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世界を知ることで再確認できた“日本人の強味” ―7カ月の海外遠征を終えて【第2回】

  • 2018年11月18日(日) 18時01分
キャリアアップ

▲3カ月の厩舎作業の期間を経て、念願のアイルランド初騎乗


今年の3月から10月までの7カ月間、アイルランドで武者修行をしてきた野中悠太郎騎手。その間の様子は当コラムで連載として、野中騎手自身に発信していただきました。大きな経験を経て、野中騎手にどんな変化が現れたのか。お話を聞かせてもらいに美浦トレセンを訪れると、そこにはたくさんの記者や関係者に囲まれながら笑顔いっぱいで話をする、野中騎手の姿がありました。ご本人を直撃インタビューします。

(取材・文:不破由妃子)


「ズブい馬で逃げろ!」難しい指示も多数


──3月中旬にアイルランドにわたり、6月14日に初騎乗。いきなり2着と健闘されましたが、騎乗馬のNear Ketteringは人気の馬だったのですか?

野中 いえ、6番人気くらいだったと思います。あのレースはすごく緊張して、緊張度合いでいったらデビュー戦並みでした。レパーズタウン競馬場だったんですが、アイルランドではカラ競馬場とレパーズタウン競馬場にしかGIの開催がないので、そのうちのひとつでデビューさせてもらえたというのは、僕のなかで大きかったですね。すごくうれしかったです。

──3カ月間、厩舎作業に従事しながらレースもじっくり観ていたと思いますが、実際に騎乗してみて、外から観ていたときとの感覚の違いはありましたか?

野中 それほど違いはありませんでしたが、やはりペースだったり馬場だったりコース形態だったり、日本の競馬とは全然違いましたね。

──道中もタイトですものね。

野中 タイトといえばそうなんですが、みんなが上手いからタイトになるのかというと必ずしもそうではなく、制御し切れずに間隔が詰まってしまうこともあるので(苦笑)。当然、上位のジョッキーたちはピッチリ回ってくるんですけど、レースには何人か若手も混じっているので、そうなるとけっこう馬体が当たったりなど激しいレースになることもありました。でも、馬はそういう競馬に慣れているんですよね。全然へっちゃらでした。

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1996年12月29日、福岡県出身。実家が小倉競馬場の近くだったことから騎手を目指す。同期は加藤祥太、鮫島克駿、三津谷隼人。2015年に美浦・根本康広厩舎からデビュー。兄弟子の丸山元気、妹弟子の藤田菜七子に囲まれながら腕を磨く。馬券穴派からの支持が厚い。

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