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上位人気を徹底的に疑え!/中京記念

  • 2018年07月18日(水) 18時00分

■中京記念(G3・中京芝1600m)フルゲート16頭/登録19頭

【コース総論】中京芝1600m Bコース使用

・コースの要所!

★1番人気の信頼度は並程度で、4〜6番人気や10〜12番人気など穴が狙い目。
★枠番の内外による成績差はゼロ。馬場のバイアスだけ考慮すればオッケイ。
★直線が長く差せるコースだが勝率が高いのは先行勢。差し馬の過信は禁物。




 2コーナー手前にあるポケットから発走して、向こう正面へと斜めに進入する中京芝1600m。同じ左回りである、東京の芝1800mとよく似たコース形態だ。序盤のポジション争いが激しくなることもなく、落ち着いた流れになりやすいという点も共通している。クセのない、おそらく騎手にとっても乗りやすいコースだろう。

 しかし、コースの波乱傾向は意外に強め。1番人気の信頼度は「並」程度で、上位人気では2〜3番人気のほうが好内容といえる。また、4〜6番人気や10〜12番人気など、人気薄の好走率が高いのも特徴。さすがに13番人気以下になると狙いづらいが、レースによっては、思いきった穴から勝負してみるのも面白いはずだ。

 次に枠番だが、内外による成績差はゼロ。勝率・連対率・複勝率はもちろん、枠番値に至るまでほぼ横並びである。データを見て驚いてしまったほどで、ここまで人気通りの結果が出ているコースというのは、かなり珍しいはず。その時期の馬場バイアスを考慮する必要はあるが、それ以外は枠番の内外を問わず買えるコースといえる。

 最後の直線が400m以上と長く、さらに急坂もあるので差しや追い込みが届くコース。中団待機組と追い込み勢の勝率は、ほとんど変わらない。ただし、勝つ確率が高いのはやはり先行勢で、穴をあけている馬も先行勢が非常に多い。メンバー構成にもよるが、前残り決着のパターンは常に警戒すべきだ。

【レース総論】中京記念(G3) 過去6年

・レースの要所!

★3番人気以内[0-1-3-14]と上位人気が壊滅状態で、穴を積極的に狙うべき。
★コースデータとは違って外枠のほうが好内容。外枠の人気薄は要チェック。
★最速上がり馬や後方からの追い込み勢が絶好調。かなり差し優勢のレース。
★ハンデは56.5キロ以上、距離は距離延長組に注目。高齢馬は割引が必要か。








 2012年に夏開催のマイル戦となって、今年で7年目を迎える中京記念。レースの平均配当は、単勝1117円、馬連1万1977円、3連複3万5497円と、かなり高めの水準である。その要因となっているのが人気サイドの弱さで、3番人気以内馬はトータル[0-1-3-14]で連対率5.6%と大不振。人気馬がここまでアテにならないレースも珍しい。

 勝ち馬はすべて5〜7番人気で、ふたケタ人気の超穴馬も4頭が馬券絡み。5→2→1人気で決まった昨年などは、かなり堅く決まった部類である。人気薄を積極的に狙うべきレースであるのは間違いなく、今年もそうそう順当には決まらないはず。上位人気馬は、徹底的に疑ってかかるべきだ。

 コースデータと大きな差異が見られるのが、枠番と脚質。まずは枠番データだが、完全にフラットだったコースデータとは違い、外枠のほうが好内容だ。とくに目立つのが人気薄における激走率の差で、7番人気以下に限定すると、馬番1〜8番が[0-1-0-27]に対して、馬番9〜16番は[2-2-1-27]と、後者が前者を圧倒。外枠の人気薄は要チェックである。

 そして脚質もコースデータとは大きく異なり、完全に差し優勢。おそらく「馬場やレースの流れから差し優勢に→だから外枠が強い」という順番だと思われる。4コーナーを11番手以下で回った馬の信頼度がもっとも高いというのは、きわめて珍しい事象。最速上がりをマークした馬も[4-0-2-1]と、ほとんどが馬券絡みしている。

 年齢別では、8連対している5歳馬の強さが目立つが、回収率ベースの数値が高い6歳馬も侮れないところ。対照的に7歳以上馬は総じて低調な成績で、こちらは評価を割り引くべきだろう。出走例の少ない3〜4歳は判断が難しいが、4歳馬の複勝率が28.6%もあるのを考えると、おそらく悪くはないはず。少なくとも、高齢馬よりは期待できそうだ。

 ただし、ハンデは「背負っている組」のほうがハッキリと強い。ハンデ56キロ以下馬がトータル[1-3-3-48]で複勝率12.7%であるのに対して、ハンデ56.5キロ以上馬は[5-1-3-18]で複勝率33.3%と、その信頼度は比較にならないほど高い。そして、前走から斤量増となる馬が[3-0-2-7]と非常に強いのも、押さえておくべきポイント。この両条件をクリアするのは、アメリカズカップ、ガリバルディ、グレーターロンドン、スマートオーディンの4頭である。

 前走距離別成績では、「芝1400mからの距離延長組が強い」というデータが出ている。コース形態などから、個人的には芝1800m以上からの距離短縮組が強そうなイメージだったのだが、こちらは[0-1-2-19]と大不振。実際は「距離延長>同距離>距離短縮」という評価順となることを、しっかり覚えておきたい。

 最後に前走馬体重別成績。中京記念は全体的に大型馬の強いレースで、前走馬体重が479キロ以下だった馬は、トータル[0-1-2-30]で複勝率9.1%と、結果を出せていない。逆に絶好調なのが、前走での馬体重が500〜519キロだった馬で、こちらは信頼度の高さはもちろん、回収率ベースの数値も優秀である。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 引き続きBコース。やや差し優勢の馬場バイアスにある印象を受ける。

・天候予測
 酷暑モードが延々と続く。含水率のかなり低い硬めの馬場になりそう。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ダイワメジャー産駒○、マンハッタンカフェ産駒▲

 全国的な猛暑にある日本列島だが、中部地方は強烈なまでの暑さ。雨が降る予報はいっさい出ておらず、週明け以降もこの天候が延々と続く見通しだ。散水も何度か行われるだろうが、それでも含水率はかなり低めで、硬い良馬場でのレースとなりそう。馬場バイアスは先週と同じく、やや差し優勢になると思われる。

 血統面は、ディープインパクトなど3種牡馬の産駒をプラスに評価。出走数も多いディープインパクト産駒だが、それでいて勝率は13.1%という高さで、複勝率は4割に迫る勢いである。それ以外では、複勝率の高さが目立つダイワメジャー産駒と、勝率や連対率の高いマンハッタンカフェ産駒も、高いコース適性を有していそうだ。

★出走登録馬・総論×各論

 前述したように、とにかく人気馬がアテにならない中京記念。現在のところ、netkeiba.comの予想オッズではグレーターロンドン、ウインガニオン、ワントゥワン、ロジクライという人気順となっているが、このあたりが総崩れになって何の不思議もないのが、このレースである。今年もおそらく、そうそう順当には決まるまい。

 そのあたりも加味してのトップ評価が、ガリバルディだ。7歳以上馬であるのがマイナス材料だが、前走から斤量増のハンデ57キロで、中京記念での好走率が高い「中穴」にも該当しそう。血統面や前走馬体重などのファクターでもプラス評価を獲得しており、中京芝での実績もアリ。勝ち負けが十分に期待できるプロフィルの持ち主だ。

 二番手評価にグレーターロンドン。決め脚自慢であるのは言うまでもなく、ここも後方から一気の脚で追い込んできそうだ。こちらは前走馬体重468キロという馬格のなさがマイナスで、あとは「間違いなく人気になる」という点も割引。それでも、外枠からスムーズな競馬ができれば、上位に食い込めるだけの力を有している。

 三番手評価にブラックムーン。この春はイマイチな内容のレースが続いたが、それでも芝マイル戦で見せるキレ味は侮れないもの。57.5キロとはハンデが見込まれた印象だが、最終週の荒れた馬場はプラスだろうし、実績的にも侮れないものがある。こちらもぜひ、外枠が欲しいところ。大きな変わり身に期待する。

 以下はリライアブルエース、ロジクライ、アメリカズカップ、ウインガニオン、スマートオーディン、ワントゥワンという評価の序列。あとは枠番次第だが、「決め脚のある馬の外枠」や「人気薄の外枠」は、人気薄でも積極的に拾いたい。今年も混戦模様であるのは間違いないので、ある程度は波乱決着になると決め打っての勝負をオススメする。


■総論×各論・先週の馬券回顧


函館11レース 函館記念(G3)
1着 06エアアンセム
2着 03サクラアンプルール
3着 14エテルナミノル

見せ場のない大惨敗(#^ω^)ビキビキ

前が潰れて「その後ろ」の好位勢が上位を独占。勝った06エアアンセムは、藤岡佑ジョッキーがメチャクチャ上手に乗ったヨネ。1〜2着は「真ん中より内」も、3着の14エテルナミノルは正直なところお手上げ。まあ、04クラウンディバイダが早々と失速している時点で、何もアツくなかったんだけどさ! いやもう、スカタンな予想をしてしまいマジで申し訳ないです(切腹)。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2012年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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