■神戸新聞杯(G2・阪神芝2400m外)フルゲート18頭/登録11頭
【コース総論】阪神芝2400m外・コースの要所!
★4〜6番人気や7〜9番人気など中穴の活躍が目立つコース。大穴狙いは危険。
★外枠である馬番13〜18番の信頼度が低め。少し評価を割り引いて考えたい。
★上がりの速さが高いレベルで要求される。末脚のキレが勝ち負けに不可欠。
正面スタンド前からの発走で、スタート直後に急坂を上ってからコーナーへと進入する、阪神芝2400m外。施行レース数自体が少ないので、今回はやむを得ず「10頭立て以上」を集計対象としている。かなり雑なデータで信頼性も低いが、コースのイメージをある程度つかむのには、十分に役立つはずだ。
まずは人気別だが、1番人気はトータル[25-15-8-31]で連対率50.6%、複勝率60.8%と、その信頼度は並以下である。また、2〜3番人気も勝率が低く、上位人気が強いコースとはいえないようだ。それとは対照的に好成績が目立つのが、4〜6番人気や7〜9番人気といった中穴ゾーン。信頼度だけでなく、回収率ベースの数値も非常に高く優秀である。極端な大穴を狙うのではなく、中穴からチョイ荒れを狙うのが向くコースだといえる。
枠番については「やや外枠不利」という結論に。外枠である馬番13〜18番は、連対率や複勝率が低いだけでなく、枠番値もマイナス0.6と低調である。コース形態からは外枠でもとくに問題なさそうに思えるが、これだけ差が大きいと、やはり外枠は割り引くのが適切。内枠と中枠の信頼度に大きな差はなく、こちらは評価も横並びだ。
最後に脚質面だが、かなり重視したいのが末脚のキレ味。上がり3F順位が1〜2位だった馬は、トータル[38-29-34-31]で連対率50.8%、複勝率76.5%、単勝適正回収値232、複勝回収値266という素晴らしい結果を残している。コース形態からも序盤〜中盤のラップが緩くなり、自然と上がり勝負になりやすいのだ。ただし、4コーナー通過が13番手以下だった馬はサッパリ。つまり、このコースで勝ち負けするには、好位〜中団からキレる末脚を繰り出す必要があるということだ。
【レース総論】神戸新聞杯(G2) 過去10年
・レースの要所!
★連対率90.0%と1番人気の信頼度は鉄板級。人気馬から相手探しのレース。
★内枠である馬番1〜6番が好成績。内枠をプラス、外枠をマイナスに評価。
★コースデータよりも「前」が強いが、末脚が重要であるのはまったく同じ。
★前走ダービー5着以内馬など、好走するパターンが限定されているレース。
レースの平均配当は、単勝474円、馬連1679円、3連複5767円という尋常ならざる低さ。数あるJRA重賞のなかでも、トップクラスに「堅い」レースである。1番人気は[7-2-0-1]と非常に信頼度が高く、馬券圏内に入れなかった2009年のアンライバルドも4着と、大きく崩れたケースは過去10年で一度もない。基本的には、相手探しのレースである。
4〜6番人気は[0-1-3-26]と不甲斐ない成績に終わっており、相手には7〜9番人気を狙ったほうが格段にオイシイはず。今年は少頭数となるのが確実で、人気通りのガチガチ決着だった昨年のような年もあるが、それでも少しはひねって買ったほうが面白いはず。「2〜3着のどちらかは紛れる」という前提で、馬券を組み立てたい。
続いて脚質面。コースデータよりも前が残るケースが多いようだが、上がりの速さが高いレベルで要求されるという点は、まったく同じである。最速上がり馬は[4-5-2-0]と、なんとすべて3着以内。同様に上がり3F順位が2位だった馬も、素晴らしい成績を残している。速い上がりを繰り出せるかどうかが、何よりも重要といっても過言ではない。
枠番は、内枠である馬番1〜6番が好成績。平均人気を大幅に上回る平均着順であり、信頼度の数値「以上」に有利と見たい。コースデータも加味して考えると、内枠有利&外枠不利というのが基本的な捉え方となりそうだ。もっとも、今年は少頭数になるのが確実であり、枠番についてはそこまで気にする必要もあるまい。
前走クラス別成績では、前走ダービー組が中心となる前走G1組が他を圧倒。張り合えているのは、ラジオNIKKEI賞組や「前走1600万下〜1000万下で2着以内」だった馬に限られている。このレースにおける前走ダービー好走馬の強さは目を見はるものがあり、ダービー5着以内馬に限れば[8-5-0-5]で連対率72.2%をマークしている。
最後に騎手関連だが、「継続騎乗>乗り替わり」であるのは間違いなし。菊花賞を先に見据えたこのレースでの乗り替わりは、大幅マイナス材料といえる。例外をあげるならば、このレースで猛烈に強い外国人ジョッキーに乗り替わったケースで、今年の登録馬ではエタリオウがそれに該当。ダービー5着以内馬でもあり、やはり侮れないものがある。
【血統総論】・現在の馬場
A→Bコース替わり。先週の阪神芝はかなり前残り傾向の強い馬場バイアスだった。
・天候予測
週末にかけて天候が崩れ気味だが、土日の降雨はなさそう。良馬場前提の予想で。
・注目血統
キングカメハメハ産駒◎
ある程度は前のほうが有利そう──と予測していた先週の阪神芝だが、フタをあけてみれば、土日はスーパー前残り馬場。月曜日になって多少は緩和されたが、それでも例年よりも「差せない」状態であるのは間違いない。さらに、今週からBコース替わりであるのも悩ましい材料。土曜日の芝でバイアスをしっかり見定める必要アリだ。
血統面は、総合的にみて内容がもっとも優秀である、キングカメハメハ産駒だけをプラスに評価。ディープインパクト産駒やステイゴールド産駒、ハーツクライ産駒も好成績ではあるのだが、そこまで範囲を広げると「登録馬ほぼすべてがプラス評価」という意味のない状況となってしまうので、あえてこのような扱いとした。
★神戸新聞杯 総論×各論 ダービー馬ワグネリアンと皐月賞馬エポカドーロがここで激突するという、なかなか珍しい構図となった今年の神戸新聞杯。それ以外にも、ダービーの4着馬であるエタリオウや、ラジオNIKKEI賞の勝ち馬であるメイショウテッコンなど、頭数こそ少ないがハイレベルなメンバー構成となりそうだ。
トップ評価は、皐月賞馬
エポカドーロ。これは、前残り傾向が強い阪神芝の馬場バイアスを重視してのものだ。末脚のキレが要求されるレースではあるが、皐月賞1着、ダービー2着という実績や鞍上が継続騎乗であることなど、こちらも買い材料はかなり豊富。内枠からスムーズに先手と取れるならば、信頼度はさらに高まる。
二番手評価にダービー馬
ワグネリアン。この馬にとって何よりも痛いのが、主戦である福永ジョッキーの負傷による離脱だ。藤岡康太ジョッキーが代役に決まったが、乗り替わりが大幅マイナスであるのは間違いない事実。信頼度が圧倒的に高い1番人気に推されたとしても、ここは取りこぼすケースが十分に考えられる。
三番手評価に
エタリオウ。1勝馬ながら青葉賞2着、ダービー4着という実績を誇り、末脚のキレ味もかなりのもの。ダービーでは33秒5の上がりを使ってワグネリアンから0秒2差まで迫り、ファンを驚かせた。上がり自体はアドマイヤアルバのほうが速かった(33秒4)が、内容を考えると評価はこちらのほうが格段に上。鞍上も魅力である。
以下はメイショウテッコン、ステイフーリッシュ、アドマイヤアルバ、タイムフライヤー、ゴーフォザサミットという評価の序列。大きく紛れることはないと思うが、チョイ荒れならば十分ある──というのが現時点での見立てである。いかに絞って勝負するかという、買い手の胆力も求められそうな一戦となるか。
■総論×各論・先週の馬券回顧
阪神11レース ローズS(G3)
1着 13カンタービレ
2着 05サラキア
3着 04ラテュロス
さすがに届かん(#^ω^)ビキビキ月曜日、先週土日の阪神芝は「スーパー前残り」バイアス。その時点で嫌な予感はしておりましたが……ウラヌスチャーム、最後方からの競馬とは(歯ぎしり)。最後はいい脚で伸びてきたものの、5着が精一杯。競馬ってホントに難しいデスネ。
※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2008年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。
【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!