未勝利優勝時、(C)netkeiba.com)


中央馬だけじゃない!? 悲願のグレード初優勝を狙うニシノラピート


 地方勢からは大井のニシノラピート。元JRA所属で昨年4月にしらさぎ賞を制し重賞初制覇。さらに12月の東京シンデレラマイルで南関東競馬の重賞2勝目を挙げました。日本の競馬史に残る大記録達成が刻一刻と近づいている的場文男騎手にもご注目ください。

的場文男騎手を背に重賞3勝目を狙うニシノラピート(写真は2017年東京シンデレラマイル優勝時、撮影:武田明彦)


 船橋のオルキスリアンは父キングカメハメハ、母アクイレジア、祖母ロジータの超良血馬。祖母はもちろん、母も2004年の関東オークス2着(勝ち馬トーセンジョウオー)、ジャパンダートダービー2着(勝ち馬カフェオリンポス)という活躍馬。重賞の舞台でその血が騒ぐかもしれません。

超良血で一発狙うオルキスリアン(写真は2016年東京プリンセス賞出走時、撮影:武田明彦)


 昨年は2着ララベル、3着リンダリンダ。2016年は2着ブルーチッパー、3着ダブルファンタジーと、ここ2年地方勢が馬券圏内に来る活躍を見せていますが、正直今年は少し厳しそう。JRA勢4頭はすべて成長力のある4歳馬。やはりJRA勢が上位を形成するのではないでしょうか。

 クイーンマンボとアンジュデジール、ライバル2頭の手に汗握る一騎打ちをぜひ見てみたいと思いますが、何が起きるかわからないのが競馬。2頭の間に割って入る馬がいるかもしれませんし、別のニューヒロインが誕生するかもしれません。この春、新たなる女王の地位をかけてスタートが切られる『第22回マリーンC』をお見逃しなく!

※次回の更新は4月17日(火)18時。翌日に大井競馬場で行われる「東京スプリント」のコラムをお届けします。


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【ダートグレード競走とは】
中央競馬・地方競馬の交流を促進し、ダート適性のある実力馬の出走機会の拡大を図るため、全日本的な見地から体系づけられたダート交流重賞競走の総称。

埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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