今週末はダートの祭典JBC競走!今年の日本ダービーで行った企画「ゆる〜い出馬表」が帰ってきました!血統や競走成績ではなく、ここでは性格やくせなどをご紹介。出走馬たちの知られざる素顔に迫ります。※予想に役立つ情報はほぼありませんので、ゆる〜い気持ちでご覧ください。
(取材=栗東/地方・大恵陽子、美浦・佐々木祥恵、南関東・高橋華代子)
※取材スケジュールの都合上、全頭ご紹介できませんが、ご了承ください。
アイアンテーラー 牝4 (栗東/飯田雄三厩舎)
(緒方努調教助手)
「アイアン」って呼んでいます。うちの厩舎にはブロンズテーラーもいるし、弟のアイキャンテーラーも入ってきたのでね。人懐っこくて気が強い女の子で、いつもレースは最後まで一生懸命走ってくれます。3走前(2018年7月14日、中京・インディアトロフィー)にレコード勝ちをして僕も自信になりましたし、馬も自信がついてきていると思います。機嫌が悪い時は耳を絞っていたり、皮膚が薄いので体を触られるのは好きじゃないですね。ニンジンが好きで、一緒にカイバに入れていると真っ先に選り分けて食べていますよ。
アンジュデジール 牝4 (栗東/昆貢厩舎)
(佐藤秀樹調教厩務員)
「アンジュ」とか「アンちゃん」って呼んでいます。すごく賢い馬ですね。こないだ大井に行く時、馬房を出てすぐの場所で馬運車が来ているのを見て、動かなくなりました。運動だけの日に馬運車を見ても反応しないし、レースの帰りはススッと乗るんですけどね。朝も、僕が来たら「エサくれ〜」ってすぐ鳴くのに、調教のため無口を持って近づくとそっぽを向くんです。学習能力が高いです。
クイーンマンボ 牝4 (栗東/中竹和也厩舎)
(上村典久調教助手)
「マンボ」って呼んでいます。すごく大人しいです。自分の世界があって、触られるのは好きじゃなくて耳を絞ります。ブラシがけとかは大丈夫なんですが、必要以上にヨシヨシされるのが嫌みたいですね。環境が変わってもよく食べますよ。
サルサディオーネ 牝4 (栗東/羽月友彦厩舎)
(山下秀進調教助手)
以前は「サルサ」って呼んでいましたが、2歳のサルサレイアが入ってきたので、「ディオーネ」って呼んでいます。頑固で、僕が乗って坂路や逍遥馬道に行くと下り坂でビタ止まりしちゃうんです。最近はだいぶなくなりましたけどね。あと、繊細なところがあって、顔に何かかかるのが嫌なんですよね。雨とか、逍遥馬道で枯れ葉が顔にかかっても「もー!」って怒っていました。レースでは逃げると強いけど、逃げられなかった時が…。キックバックが顔にかかるのを我慢させようと練習するんですが、我慢できずに抜かそうとするんです。雨はもう大丈夫だし、キックバックもだいぶ克服していると思います。
ジュエルクイーン 牝6 (大井/福永敏厩舎)
(小林大樹厩務員)
牝馬の中でもかなり大人しい方で、おとなの女の人って感じです。レースではエキサイトしますが、厩舎にいる時はおっとりしていますね。調教中、ダグは止まりそうになりますが、キャンターはさすがの走りをしてくれます。オンオフの切り替えがしっかりできる馬です。入厩した頃は馬房でほとんど動きませんでしたが、今は乾草を食べる時にこぼしていたずらをしたり、外をのんびり眺めたりと、環境にも慣れてきたなぁと思います。
今回は担当していたセイントメモリー(2013年NARグランプリ4歳最優秀牡馬、現在は大井競馬場の誘導馬)で使っていたクリスタルの額革を、引退以来初めて使いたいと思っています。ジュエルにとっては初めてのJBCですし、名前にもピッタリなので。
ディアマルコ 牝5 (高知/那俄性哲厩舎)
写真提供:高知県競馬組合
(神原勝志厩務員)
「マルコ」って呼んでいます。敏感で、周りが騒がしかったりするとイレ込むね。手入れをしていても体を触られるのが嫌で蹴りにきたり、自分の前を知らない人が通ると飛びつく格好をするんですよ。でも、周りが静かになると大人しくなるし、3歳の頃より落ち着きが出てきたね。あと、ニンジンあげると機嫌がいいです。
各地に遠征しているけど、園田じゃ兵庫サマークイーン賞を3連覇しているから実況アナウンサーがえぇようにアナウンスしてくれるし、大井では他の厩務員が「お疲れ様です」ってわざわざ声をかけに来てくれたりね。地方を代表するような牝馬になって嬉しいね。
ビスカリア 牝6 (栗東/山内研二厩舎)
(榊原丈展厩務員)
大人しいですよ。追い切りの後は少しイライラしますが、自分でレース前だって分かっていますね。今は見たことない人がいるから、「誰や?」ってなっていますね。JBC、がんばります!
ブランシェクール 牝5 (大井/藤田輝信厩舎)
(小黒英和厩務員)
ブランは大人しくて優しい馬です。たまにイレ込む時もあるのですが、力強くてパワーはすごいですね。慣れない人には攻撃的になるところもあるので、人見知りだと思います。馬にもあまり興味を示さないのですが、ラーゴブルーと一緒にレースに行っていた頃は仲がよさそうでした。
食べ物は基本的に何でも好きで、与えたものは食べてくれます。ニンジンも好きですし、燕麦の食べ方も早くて飲み物です(笑)。投げ草も99.9%は拾い上げて食べるので、ダイソンの掃除機みたいですよ(笑)。食べてくれるのはとてもありがたいです。
プリンシアコメータ 牝5 (美浦/矢野英一厩舎)
(土屋一久厩務員)
特に呼び名はないですね。性格はきついですよ。普段は大人しいですけど、キレたらすごいです。スイッチ入ったらすごいですよ。でも人に噛みついたりはしませんね。左の眼が三白眼でしょ。左右の目が違うんだよね。食欲はありますよ。何でも食べるし、人参も大きいままバリバリ食べます。以前は運動の時に大暴れしていましたけど、最近は落ち着いてきました。大人になったというか、もう5歳のばあさんだから(笑)。ジェネラーレウーノ(も、土屋厩務員が担当)に対して焼きもちとかも焼かないですよ。そういうのは気にならないんじゃないですかね。
ヤマニンアンプリメ 牝4 (栗東/中村均厩舎)
(田中翔調教助手)
「アンちゃん」って呼んでいます。人懐っこくてかわいいですね。でも、負けん気が強くて、昔は飛び跳ねたり他の馬を蹴りに行ったりしていました。いまではそこまではなくて、普段の手入れでも大人しいんです。女の子にしてはかなり背が高くて、以前は450kgくらいだったのが一気に増えてレースでもポンポンと勝てるようになりました。カイバは僕たちスタッフがみんな帰った後に食べ始めて、完食しています。砂がかかるのがダメなので、シャワーをかけて練習しています。シャワーは平気なんですが、砂は気分がいい時以外はまだ苦手ですね。
ラインハート 牝7 (大井/月岡健二厩舎)
(朴澤光厩務員)
普段の動作からは手のかかることは少ないですね。乾草は大好きで、あげている間は袋に顔を突っ込んだまま、ずっと食べています。カイバを食べる時は口を水でバチャバチャとゆすぎながら食べるので、水はよく汲み替えています。朝の調教前に厩舎に来ても起きているし、寝ているのは見たことがないので、人がいない時に寝ているのでしょうね。
仲のいい馬がいるタイプでもなくて、馬房の前を通る馬に向かっていくところはよくあります。気は強いと思いますよ。調教から帰って来た時に、口元の部分を自分の腕にこすりつけてくるので、その時はよだれまみれになりますが、好きなだけやらせてあげています。
ラビットラン 牝4 (栗東/中竹和也厩舎)
(大井和浩厩務員)
マイペースな馬です。僕になついているわけでもないんですが、熟年夫婦みたいな感じで、特に会話がなくて空気みたいだけど意思疎通ができているって感じです。僕は乗ったことがないんですが、ウサギみたいな走りをするみたいです。この馬に乗った人はみんな「走り方で名前をつけたんじゃないかと思うくらい」って。バネがすごくあって、ピョンピョン走るんですよね。ウサギみたいに寂しがり屋な面もあって、調教でもみんなで行った方がいいんです。ダートでデビューして芝のローズSを勝って、またダートに戻ってきましたが、要所要所でジョッキーなど周囲の助言もあってのこと。紆余曲折を経てJBCにたどり着きました。
リエノテソーロ 牝4 (美浦/武井亮厩舎)
(相馬巧調教助手)
名前であまり呼ばないですね。呼ぶとすれば、「おーいお嬢さーん」とかですかね。性格は温厚です。以前はキリキリしていましたけど、最近はだいぶ熟女になってきたかなと(笑)。キャピキャピ感がなくなってきて、だいぶ落ち着いてきました。ただレースに行ったら、イレ込みやすいですね。他の馬にはあまり興味はなさそうです。自分が1番だと思っているのかもしれませんね。
とにかく頭が良いです。乗るにしても扱うにしても、こちらが1教えれば5、6くらいすぐ飲み込んでしまいます。どこでどう察知しているのかわからないのですが、普段と変わらない調教をしていても競馬が近づくと、自分で体を作っていきます。飼い葉も普段はバリバリバリバリ食べていたのが、競馬が近づくにつれてゆっくり時間をかけて食べています。調教でも無駄に力んで走らないですし、今日は追い切りだろうとか、場所によってやることがだいたいわかっているみたいです。